- 2023年6月に発売されたデルの16型ゲーミングノートパソコン
- エイリアンウェアとは異なる、コスパと標準デザインを重視したゲームPC
- 超パワーで超ヘビーのアメリカンマシン。携帯性度外視で性能優先
こんな人にオススメ!
- 超高性能ゲーミングノートが欲しい人
- 広く・速く・美しいゲーミングモニターを求める人
- 重くてもいい、コスパが優先という人
(提供元:デル・テクノロジーズ株式会社)
パワーとコスパで直球勝負
Dell(デル)のゲームPCと言えば、ゲーミングモデルの世界シェア No.1 を誇る「エイリアンウェア」が有名だ。
ゲームを快適に遊ぶことに全力を傾けた、宇宙がテーマのコアゲーマー向けパソコンである。
だが、それ故に高価で、コストパフォーマンスは良いとは言えない。
また、いかにもSFでハリウッドなデザインは好みが分かれる。
しかし近年のデルは、そうした声を反映してか、高いゲーミング性能を持ちつつも、コストパフォーマンスと標準的なデザインを重視した「Gシリーズ」というモデルを用意している。
デルいわく「ライトゲーマー向け」の製品だ。(本機は全然ライトではないが)
今回取り上げるのは、その16型ノートPC「Dell G16 ゲーミング ノートPC」の Core i9 & GeForce RTX 4070 搭載モデルだ。
標準的なデザインと言っても、やはりパワーとスーパーサイズの国、アメリカ。
極めてデカくてヘビーな本体を大容量バッテリーと巨大ACアダプタで動かす、いかにもマッチョなマシンであり、日本だと考えにくい設計である。
だが、小細工のない作りのためかコスパに優れ、ノートPC最高級のCPUと高性能ビデオカード GeForce RTX 4070 を搭載しながら、実売価格(9月時点)で税込22万円前後。
これは構成を考えると、かなりお得だ。
(定価は約26万円。Dell のWEB販売は価格がキャンペーン等でかなり変動します)
モニターも非常に高品質で、ゲーミング性能のみを考えれば、非常に優れている。
ただ、日本人にとって異国的なマシンであることも否めない。
以下、その特徴を詳しくレビューしていきたい。
外観
デザインとモバイル性能
天板の色はクォンタム ホワイトと命名された、深みのある白。
中央に Dell の光るロゴがあり、美しく気品がある。
ただ、サイズと重さがあるため、初見だとゴツさの方が上回るかもしれない。
エイリアンウェアほど特徴的ではないが、鋭角的で、ナナメに切り込みを入れたような意匠が全面的に見られる。
ライトゲーマー向けとは言え、やはりゲーミングらしさのあるデザインだ。
内部の配色は本体が白で、モニター周りとキーボードは黒。
ピアノ風の配色で、デルらしいシンプルさと品の良さがある。
真っ白な天板に丸い DELL のロゴ
モノトーンのお洒落な外観
縦横幅は16型であることを考えると、そこまで大きくはない。
横は約36cm、縦は約29cmで、モニターがやや縦長なので縦幅はあるが、横は15.6型とそこまで違わない。
厚さは約25.5mmで、かなりの厚みだが、冷却重視でビデオカード搭載機なので、ある程度はしかたないだろう。
そして重量は約2.9kg。ほぼ3kgとかなりのヘビー級。
実測では2.8kgほどだったが、いずれにせよズッシリ来る重さだ。
そしてACアダプタが約1.52kg、出力330Wという超ハイパワー&スーパーサイズ。
普通のノートパソコンと同じぐらいの重さがあり、かなりデカくて、ほぼレンガ。
CPU(Core i9-13900HX)が最大150W、ビデオカード(GeForce RTX 4070 Laptop)も最大115Wなので、これにモニター等、もろもろ込みだと確かに330Wの給電力は必要。
そして300W級のACアダプタだと、このぐらいのサイズと重さになるのは分かるのだが……
ともあれ、完全に持ち運びを考慮していないサイズと重さである。
A4とセミB5のノートとの大きさ比較
横幅はそうでもないが、縦幅が大きい
鈍器になる重さと大きさのACアダプタ。もはや外付け電源ユニットだ
両側面に通気口があるため、インターフェイス(接続端子)の配置はやや変則的。
右側面には USB3.0(5Gbps)が2つあるが、左側面には有線LAN端子とイヤホン/マイクジャックしかない。
そして USB-C(10Gbps)、3つ目の USB(5Gbps)、HDMI、電源端子は背面にある。
