Intel(インテル)や AMD などが発表している、今後の CPU の発売予定です。
つまり、パソコンの「世代」が変わる予定表でもあります。

ただし、あくまで予定であって、実際にこの通りに進むとは限りません。

CPUロードマップ(2026年3月)

2026年1月、Intel の Panter Lake こと「Core Ultra シリーズ3」、AMD の Gorgon Point こと「Ryzen AI 400 シリーズ」、クアルコムの「Snapdragon X2」が、ついに登場しました。
すべてノートパソコン用の CPU です。
しかし…… これらのパソコンが普及している兆しは、正直見えません。

Core Ultra シリーズ3 搭載機は Dell の XPS に加え、Lenovo の Yogabook や ASUS の Zenbook S14icon が加わりましたが、XPS は40万円以上、下位モデルを搭載する Yoga 7i でも約28万円と、かなり高額。
メモリやストレージ等のパーツ価格の高騰が要因であり、CPUの性能自体は悪くないのですが、さすがにコスパ的に厳しいのが本音です。

Ryzen AI 400 シリーズは搭載機の ASUS Zenbook S16icon が発売されたものの、価格は35万円とやはり高く、スペックも AI 300 と比べて大きな進化が見られません。
Lenovo もゲーミングノートに採用していますが、やはりコスパは良くありません。

Snapdragon X2 はHPに加え、ASUS も新型機(軽量機 Sora の新モデル)を発表しましたが、まだ発売はされていません。
新CPUの中ではもっとも高性能ですが、Windows がARM版なので動くソフトウェアが少なく、どれだけ普及するかは未知数。

こんな状況のため、新型CPU登場直後であるにも関わらず、廉価CPUや、旧コアのCPUを使った新型機が続々登場しています。

特に多いのが第13世代 Core や、その省電力型の改修版である Core 7 150U、Core 5 120U を使った安価なノートパソコン。
安価と言ってもメモリとストレージが高騰しているご時世ですから、それなりに割高ですが、これらのCPUを使って少しでも安く仕上げようという努力が垣間見えます。
Core 7 150U と Core 5 120U、共に Pコア2、Eコア8 の計10コアで、TDP は28W。
BTO メーカーだと Core i7-13620H(Pコア6,Eコア4,45W)搭載機も割と見られます。

Dell は Ryzen 7 250 / Ryzen 5 220 搭載機も大量投入。
これは Zen4(後期型)の改修廉価CPUで、モデルによっては10万円を切ることもあります。
Ryzen 7 は8コア、Ryzen 5 は6コアの、28WのCPUで、約10万円ならコスパが良いです。

Lenovo も Ryzen 5 150(Zen3+)を搭載する9万円の機種に加えて、Ryzen 5 230 や 220 を搭載する割安なノートPCを多く追加。

また、ユニークなことに、Dell や Lenovo は本来ノートPC向けの Ryzen 7 250 を搭載するビジネス向けスリムデスクトップを大量投入しています。
AMD は Zen4 後期型の内蔵グラフィック性能をデスクトップで活用して貰おうと、Ryzen 8000 シリーズを発売して大コケしたのですが、メモリとストレージの高騰、NPU不要論で最新CPUが軒並み不調な中、改修型の Ryzen 200 の登場で、ようやくその構想が花開きつつあります。

性能的にお勧めは出来ませんが、デスクトップ用の Ryzen 5 4500 や、ノート用の Ryzen 7 7320U といった、Zen2 の CPU も超安値のパソコンで再び多用されつつあります。

富士通だけは他と方向が違い、超軽量機iconを Core Ultra 200H や 200V(Meteor Lake や Lunar Lake)搭載にしてきました。
1年遅れな感は否めませんが、値下がりしたCPUを使っている点は他のメーカーと同じです。

デスクトップと違い、全体の設計開発が必要なノートパソコンは新型CPUの導入にコストがかかるため、先月登場した新CPUをスルーするメーカーも多いと思われます。
高級機がとんでもない価格になっている現状、主流が安価機へと傾倒しているのは新モデルのラインナップを見ても顕著です。

ただ、第13世代 Core 辺りの性能なら、12世代辺りのパソコンを使っている人が性能アップのために買い替えるのは価格を考えても今はあり得ないので、新しく買う人か、前のPCが壊れた人ぐらいしか購入の動機が乏しく、しばらくPC販売が低調になるのは否めないと思われます。
とは言え「待てば安くなるのか?」と言われると、それも厳しいのですが……

