Intel(インテル)や AMD などが発表している、今後の CPU の発売予定です。
つまり、パソコンの「世代」が変わる予定表でもあります。
ただし、あくまで予定であって、実際にこの通りに進むとは限りません。
2025年5月は、台湾で大規模なコンピューター技術展示会「COMPUTEX 2025」が開催されていました。
ここで各社が新しい発表を行うと見られていたのですが……
1月にアメリカで開催された「CES 2025」が一般消費者向けの展示会であったためか、今回は企業向けのAI関連が中心で、個人向けパソコンに関わる発表はあまり見られませんでした。
ただ、Intel は次世代の設計「Intel 18A」で作られる「Panther Lake」の実物と、搭載試作機の展示を行っていたようです。
特に講演などはなかったようですが、今年後半の量産に向け、開発は順調とのこと。
Panther Lake はノートパソコン向けの CPU になる予定で、Lunar Lake 並みの電力効率の高さを維持しつつ、Arrow Lake 並みの性能の高さを実現すると、展示パネルには表記されていたようです。
他に Intel は、新しい AI アクセラレーター「Arc Pro Bシリーズ」と、サーバー向けの CPU「Xeon 6」の新型を発表しました。
AMD は廉価型ビデオカードの新型 Radeon RX 9060 XT と、マルチコア特化型 CPU である Ryzen Threadripper 9000 シリーズを発表しています。
Threadripper(スレッドリッパー)はマルチコアとシングルコアを区別しないベンチマークソフトで非常に高いスコアを出すため、市販最強の CPU だと思っている人も多いのですが、あくまでマルチコア特化であり、シングルコアは一般用と大差ありません。
これで一般のソフトやゲームを動かしても速くはならず、研究や解析、設計やシミュレートなどに使われるプロ用途の CPU です。
ただ、マニア注目の製品でもあり、企業向けの COMPUTEX で発表するのに適した CPU でもあります。
もう一つ、FSR Redstone という FSR(NVIDIA の DLSS に相当するもの)の後継について語られたのですが、FSR は最新版(FSR 4)から Radeon 9000 シリーズ専用となったため、あまり話題になっていません。
これが FSR 5 になるのか、FSR 4.1 になるのかは、まだ決まっていないようです。
世界最大の AI 企業となっている NVIDIA は、AI 展示会と化した COMPUTEX 2025 でも大規模な講演や展示を行っていた模様です。
NVIDIA Blackwell のサーバーに他社の CPU やアクセラレータも組み込める NVLink Fusion を推進、クアルコムや富士通がそれに使える新CPUを発表しています。
発売されたばかりの廉価型ビデオカード GeForce RTX 5060 は 4060Ti と同等の性能ですが、DLSS 4 を使うことにより対応タイトルでは高い性能を発揮できる…… と NVIDIA はアピール。
COMPUTEX 2025 の開催に合わせ、ノートパソコン用 GeForce 5000 シリーズの下位モデルを搭載したゲーミングノートの発売もスタートしました。
とは言え、GeForce RTX 5060 や 5070 を搭載したノートパソコンは、5080 などを搭載していた機種のビデオカードを乗せ換えただけといった感じで、まだ廉価モデルに相応しい価格にはなっていません。
また、GeForce RTX 5070 Laptop は TDP(投入電力)が下がっており、GeForce RTX 4070 Laptop よりベンチマークスコアは低くなっています。
(ビデオカードの性能一覧は こちら をご覧ください)
これらを使った最新コスパ型ゲーミング/クリエイターノートが登場するのは、もう少し先になりそうです。
NVIDIA は CEO がトランプ大統領の中東訪問に付いていき、現地で大規模な商談を行うなど、トランプ関税で半導体各社の苦境が伝えられる中でも、派手な動きを見せています。
決算も絶好調で、今後も AI を牽引する存在となりそうです。
パソコン市場の動向については…… 目立った動きがありません。
ノートパソコンは依然として多くの CPU が使われている混在状態。
新型の Core Ultra 200H シリーズや Ryzen AI 7 は、なかなか普及していません。
(現在使われているノートパソコン用 CPU のまとめは こちら に移しました)
デスクトップパソコンは、最新型は Core Ultra 200S シリーズ(Core Ultra 7 265F など)が主流となっていますが、安価機では Zen4 や Zen3 の Ryzen、ハイスペックゲーミングPCでは Ryzen 7 9800X3D が人気です。