SDカードリーダーは備わっていない。
USB-C は映像出力(USB-ALT)対応だが、背面にあるので使いやすくはない。
また、左側面にUSBがないのはやや不便だ。
ただ、通気を優先した冷却重視の設計なのは、ゲーミングらしくはある。
両側面に排気口があり、端子は最低限
背部端子。頻繁に抜き差ししないなら、後ろにあった方がコードが見え辛いが…
無線通信は一般的な Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 も備わっている。
新規格の Wi-Fi 6E ではないが、速度は同じなので問題はないだろう。
バッテリーのサイズはノートパソコンとしては最大級の86Wh。
だが、本機の消費電力は最大300Wを超えており、高負荷なゲームをプレイして平均180Wぐらいで使っていると、計算上30分で尽きる。
基本、常にコンセントに繋げて使うものだと考えよう。
モニター / カメラ / サウンド
私的には、本機の最大の長所は高品質なモニターと高性能ビデオカードの複合による「映像美」だと思う。
液晶パネルの製造元は台湾のメーカー Innolux だが、Dell の特注品のようで、アスペクト比(縦横比)が 16:10 のやや縦長。
作業がしやすく、画面が広く感じるタイプだ。非光沢液晶なので写り込みも少ない。
そして解像度が 2560x1600 と高く、sRGB比も約100%の高発色でありながら、リフレッシュレートは 165Hz と非常に高速で、応答速度も 3ms と速い。
視野角も全方位 85度 と広く、コントラスト比も 1000:1。
さらに特殊技術 ComfortView Plus により、優れた色精度を持ち、ブルーライトも自然な色のまま軽減されている。
そして本機は、GeForce RTX 4070 Laptop により、最新ゲームを高画質のまま、高速に表示できる。
ゲーミングノートでリフレッシュレートが 120Hz や 144Hz あるのは珍しくはないが、実際のところ、ノートPCのグラフィック性能ではゲームを高画質のまま 100fps 以上で動かせることはほとんどない。
だが本機は、高解像度で、高発色で、高画質設定で、100Hz / 100fps 以上で、最新のゲームを本当に動かせる。
その映像は、とてもリアル。
綺麗とか美しいとか、そういうものの先にある、「自然な」感じがある。
他の一般的なゲーミングノートとは評価の段階が違う。
私もこういう環境でゲームをじっくりできる機会は少ないため、やっていて「ああ、これで遊べたら素晴らしいな」としみじみ感じた。
高発色モニターは描画速度が劣る場合が多いが、本機は高いレベルで両立している
ヒンジは最大で45度。背部の通気口を塞がないためか、あまり倒れない
カメラは一般的なHD画質(約92万画素、720p)で、マイクは2つ。
指紋認証や顔認証はなく、持ち出す機種ではないので、この辺のビジネス向けの機能は省かれているようだ。
サウンドは、かなり高品質。
ブランド製のスピーカーなどが備わっているわけではないのだが、とても広がりのある音で、音響効果を十分に感じられる。
本機には IntelliGo AI テクノロジーと呼ばれる、AI を応用したノイズキャンセリング機能でクリアな音質を実現するという機能が備わっており、それが効いているのだと思われる。
定番の高性能イコライザー(音響調整ソフト)Dolby Atmos も備わっていて、ドルビー対応のヘッドホンなどがあれば立体音響も楽しめる。
低音も良く響くし、この辺はさすがエイリアンウェアからのフィードバックのあるマシンだなと感じる。
※サウンド、映像、バッテリーなどは My Dell というソフトで調整可能。こうしたソフトウェアが整っているのもデル機の長所だ。
キーボード
16インチのノートパソコンなのでキーボードはとても広く、余裕がある。
ただ、本機の、というか海外のゲーミングノートPCの難点は、大型機でもテンキーが省かれていることだ。
これはキーボードを本体中央に配置するため(テンキーがあると左寄りになる)のようだが、別に左寄りだからと言って、使い辛くなるわけではない。
ゲーミングPCでもゲームしかしない訳ではないので、大きさがあるならテンキーは付いていて欲しいと思うのだが…… 海外のゲーミングノートはそういう考えではないらしい。