そのPC価格高騰の要因になっているメモリ・SSD・HDDの値上がりについてですが、メモリ価格については2月辺りから横ばいになりつつあります。
と言っても高止まりの状態で、安くなっている訳ではないのですが、とりあえず青天井で上がっていくことはなくなっています。

一方、SSDの値上がりは続いていて、こちらが12月以降は青天井状態。
また、メモリやSSDに比べると控えめだったHDDの値上がりが、ついに在庫が底をついたのか、ここに来て急上昇。
PCパーツの高騰はまだしばらく続きそうです。

CPU の開発についてですが、Panter Lake や Gorgon Point が登場したので、巷の話題は次の CPU へと移りました。

まず、Intel の新デスクトップ用CPUである Arrow Lake-S Refresh こと Core Ultra 200S Plus シリーズが、3月23日に登場すると見られています。
デスクトップ用 Arrow Lake のマイナーチェンジですが、ゲーミング性能の向上が行われていると思われます。

ただ、最上位の Core Ultra 9 はキャンセルされ、Core Ultra 7(270K Plus)と、Core Ultra 5(250K Plus)のみになるという話も出ています。

Intel の内部はすでに今年後半に発売されると思われる Nova Lake の開発に集中しており、こちらが本命であるため、Arrow Lake Refresh は以前から言われていたように「つなぎ」の CPU となりそうです。

なお、Intel は Unified Core(統合コア)の開発を進めている模様です。
第12世代 Core 以降のコアは、主力となるPコアと、軽い作業を行う省電力なEコアに分かれており、作業を分担することで効率化と省電力化を行ってきました。

ただ、それぞれのコアを個別に開発するのはリソースの無駄であるため、1つのコアで両方こなせるようにしたいと考えているようです。
まだ研究開発者の募集を始めた段階で、実装されるのは当分先ですが、興味深い話です。

AMD は Zen6 の噂が多数飛び交っていますが、確度の高そうな話はまだありません。
名前については、Medusa(Medusa Halo / Medusa Point)になると言われていましたが、デスクトップ用は「Olympic Ridge」と呼ばれているという話があります。
そして、Medusa(ノート用)には新型内蔵GPUの RDNA 4m が搭載されると見られています。

他に注目の話題として、NVIDIA が2026年中にノート用 CPU を発表するという話があります。
Dell や Lenovo から搭載機が出ると言われており、本当なら一般向け CPU の新勢力として大きな話題になるでしょう。

また、一般向けの話ではないのですが、マイクロンが PCI Express 6.0 対応の SSD の量産に入った模様です。
PCIe 5.0 でさえまだ普及していないのに、PCIe 6.0 とは…… という感じですが、成長著しい AI サーバー向けの製品で、必要に迫られてのことかもしれません。
これを機に一般向けも開発されれば、SSD はまた新しいステージに至ることになります。
対応の CPU やマザーボードも必要なので、全部含めて考えると当分先だと思いますが。


CPU の基本説明は こちら、用語については こちら で解説しています。
GPU については こちら をご覧ください。

CPUの性能一覧グラフは こちら、ビデオカードの性能一覧グラフは こちら をご覧ください。

(以下は過去ログです)

※2026年2月1日版

Intel(インテル)や AMD などが発表している、今後の CPU の発売予定です。
つまり、パソコンの「世代」が変わる予定表でもあります。

ただし、あくまで予定であって、実際にこの通りに進むとは限りません。

CPUロードマップ(2026年2月)

年明けの1月6日から9日にかけて、ラスベガスで一般向け家電の大展示イベント「CES2026」が開催されました。
毎年ここで CPU やビデオカード、関連パーツやパソコン本体の新製品発表が行われます。
ここで改めて、一般PC向けの発表をまとめておきたいと思います。

まず、Intel は予定通り「Panther Lake」こと「Core Ultra シリーズ3」を正式発表しました。
「Intel 18A」と呼ばれる新設計で作られており、新型トランジスタ RibbonFET、基板の裏から給電を行える PowerVia といった新技術が導入されています。