こちらは混在と言うより、用途別に分けられている感じ。
Zen5 のデスクトップ用は省電力重視で性能がやや控えめなためか、X3D 以外は苦戦気味です。
「トランプ関税」の半導体への影響ですが、結局5月は、なにも進展がありませんでした。
半導体は別枠で関税をかけるとトランプ大統領や米政府が発表、4月には4月中に、5月には5月中に続報が出される予定だったのですが、5月末になっても何も決まっていません。
半導体は原料・製造・試験・出荷、全ての工程で関税の影響を大きく受けるため、その動向次第では深刻なことになりますが、今はまだ各メーカーとも在庫がありますし、大きな影響は出ていません。
トランプ大統領は「6月からEUの関税を50%にする」「Apple は iPhone を米国内で作らないと関税を100%にしてやる」「ロシアに味方する国は関税500%だ」など、相変わらず威勢の良いことを言っていますが、EUへの関税はすぐに7月に延期。
市場では「トランプはTACO(チキン野郎)だ」という見方が広まっており、その言動で右往左往することは減りつつあります。
とは言え、予断は許さない状況で、依然としてパソコンや半導体業界は、動きを取り辛い状態が続いています。
現在おすすめのパソコンは、ノートPCは こちら、ゲーミングPCは こちら をご覧ください。
CPU の基本説明は こちら、用語については こちら で解説しています。
CPUの性能一覧グラフは こちら、ビデオカードの性能一覧グラフは こちら です。
(以下は過去ログです)
※2025年5月1日版
Intel(インテル)や AMD などが発表している、今後の CPU の発売予定です。
つまり、パソコンの「世代」が変わる予定表でもあります。
ただし、あくまで予定であって、実際にこの通りに進むとは限りません。
2025年5月時点のパソコン関連メーカーの動向ですが……
ニュースでご承知の通り、半導体関連各社は「トランプ関税」に振り回されている状況で、今後が不透明になっています。
ここまでの経緯を述べると、まず4月2日にアメリカのトランプ大統領が追加関税を発表。
4月5日より、アメリカが輸入するすべての品目の関税が10%引き上げられました。
さらに4月9日から、国ごとに設定された上乗せ分も追加されると告知。(日本は+24%)
世界の輸出入が混乱に陥ります。
4月9日の上乗せ分は90日間の導入延期となりましたが、製品価格の高騰による世界的な景気後退が懸念され、株式市場はトランプショックと呼ばれる大暴落に。
特に半導体は世界各国の材料・機械・工場で作られるため、関税の増加は原価に直撃します。
さらにアメリカと中国が報復関税の殴り合いを始め、5月初頭時点で、アメリカの対中関税は145%、中国の対米関税は125%となっています。
これは中国に多くの製品を輸出している Intel、AMD、NVIDIA などのPC関連各社の首を絞めることになり、台湾の TSMC にとっても深刻です。
特に NVIDIA は中国向けのAI半導体「H20」の輸出が許可制となり、業績低下が免れない状態。
H20 は中国に軍事利用されないよう、性能を下げた製品だったのですが、それでも自由に売れなくなりました。
NVIDIA のCEOはこれを受け、トランプ大統領とのお食事券を1億5千万円で購入し、この件を直談判、一時は H20 の輸出を承諾されたと一部メディアで伝えられていたのですが、数日後に「やっぱりダメ」と通告されています。
TSMC はトランプ大統領に嫌われているのか、「お前がアメリカの半導体を奪ったんだ」「関税を100%にしてやる」「アメリカにもっと工場を建てろ」「インテルの再建を支援しろ」などと脅されています。
TSMC が苦しくなると生産を一任している NVIDIA や AMD も今後が予測できなくなります。
Intel はトランプ大統領からアメリカの半導体復活のかなめとされていますが、中国に大規模なCPU製造の後工程工場があり、昨年末に追加投資したばかり。
中国市場は販売ルートとしても大きなものであるため、やはり打撃を受けることは必至です。
4月14日頃、スマホやパソコン関連部品、半導体製造装置はトランプ関税の対象外になると米政府が発表したという報道があったのですが、すぐにトランプ大統領がSNSで「そんな除外はしない」とコメントし、以後の報道は二転三転。
結局、半導体がどうなるかは「今月(4月)中に発表する」として棚上げされ、そのままとなっています。
現時点では半導体各社、およびパソコンメーカーとも在庫があるので、大きな変化には繋がっていません。
Apple や Microsoft はすぐに輸送機を飛ばし、大量の在庫を買い付けたと言われており、各社とも当面の影響を最小限に抑える努力を行っています。