テンキーが必要な場合、外付けのものを用意する必要がある。
また、キーボードの一番右の列に音量調整などのキーがあるのも、日本人だと違和感を覚える人が多いだろう。
バックスペースキーは一番右、みたいな覚え方をしているとミスを誘発する。
ただ、カーソルキーが大きめなのは良い。
キーボード全景。大型ノートだがテンキーはなく、キーボードは中央配置
日本語キーボードだが、エンターキー周辺はちょっと変則的。音量調節が右端に
タイプ感自体は悪くはない。
キーストローク(深さ)は本体サイズの割にはあまり深くないが、浅くもない。
かなり反発が強めのポチポチした感触のキーで、リズミカルなキータイプができる。
また、叩いたときに指に来る衝撃が少なく、打鍵音も小さめで、細かい調整が施されているのは感じる。
ゲーミングモデルなので、バックライトは好みの色に変えられる。
キー単位の設定はできないが、七色に変化させることもでき、お約束通りゲーミングカラーに光らせることも可能だ。
タッチパッドは、良い意味で普通。
触感が良いといったことはないが、指が良く滑り、操作しやすい。
もちろん最新のジェスチャ操作にも対応している。
タッチパッドは本体サイズの割に大きくないが、これと言った欠点はない
F9キーは後述するパフォーマンスモードになるゲームシフトボタンを兼ねる
パーツ性能
処理性能(CPU)
2023年 夏モデルの Dell G16 シリーズには、CPU に Core i7-13650HX を使ったモデルと、Core i9-13900HX を搭載したモデルがある。
今回の検証機は Core i9-13900HX 搭載で、第13世代のノート用CPUの最高峰と言えるものだ。
俗にいう「フラグシップモデル」であり、もはやデスクトップ用CPU(標準型)の性能さえも、大きく超えるレベルである。
ただ、超性能重視のため消費電力は高く、電力面でもデスクトップ用レベルであり、バッテリーは長持ちしない。
本機はコンセントに繋げての使用が基本で、バッテリー駆動時間は度外視している印象だ。
発熱も非常に高いが、本機にはエイリアンウェアをベースにした高度な冷却機構が備わっており、4本のヒートパイプと2基の改良ファン、そしてエレメント31と呼ばれる高熱伝導素材によって、CPUとビデオカードを強力に冷やしている。
こうしたゲームハード用の専用素材を開発・使用しているのはエイリアンウェア系の特徴で、世界企業である Dell の研究力を感じる。
※本機のPDFマニュアルより。2基のファンを持つ冷却ユニットには旧世代の2倍のエネルギー貯蔵能力を持つという独自素材を使用。
CPUの性能について解説する前に、本機に備わっている動作モードについて述べておきたい。
本機には「Alienware Command Center」という動作設定ソフトが導入されており、これを通して パフォーマンス、バランス、静粛、バッテリー の動作モードを切り替えることができる。
動作モードに応じてCPUやビデオカードの性能、消費電力、ファンの回転数(冷却力と動作音)が変化する。
ただ、切り替え方法が非常にわかり辛い。
Alienware Command Center を起動後、左メニューから「ライブラリー」を選ぶ。
すると「システムデフォルト」と、インストールされているゲームの一覧が表示される。
システムデフォルトの「パフォーマンス プリセット」を変更することで、普段の動作モードを変えることができる。
左にある書類のようなアイコンを選択、システムデフォルトを選ぶ
ここで動作モードを選択。ここ以外では変更しても反映されない
ゲームごとに動作モードを設定することもでき、普段や軽めのゲームは低パワーの、高負荷なゲームなら高パワーのモードに、自動で切り替えることができる。
ほとんど説明がないので使いこなしている人は少なそうだが、動作モードの切り替えは重要なので、本機を使うなら覚えておきたい。
以下は Core i9-13900HX の基本スペックだ。
コア構成は性能重視のPコアが8、効率重視のEコアが16の、24コア32スレッド。
Core i9 らしい、圧倒的なスレッド数である。
基準のTDP(電力と発熱の目安)は55Wとなっているが、実際の投入電力は動作モードによって変わり、パフォーマンスモードやバランスモードでは100W以上で動かしていた。
何度も言うが、デスクトップ並のハイパワーだ。