Core Ultra シリーズ3

基本仕様は10月にすでに発表されていましたが、改めてまとめますと……
大まかな設計は Lunar Lake(Core Ultra 200V)を踏襲していますが、Pコア/Eコア/LP-Eコアを同じタイルに集めて最適化。
メモリは内蔵していませんが、メモリアクセスや電源管理はより進化しており、高い電力効率を持つようです。

一方、搭載される Pコア(Cougar Cove)と EコアDarkmont)は、Arrow Lake や Lunar Lake で使われていた従来のコア(Lion Cove と Skymont)の改良型で、新設計という訳ではありません。

ただ、従来型の延長であることは、信頼性の面では安心感があります。

Cougar Cove

Darkmont

ハイパースレッディングは導入されていないため、16コアなら16スレッド、8コアなら8スレッドですが、スレッドスケジューリングの改良により効率的に動作するとのこと。

GPU(内蔵グラフィック機能)は「Xe3」と呼ばれる新しいものになっています。
そのパワーは実機のベンチマークでビデオカードの GeForce RTX 4050 に迫るようで、事前に言われていたよりさらにパワーがあるようです。

ただし、Intel の GPU「Intel Arc」はドライバやソフト側の最適化がまだ不十分で、実力を発揮できないケースも多く、ゲームの実測では NVIDIA の GeForce や AMD の Radeon に劣る場合が多いので、そこは差し引いて考える必要があります。

Panter Lake Xe3 GPU

NPU(AI 専用処理機能)は「NPU 5」という新型になりますが、処理能力は 50~60TOPS で、前世代の 48TOPS とあまり変わりません。
ただ、サイズを小さくしている模様。
また、GPU を AI に活用しやすくする XMX という機能が Lunar Lake に続いて備わります。

Lunar Lake に導入されていたカメラの制御機能(IPU7.5)も搭載されています。

製品は(Core 5 以外)、16コアと8コアの2種類。
16コアは Pコア4+Eコア8+LP-Eコア4 の組み合わせで、Core Ultra 9、Core Ultra 7 366H、356H といった製品があります。
8コアは 4+0+4 となっていて、Core Ultra 7 365 や 355 があります。
また、計12コアや8コアの Core Ultra 5 も発表されています。

それぞれに内蔵GPUを強化した(前述の Xe3 を搭載する)Core Ultra X9 や X7、X5 が存在。
基準の TDP はすべて 25W ですが、最大は 55W か、65~80W となる模様。

現時点では、Dell が搭載機(XPS14)を発売していますが、Core Ultra X7 だと40万円……
XPS は高級機なので、普及機はもう少し安くなると思いますが……
昨今のメモリやストレージの価格高騰を考えると、この高さも仕方ないところでしょうか。

Intel の発表会の模様(動画)は こちら をご覧ください。

なお、Intel は Core Ultra シリーズ3 ではない、Core シリーズ3 も発表しています。
Ultra がないこちらは「Wildcat Lake」の製品と見られており、Panther Lake の廉価版という位置付けになります。
Panther Lake と同じコア、設計が使われますが、Pコア2 + LP-Eコア4 の6コアとなり、GPU は前世代の Xe2 を搭載する模様。
発売日などはまだ明言されていません。

AMD も「Gorgon Point」こと Zen 5 の後期型「Ryzen AI 400 シリーズ」を発表しています。
これまでの Zen 5 と同じコア、同じ GPU で、マイナーチェンジといったところですが、内部の最適化によって性能が向上しているとのこと。

Ryzen AI 400 シリーズ

Zen5(Pコアに相当)と Zen5c(Eコアに相当)が 4+8 の Ryzen AI 9 HX の他に、4+6 の Ryzen AI 9 465、4+4 の Ryzen AI 7 450、2+4 の Ryzen AI 7 445 が用意されています。
SMT(ハイパースレッディングに相当)が適用されているのでスレッド数はコア数の2倍。
また、2+4 や 1+3 の Ryzen AI 5 も発表されています。
NPU はこちらも 50~60TOPS。

性能的には目立つ部分は乏しいのですが、これ1つで上位型から下位型までカバーできるようになっている模様。
基本的にはノートパソコン用ですが、デスクトップ向けも投入される予定で、主にミニPCに使われることになりそうです。