しかし関税が撤廃されない場合、いずれ部材などの在庫は尽きます。
業績が悪化すれば研究に費やせる資金が減り、一部の開発停止なども起こり得るため、今後の計画にも支障が出る可能性があります。
と言うわけで、現在のCPU開発は各社とも「それどころじゃない」という状況なのですが……
ただ、AMD は企業向けのサーバー用CPU「EPYC」の次世代型を TSMC の 2nm で製造すると、公式に発表しました。
2nm の製造ラインは Apple や NVIDIA が押さえていると言われていましたが、AMD にも回されたことで、次の設計「Zen 6」のCPUも 2nm で作られることが濃厚となっています。
Intel は業績がさらに悪化、追加の人員削減を行うと発表しましたが、市場予測よりはマシだったため、以前のような株価の暴落は起こっていません。
また、4月に開催されたイベントで、次期CPU「Intel 18A」の最終試験が始まったことを発表。
その上位版となる「Intel 18A-P」の試作型の生産開始や、高 NA EUV で生産される次世代型「Intel 14A」の設計情報の配布も始まったと PC Watch などが報じています。
新モデルのパソコンも出辛い状況ですが、dynabook が Lunar Lake(Core Ultra 200V)搭載の新製品を出しており、日本の大手電機メーカーでは最初の Lunar Lake 搭載機となります。
(マウス、ドスパラ、パソコン工房などの BTO メーカーはすでに搭載機を出しています)
Intel の新型CPUである Core Ultra 200H シリーズは、まだ Dell、Lenovo、ASUS などの海外メーカーの一部製品でしか見られません。
また、今のところ価格が思ったより安くない印象。 AMD の Ryzen AI 7 も同様です。
Core Ultra 200U シリーズも、Dell の一部製品で選べるようですが、まだ普及前の段階です。
ビデオカードに関しては、GeForce RTX 5060Ti が発売されました。
ビデオメモリが 8GB のものと 16GB のものがありますが、どちらも性能的には 4060Ti 以上、4070 以下と、妥当なところ。(性能比較は こちら を)
GeForce RTX 4060Ti や 3070 を使っている人だと、わざわざ買い替えるほどの性能差ではありませんが、DLSS が 4 になっているので、対応のゲームならパフォーマンスが大幅に変わると NVIDIA はアピールしています。
また、ビデオメモリが最新の GDDR7 になっていて、メモリ帯域幅が増えているため、4Kクラスの高解像度モニターへの対応力は上がっています。
実売価格はやはり高く、GeForce RTX 5060Ti 16GBで8~10万円。8GB版でも6~8万円。
これは GeForce RTX 4060Ti の時より1~3万円ほど上です。
まだ出始めで、関税の影響もあるのだと思いますが、怖いのは今の状況では、時間が経てば下がるとは言えないことですね……
GeFoce RTX 5060 も正式に公表されており、発売は5月中と見られます。
当面、一般ユーザーとしては関税による価格の変化が気になるところです。
すでにメモリやマザーボードには値上げの兆しがあり、このままではパソコン価格の高騰は必至ですが、トランプ大統領はいきなり明日「やっぱり関税やーめた」と言い出しても全くおかしくない人なので、予断を許しません。
ともあれ、しばらく影響は続くものと見られます……
※2025年4月2日版
Intel(インテル)と AMD が発表している、今後の CPU の発売予定です。
つまり、パソコンの「世代」が変わる予定表でもあります。
ただし、あくまで予定であって、実際にこの通りに進むとは限りません。
2025年4月時点の状況は、ノートパソコンは多用なCPUが使われている混在期が続いています。
先月に続き、新製品に使われている主なCPUをまとめておきます。
・Core Ultra 200H シリーズ(Arrow Lake)
Intel の主流となりつつあるノートパソコン向け新型CPU。第13/14世代 Core の後継。
AI処理は前世代だが、内蔵グラフィック機能は新世代相当、高性能でコスパに優れる。
・Core Ultra 200V シリーズ(Lunar Lake)
Intel の軽量ノートパソコン向け新型CPU。高性能だがマルチコア性能は弱め。
AI処理と内蔵グラフィック機能が新世代で、消費電力と発熱が少ないが、お値段は高い。
・Ryzen AI 300 シリーズ(Zen5)
AMD の高級ノートパソコン向けCPU。消費電力は普通だが、バランスの取れた高性能。