以下はパフォーマンスモードでベンチマーク(性能測定)を行った結果と、他のCPUとの性能比較グラフだ。
グラフにはバランス、静粛、バッテリーの各モードの結果も含めている。
また、もはや他のノートパソコン用CPUでは比較対象にならないので、一部のデスクトップパソコン用CPUもグラフに含めている。
Core i9-13900HX(パフォーマンス)
測定中の再現(非ブースト時)
・マルチコア性能(Cinebench R23)
Core i9-13900HX:23400 (パフォーマンス)
Core i9-13900HX:21100 (バランス)
Ryzen 7 7700X:19000 (デスクトップ用)
Core i7-13700:17700 (デスクトップ用)
Core i7-12700:14000 (デスクトップ用)
Core i9-13900H:13700
Core i7-13700H:13500
Core i7-12700H:12500
Core i9-13900HX:11000 (静粛/バッテリー)
Core i7-11800H:10800
Ryzen 5 6600H:9750
Core i7-1360P:9700
Core i7-1260P:8700
Core i7-1165G7:5800
Core i3-1215U:5500
Ryzen 3 7330U:4950
Celeron N5100:1400
・シングルコア性能(Cinebench R23)
Core i9-13900HX:2020 (パフォ/バランス)
Core i7-13700:2020 (デスクトップ用)
Ryzen 7 7700X:1950 (デスクトップ用)
Core i7-12700:1900 (デスクトップ用)
Core i9-13900H:1900
Core i7-13700H:1850
Core i7-1360P:1820
Core i7-12700H:1810
Core i7-1260P:1735
Core i3-1215U:1550
Core i7-11800H:1520
Core i7-1165G7:1500
Ryzen 5 6600H:1480
Core i9-13900HX:1400 (静粛/バッテリー)
Ryzen 3 7330U:1370
Celeron N5100:580
マルチコアの測定結果は約23400。他のノート用CPUを引き離す圧倒的性能だ。
デスクトップ用の標準型CPUも上回る数値を出している。
デスクトップ用の Core i7-13700 が16コア24スレッド、本機の Core i9-13900HX は24コア32スレッドなので、マルチコアで強いのは当然と言えば当然だ。
しかもパフォーマンスモードだとブースト中は150Wで動作、ブースト後もオーバークロック気味の100W前後で動作していたので、このスコアは納得である。
シングルコア性能もデスクトップ用CPUと同レベルの約2020。
CPU性能的には完全にデスクトップPCであり、それをノートPCでやっている冷却技術には驚くほかない。
ただ、それだけにパフォーマンスモードの高負荷時の動作音(冷却ファンの回転音)は大きく、45~50db前後と、さすがに気になるレベル。
冷却がしっかり効いていて、ブースト後のCPU温度は75~80℃と、パワーの割に高くはないが、ファンは常に高回転、アイドル時(低負荷時)にも相応にファンは回り続けていた。
一方、バランスモードにすると、マルチコアのスコアは約21000に落ちたが、ファンの音は高負荷時で45db前後と、若干低下。
そしてアイドル時はファンをあまり回さなくなり、低負荷の動作音はかなり軽減される。
また、シングルコア性能はパフォーマンスモードと変わらず、ほとんどのゲームで影響するのはシングルコア性能であるため、普段はゲームプレイ時も含めて、バランスモードで使うのが良いだろう。
ただ、冷却力は下がるため、高負荷時のCPU温度は80~85℃に上がっていた。
そのぶんキーボード表面も、相応に熱くなる。
静粛とバッテリーのモードは、ブースト時間が短くなり、ブースト後も50Wまで電力が減少。
結果、マルチコアは約11000、シングルコアは約1400まで低下した。
その分、動作音は40db前後まで下がり、無音という程ではないが、かなり静かになる。