搭載機は現時点(2/1時点)では ASUS が発表していますが…… お値段 35万円。
このご時世なので、やっぱり高いですね……
Core Ultra シリーズ3 よりは安めのようですが……

AMD の発表会の模様(動画)は こちら をご覧ください。
ただし、AMD の発表は8割が企業向けの AI サーバーの話で、個人向けは少ないです。

なお、今回の発表とは別に、この1月にデスクトップ向けの Ryzen 7 9850X3D と、ノート向けの Ryzen 100 シリーズという CPU を発売しています。

Ryzen 7 9850X3D は人気のゲーム向け CPU「Ryzen 7 9800X3D」の上位版。
ただ、最大クロック数がちょこっと高いだけで、他は同じ。
AMD は 3~8% の性能向上とアピールしてしていますが、体感できる差はないと思われます。
巷ではオーバークロック用と言われているようですが……

Ryzen 100 シリーズは Zen3+ 世代の廉価ノート用 CPU で、何の告知もなくひっそり登場。
Ryzen 5 150 を搭載する機種がレノボから発売されており、メモリ8GB で SSD 256GB という最低限の構成ながら、約9万円という安さ。
性能はそれなりだと思いますが、このご時世にこの値段は驚きで、注目かもしれません。
ただ、Zen3+ はメモリが DDR5。 DDR4 なら、よりメモリ価格対策になったのですが……

 

さらに、クアルコムが Snapdragon X2 搭載機を発表しています。
上位型の Snapdragon X2 Elite に加え、中間型と言える Snapdragon X2 Plus も発表。
Intel の Lunar Lake や、AMD の Ryzen AI 300 を上回るピーク性能に加え、優れた省電力性能を持ち、内蔵 AI 性能(NPU)は第三世代とも言える 80TOPS に達しています。

最新の GPU(グラフィック機能)も搭載しており、クアルコムはゲーミング性能もアピールしていたようですが、ARM プロセッサであるため動かないソフトが多く、最新ゲームの多くは無理と考えた方が良いです。
これは DirectX12 が動かないという ARM版Windows の問題なので、Snapdragon が X2 になっても変わりません。
(ARM プロセッサと他の CPU の相違点、動くゲーム等については こちら をご覧ください)

「2026年度中に発売」とされていたため、早くも搭載機が登場したのは意外でした。
ラインナップは以下の通りです。

・X2E-96-100:Pコア12、Eコア6、最大5GHz、GPU X2-90
・X2E-88-100:Pコア12、Eコア6、最大4.7GHz、GPU X2-90
・X2E-80-100:Pコア6、Eコア6、最大4.7GHz、GPU X2-85
・X2P-64-100:Pコア6、Eコア4、最大4.04GHz、GPU X2-45
・X2P-42-100:Pコア6、Eコア0、最大4.04GHz、GPU X2-45

上の3つ(X2E)は Elite、下の2つ(X2P)は Plus。
Snapdragon は消費電力(TDP)を公表していませんが、型番が 80 なら 80W、64 なら 64W 相当であるため、そこから考えると X2E-96 や X2E-80 は他の CPU の HX や HS に相当し、X2P-64 や X2P-42 は H 相当と思われます。
省電力性能がウリの CPU ですが、まだ上位型のみで、省電力型は発表されていません。

搭載機は HP、ASUS、レノボが発表していますが、価格は(2月1日時点で)明らかになっていません。

Intel、AMD、Qualcomm の各社の CPU 性能比較ですが、Youtube で公開されている こちら の検証動画によると……
Core Ultra シリーズ3 はピーク性能と省電力性能の双方で優れているようです。
Ryzen AI 400 シリーズはマイナーチェンジであるため、比較すると性能でも省電力でも厳しいようで、どれだけ安くできるかといったところ。
Snapdragon X2 はかなり基本性能が高く、GPUも(動かないソフトが多いけど)高性能、省電力性能も良いようで、ARM プロセッサの欠点を考慮しなければ現時点で最適なようです。

他に、CPU ではありませんが……
NVIDIA は CES2026 にて、次世代 GPU「Rubin」の生産を開始したと発表しました。
と言っても AI サーバー向けの製品の話で、そちらの市販開始が2026年後半なので、個人向けの Rubin 搭載ビデオカードは来年以降になるものと思われます。