AI処理と内蔵グラフィック機能も新世代だが、お値段は高い。
・Ryzen AI Max 300 シリーズ(Zen5)
AMD の超高級ノートパソコン用CPU。Ryzen AI 300 シリーズの上位版。
最上位のAIと内蔵グラフィック機能を持つ、現在最強のノートPC用CPUだが、すごく高い。
・Ryzen 9000HX シリーズ(Zen5)
ゲーミングノート向けCPU。処理性能は良いが、AIはなく、内蔵グラフィック機能も弱い。
ノート用ビデオカードとの併用が前提だが、その新型はまだ高級品しかなく、搭載機は高額。
・Core Ultra 7 100H シリーズ(Meteor Lake)
Intel の軽量ノートパソコン向けCPUの初代。
AI処理は前世代だが内蔵グラフィックは良い。富士通や Dynabook の軽量機は現行で使用。
・Core i7-1355U など(Raptor Lake)
Intel のかつての主流CPU。第13世代 Core。価格が下がっておりコスパは良い。
AIはなく、内蔵グラフィックも前世代だが、安価機や家電メーカーの製品ではまだ主力。
・Core 5 120U、Core 7 150U(Raptor Lake Refresh)
Intel の安価で省電力なノートパソコン用CPU。中身は第14世代 Core。
第13世代 Core より若干性能が高いが、大差ないので、あまり使われていない。
・Core Ultra 5 130U、Core Ultra 7 160U(Meteor Lake)
初代 Core Ultra がベースの、安価で省電力なノートパソコン用CPU。まだ出たばかり。
やはり性能は第13世代 Core と大差ないが、初代 Core Ultra と同等のAI機能がある。
・Core i7-1255U など(Alder Lake)
3年前に主流だった Intel の CPU。第12世代 Core。
そろそろ旧世代となりつつあるが、NEC は新モデルにもこれを使用している。
・Intel U300、N100、Celeron
格安ノートに使われている低性能CPU。Core i3 以下。U300 は第13世代でまだマシな性能。
N100 と Celeron 7000 シリーズは第12世代で、安さのみが取り柄。
安価機によく使われている Ryzen 7 7730U は、U300 と N100 の中間ぐらい。
・Snapdragon X Elite / Plus (ARMプロセッサ)
Qualcomm のモバイルノート向けのCPU。省電力で、AIや内蔵グラフィック機能は新世代。
しかし ARM版Windows を使う必要があり、動くソフトが少ない。詳しくはこちらを。
・Snapdragon X (ARMプロセッサ)
Qualcomm の安価なモバイルノート向けCPU。AIや内蔵グラフィックは新世代。
性能は低めだが、新型なので第13世代 Core の省電力型よりは高め。動くソフトは少ない。
2025年2月中旬より、Core Ultra 200H シリーズ(Core Ultra 7 255H など)を搭載するノートパソコンが発売されていますが、まだ Dell、Lenovo、ASUS などの海外メーカーの製品しか見られません。
日本で広く普及するには、もう少し時間がかかりそうです。
Intel は Core Ultra 200U シリーズという省電力型のCPUも発売しており、日本のメーカーはこちらを先に採用するケースが多いかもしれません。
安くて省電力、性能は新型としては控えめで、AI(NPU)は第1世代(12TOPS)、内蔵グラフィック機能も低め、しかし LP-E コア を持つ、初代 Core Ultra(Meteor Lake)の省電力型に近いものとなりそうです。
ただ、プロセスルールが初代 Core Ultra の Intel 4 から、Intel 3 に変わっているので、再設計されているようで、Meteor Lake Refresh に相当するものと言えそうです。
Intel 公式の製品情報では Arrow Lake シリーズの中に含まれています。
いずれにせよ、4月初頭時点ではまだ搭載機は発売されていません。
デスクトップパソコンは、Arrow Lake の一般向け CPU である Core Ultra 200S シリーズが発売され、急速に普及しています。
Ryzen 9000 シリーズより消費電力は高いですが、その分パワーがあるのでゲーミングモデルに向いており、それでいて Ryzen X3D シリーズより安いため、ミドルクラスのゲーミングモデルを中心に主流になりつつあります。
ただ、ハイスペック機では依然として Ryzen 7 9800X3D が人気で、使い分けられそうです。
また、CPU ではありませんが、ビデオカード GeForce RTX 5070 が3月に発売されました。