バッテリーも長持ちするし、相応の性能は維持しているので、バッテリー駆動で使うときはこのモードに変更しよう。
なお、バッテリーモードだと静かさ優先で動く。
静粛モードだと冷却も重視し、やや音はするが、温度を上げないように(70℃以下に)する。
よって、どう考えてもバッテリーモードと静粛モードが逆になっている。(2023年9月現在)
そもそも「静粛」という翻訳がおかしいし、ちょっと日本語対応が不十分な印象もある。
以下はパフォーマンスモードで行った、パソコン測定ソフト PCMark10 の結果だ。
さすがに高性能で、全項目が高い数値。 表計算が13000を超えているのは素晴らしい。
ビデオカードの性能もあって、画像加工や映像関連も非常に高い。
あらゆる作業を快適に行うことができるだろう。
グラフィック性能(GPU)
2023年 夏モデルの Dell G16 シリーズは、GeForce RTX 4050、4060、4070 のノートPC用 ビデオカード を搭載している。
今回の検証機は、この中で一番上位の GeForce RTX 4070 Laptop 搭載モデルだ。
現在最新である GeForce 4000 シリーズの上位製品であり、基本性能の高さはもちろん、電力効率が良くなって省電力化されていて、新しい技術にも対応している。
公称の消費電力は35W~115Wと、4050 や 4060 と変わらないのだが、平均値はそれらよりも高めだと思われる。
ビデオメモリは 8GB で、GDDR6 を搭載。
ノート用の 4080 や 4090 も登場しているが、そのレベルになると超高額で、消費電力と発熱も大変なことになるので(150W)、一部のハイエンドモデルにしか使われていない。
4070 でも搭載機は少ないのだが、本機はそのひとつである。
以下はベンチマーク(性能計測)ソフト 3D Mark:TimeSpy の結果と、他のノートPC用ビデオカード、及び内蔵GPUとの比較グラフだ。
※ゲームパフォーマンス予測の1080pは解像度1920x1080、1440pは2560x1440。
Ultra は最高画質設定であることを示す。
・3D Mark: TimeSpy(ノート用GPU)
GeForce RTX 4090 Laptop:21600
GeForce RTX 4080 Laptop:18900
GeForce RTX 4070 Laptop:12000
GeForce RTX 3080 (note):12000
GeForce RTX 3070 (note):10400
GeForce RTX 4060 Laptop:10300
GeForce RTX 4050 Laptop:8500
GeForce RTX 3060(note):8350
GeForce RTX 1660Ti(note):5550
GeForce RTX 1660:5400
GeForce RTX 3050(note):4850
GeForce GTX 1650Ti(note):3680
GeForce GTX 1650(note):3400
Iris Xe(第13世代 Core 内蔵):1800
Ryzen 5 6600U(CPU内蔵、RDNA2):1600
Iris Xe(第11世代 Core 内蔵):1400
Core i3-1115G4 (CPU内蔵、Intel UHD):700
Ryzen 3 7330U(CPU内蔵、Vega 6):580
グラフィックスコアは11900、約12000だ。
GeForce RTX 4090 と 4080 を別格とすると、4070 は手の届く範囲としては最上位。
かつての最高モデル GeForce RTX 3080 と同クラスだが、消費電力はそれより低い。
実際のゲームの動作だが、「モンスターハンターライズ」は高画質の戦闘中で、本機の解像度 2560x1600 だと 100~110fps、標準的な解像度 1920x1080 だと 140fps 前後となる。
高解像度・高画質でも 100fps を超えており、快適に、かつ滑らかにプレイ可能だ。
「アーマードコア6」も解像度 2560x1600 の最高画質で 70~90fps で動作。
60fps を超えており、安定して美しい画像でプレイできる。
龍が如く系の JUDGE EYES(キムタクが如く)は、最高画質の 2560x1600 で 70~80fps、1920x1080 では 100~120fps で動作した。