Rubin の演算性能(FLOPS)は現行の Blackwell の5倍ながら、トランジスタの数は1.6倍に抑えているとのこと。(あくまで AI 向けの製品の話)
つまり、発熱、省電力性能、サイズなどがより効率化されています。
Grace の後継となる AI サーバー向けの CPU「Vera」も発表しています。

NVIDIA の発表はすべてが AI のもので、個人向けの話題は一切なかったのですが……

1月22日に記者むけの説明会を行ったようで、GeForce 4000 以上で使える DLSS 4.5、GeForce RTX 上での AI 動画生成の改善、3D モデル生成の改良などがアピールされた模様。
主に AI を活用するクリエイター向けの発表だったようです。

他に、ストレージに注目の発表がありました。
アメリカのストレージ(HDD/SSD)メーカー Western Digital(ウエスタンデジタル)が、2016年に買収した SanDisk(サンディスク)と分離することとなりました。

今後、ウエスタンデジタルは HDD 専門、サンディスクは SSD 専門となります。
親会社側のウエスタンデジタルがやや時代遅れになりつつある HDD に戻るという選択をしたのは正直意外でしたが……
WD の企業向け HDD は AI 特需によって2年待ちとも言われていて、需要が堅調なことが背景にあると思われます。

こちら のインタビュー記事では、安定株の HDD、成長株の SSD で分けて欲しいという株主からの要望があったことと、製造がまったく違うので合併したところでメリットがなかったというのが理由だと述べられています。

これにより WD Black や WD Blue といった SSD ブランドは廃止に(HDDでは残る)。
代わりに SANDISK Optimus(サンディスク オプティマス)という新ブランドの SSD が発売される模様です。
ただ、製品自体は当面、WD Black や WD Blue と同じものとなりそうです。

サンディスクは日本のキオクシアと技術協力しているため、SSD(NANDフラッシュメモリ)は今後、サムスン&SKハイニックスの韓国勢と、キオクシア&サンディスクの日米勢で二分されることになります。

ただ、サムスンとSKハイニックスはメモリの生産で忙しく、ストレージは減産するという報道があり、さらにキオクシアは2026年度生産分の NAND は完売したとコメントしていて、更なる SSD の値上がりは避けられないものと思われます……

PC の価格高騰は留まるところを知らず、一般ユーザーには厳しい状況が続いています。
そんな状況のためか、AMD は前世代(DDR4)のメモリを使える Zen3 の Ryzen(Ryzen 5000 シリーズ)の供給量を増やす考えがあるようで、さらに NVIDIA も前世代のビデオメモリ(GDDR6)を使う2世代前の GeForce RTX 3060 を復活生産することを考慮しているという噂があります。
これらは公式の情報ではなく、最近は否定される噂も多いので鵜呑みにはできませんが……
メモリ不足のあまり、まさかの旧世代への回帰まで始まりつつあります……


※2026年1月1日版

Intel(インテル)や AMD などが発表している、今後の CPU の発売予定です。
つまり、パソコンの「世代」が変わる予定表でもあります。

ただし、あくまで予定であって、実際にこの通りに進むとは限りません。

CPUロードマップ(2026年1月)

2025年末に登場すると思われていた Intel の新型CPU「Panther Lake」を搭載するノートPCですが、結局出て来ませんでした。
AI ブームに端を発するメモリとストレージの価格高騰はかつてないレベルとなり、Dell がパソコン価格の改定を発表、レノボもそれに続き、ASUS も価格の調整を示唆しています。
これでは新CPU搭載モデルなど、出せる状況ではないようです。

レノボはメモリの在庫を2026年分まで確保していると発表していたのですが、先々月の話。
その時点では流石にここまでの事態になるとは思っていなかったようです。

メモリ(VRAM、ビデオメモリ)の不足と AI 用ビデオカードへの注力により、一般向けビデオカードの価格高騰と品薄も続いており、ゲーミングPCの値段は特に急上昇中。

国内メーカーは値上がり前の駆け込み需要が殺到、マウスコンピューターが年末年始のパソコン販売を一部停止、さらに1月からの価格変更を発表しています。

ドスパラやパソコン工房などはPCパーツショップでもあるためか、販売停止にはなっていないのですが、価格はかなりアップ。
例えば、ドスパラの Core Ultra 7 265F + DDR5メモリ 32GB + GeForce RTX 5060Ti のミドルクラスのゲーミングモデルで、8月時点では27万5千円でしたが、現在は32万5千円。
しかもストレージは NVMe SSD 1TB だったのが 500 GB に減っています。