性能はベンチマークスコアだけで言えば、GeForce RTX 4070Ti と同等。
しかし DLSS4 を使うことで、対応ソフトなら一回り高い性能を発揮できる…… と、NVIDIA はアピールしています。
(ベンチマークスコアの一覧は こちら を)
そしてメインストリームとなるであろう、GeForce RTX 5060Ti と 5060 についての「噂」も、かなり流れています。
正式発表ではないのですが、GeForce RTX 5060Ti は4月16日発売と言う報道があった模様。
GeForce RTX 5060 は5月の予定で、さらに 5050 の発売も予定されているという話が。
GeForce に関しては3月以降、不確定な情報が多く、ハズレている噂もあるので鵜呑みは良くありませんが、大体この辺の発売になると思って良さそうです。
一方、ノートパソコン用の GeForce 5000 シリーズは、3月末に搭載機が発売されたばかり。
まだ GeForce RTX 5080 などの上位機しかないので、まともに買えるお値段ではなく、主流と言えるノート用の GeForce 5000 搭載機が出るのは、まだしばらく先でしょう。
今後のCPUの開発予定についてですが……
まず、新設計 Intel 18A で作られる次期CPU「Panther Lake」の発売時期について、3月にひと悶着ありました。
Panther Lake は今年中の発売が予定されていますが、歩留まり(良品率)の悪さのせいで計画が遅れており、2026年以降になるという話がまことしやかに広まりました。
しかしその数日後、Intel は 18A が予定通りに開発されており、歩留まりも悪くない、むしろ Meteor Lake の時より良いと公式に反論。
結局、現時点では「2025年に先行型が一部出るけど本格普及は来年だろう」みたいな、「いつも通りのスケジュール」に落ち着いています。
これについては、あれこれ憶測も飛んでいますが、今のところ公式な話はここまでです。
Panther Lake はノートパソコン用のCPUになると言われており、Lunar Lake レベルの省電力で、Xe3 と呼ばれる新型グラフィック機能が搭載されると言われています。
Panther Lake の次は「Nova Lake」、さらに次は「Razer Lake」だと言われていますが、この辺りの詳細はまだ不明。
Panther Lake がノートパソコン用だけだとデスクトップ用の新型CPUがずっと出ないことになるので、Arrow Lake Refresh が発売されると言われていますが、噂の段階にすぎません。
AMD の Zen6 についての噂(リーク情報)も多く飛んでおり、2nm で製造される、コアやキャッシュが増える、内蔵GPUは新型ではなくRDNA 3.5になりそう、といった話が見かけられますが、新技術のような目立った話はありません。
ノートパソコンの Ryzen AI シリーズで使われている設計を転用した、内蔵GPUを持つデスクトップ用の新型CPU「Ryzen 9000G シリーズ」が登場するという噂もあります。
ただ、Ryzen 8000G がまるで売れていないので、出すのかどうか微妙です。
次のCPUの登場まで間があるため、噂もまだ信用性のあるものが乏しい印象です。
以下は個人向けCPUの開発とは、直接関係ないのですが……
Intel は新しいCEO(最高経営責任者)の就任について公式発表を行いました。
前CEOのゲルシンガー氏が大赤字の責任を取らされて退任したあと、CEOの地位は空席になっていましたが、リップブー・タン(Lip-Bu Tan)氏が後任に決まりました。
マレーシア出身の人で、半導体関連企業の設立や取締役を長く勤めており、半導体産業の発展に貢献した人に贈られる表彰も何度か受賞しています。
実績のある人で、その就任を市場も好意的に受け止めています。
さっそく彼は4月1日に行われた講演でその抱負を発表。
その中で、Panther Lake の量産は今年下半期に予定されているとコメントしています。
AMD はサーバー向けCPU「EPYC」の組み込み型(EPYC Embedded)の新モデルを発表。
EPYC シリーズは現在の AMD の稼ぎ頭で、今期一番注力している分野です。
サーバー用CPUのシェアは Intel 65%、AMD 35% のようですが、AMD が上昇傾向です。
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CPU の基本説明は こちら、用語については こちら で解説しています。
CPU の性能一覧グラフは こちら をご覧ください。
メモリなど、他のパーツについては カスタマイズについて のページで説明しています。