Ryzen 7 9800X3D + DDR5メモリ 32GB + GeForce RTX 5070 のハイスペックモデルだと、8月に32万円でしたが、今や42万5千円。10万円アップです……

カスタマイズの価格も当然上がっており、複数搭載することもある HDD や SSD の値上げがメモリ以上にお財布に厳しいです。

サイコムなどの中堅どころの BTO メーカーになると、パーツが品切れでほとんど選べないという状況になっていたりします。
国内電機メーカーは現時点では値上げを行っていませんが、どこも検討中ではあるようです。

このような状況のため、DDR5 メモリほど価格が高騰していない、一世代前の DDR4 メモリを使うパソコンの人気が高まっているようで、第13~14世代 Core や、Zen3~Zen4 の Ryzen 搭載機がコスパ型機として注目されています。

12月中のPC市場の経緯ですが、まず12月の初頭に発表された、Micron の一般向けメモリ/ストレージからの撤退が大きいです。
米 Micron は韓国のサムスンとSKハイニックスを含む、世界三大メモリチップメーカーの一角ですが、そこが一般向けのメモリをもう販売しないと発表したため、業界に衝撃が走りました。

理由は AI サーバー向けの HBM メモリの受注が殺到しているためで、サーバー用メモリの方が単価が高いのもあると思われます。
決算発表によると、2026年末まで受注はすでに一杯、しかもその需要も半分から 2/3 までしか供給できないとのこと。
一般PC向けはより品薄になりそうで、先月「メモリ価格が製品によっては2倍になりました!」とお伝えしましたが、12月には5倍を越えました……

Micron は SSD の製造メーカーでもありますが、こちらも一般向けからは撤退することになっています。
これで SSD(NANDフラッシュメモリ)も、サムスン、SKハイニックス、キオクシア、Western Digital を含む5強の一角が去ります。
ストレージ価格も高騰を続けていて、NVMe SSD の値段は2倍以上になっており、品切れも続発しています。

こんな状況のためか、サムスンが NVMe でない SSD から撤退する、サムスンのスマホ部門がサムスンのメモリ部門からメモリの供給を断られた、といった話が次々と流れました。

どちらもサムスンの広報が公式に否定しており、前者は Micron の件を元にしたデマ、後者は Apple へのメモリ供給契約から出てきた憶測と思われます。
これらの話からは際限なく上がるパーツ価格に対する、市場の恐怖感を感じ取れます。

ただ、キオクシアが新技術(フラッシュメモリの積層技術)を用いた一般向けを含む NVMe SSD を発売、サーバー向けメモリの新技術も開発するなど、新しい供給元の話が出てきています。

また、あまりのメモリの高騰により、一般向けの DDR5 メモリでもサーバー向け HBM メモリに迫るほどの利益を出せるようになっているようで、AI 向けに全力を傾けていたサムスンとSKハイニックスが、一般向けメモリに生産ラインを戻し始めたという話もあるようです。
サムスンはメモリチップの価格を2倍に引き上げたとのことで、価格高騰は免れませんが、AI 関連以外でも高い利益を得られるようにしようとしている模様です。

2026年はパソコン市場にとって大変な年となりそうですが、対応はされていくと思うので、徐々に落ち着いてくれれば…… と願う次第です。

CPUの開発状況についてですが、1月6日~9日にラスベガスで開催される一般消費者向け家電の大規模展示イベント「CES2026」で新たな発表が行われると思われます。

Intel の Panter Lake(ノート用 Core Ultra 300 シリーズ)と Arrow Lake Refresh(デスクトップ用 Core Ultra 200 Plus)、AMD の Gorgon Point(ノート用 Ryzen AI 400 シリーズ)の詳細はそこで明らかになるでしょう。
こんなご時世なので、新CPUが市場に出回るのは遅れるかもしれませんが……


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CPU の基本説明は こちら、用語については こちら で解説しています。
CPU の性能一覧グラフは こちら をご覧ください。

メモリなど、他のパーツについては カスタマイズについて のページで説明しています。