また、このゲームは DLSS に対応しており、これをONにすると+10fpsほど速度が上がる。
DLSS を使うと一部の画質が劣化することが多いが、目立った変化はなかった。
「エルデンリング」や「ストリートファイター6」も、最高画質で上限の 60fps で動作。
問題なく遊ぶことができる。
本機でアーマードコア6(動画は30fps)
映像が緻密で、動きもより自然に
本機でキムタクが如く(動画は30fps)
街並みがリアル。DLSS3でより滑らか
一通りの最新ゲームが、すべて最高画質で快適に動く。
本機のモニターはリフレッシュレートが 165Hz あるため、最高設定にこだわらないなら、より滑らかに動かせるだろう。
そして前述したように、本機のモニターは高解像度・高発色・高速描画だ。
そこに快適な描画速度が加わったゲーム映像は、本当に細密でリアル。
より進んだゲーム体験を与えてくれる。
なお、動作モードをバランスにしてもほとんど変化はなかったが、静粛モードやバッテリーモードにするとグラフィックスコアが約10800(90%)に低下した。
また、CPUの項で述べたように、CPU側の処理速度はかなり低下する。
ただ、それでもグラフィックスコア1万以上なので、多くのゲームが快適に動く。
静かにゲームを遊びたいなら、静粛やバッテリーでのプレイもアリだろう。
ストレージ(記録装置)とメモリ
ストレージ(データ記録装置)には小型で高速の が使用されている。
より高速な第4世代(Gen4)の製品で、容量は1TB、不満のないスペックだ。
使われていたのは韓国SKハイニックス社の BC901 という製品。
速度と省電力機能を両立させており、昨今の Dell はもっぱらこれを使用している模様。
以下はベンチマーク(性能測定)ソフト Crystal Disk Mark で測った速度性能だ。
標準設定での測定
NVMe SSD 設定の測定
読み込み約5000MB/s、書き込み約4700MB/sという、バランスの取れた優れた数値。
さらにランダムアクセスも読み書き共に 3000MB/s 以上と、素晴らしい速度が出ている。
ゲームに影響しやすいのはランダムアクセスの方なので、ゲーミングモデルとして非常にマッチした製品と言えるだろう。
なお、本機は NVMe SSD を取り付けられる M.2 スロットが2本あって、1本空いている。
ノートパソコンのパーツ増設はデスクトップほど簡単ではないし、メーカー保証外の行為となるが、必要なら自力での NVMe SSD の増設が可能だ。
増設方法は こちらの公式PDFマニュアル に案内がある。
ノートPCのストレージ増設については こちら も参考にして欲しい。
※PDFマニュアルのNVMe SSD(ソリッドステート ドライブ)交換説明より。
薄くなっているが、メインのNVMe SSDの下に2つ目のM.2スロットがあるのがわかる。
メモリは最新の DDR5 メモリ(DDR5-4800)が 16GB 搭載されている。
もちろん2本のメモリにデータを分散して高速化するデュアルチャネルに対応。
性能的には文句なし。長時間のゲームプレイや動画配信などを動作を考えると 32GB 欲しいところではあるが、一般用途では 16GB で十分だ。
総評
スペックとコスパについては文句なし。外観もお洒落で、なによりモニターが素晴らしい。
ノートPC最強と言える処理性能と、現行のすべてのゲームが快適に動く GeForce RTX 4070 Laptop に加え、高解像度・高発色・高リフレッシュレートのゲーミングモニターが付いていて20万円台前半なのだから、本当にリーズナブルだ。
ここまでヘビー級の持ち運びに不便なノートパソコンだと、「だったらデスクトップを買え」という話にもなるが、本機と同等のPCとゲーミングモニターをそろえるのは、デスクトップでもなかなか価格的に厳しい。
ハイスペックノートなのに、デスクトップより割安ですらある。
テンキーがないとか、ACアダプタがデカ過ぎるとか、ツッ込みどころも少なくはない。
だが、ゲーマーならスペックを重視したいはず。
高性能で割安なゲーミングノートというのはとても魅力的であり、そうしたマシンを求めている人にとって注目の製品だ。
※以下は Core i9 + GeForce 4070 モデルの仕様です。
形式:16インチ ノートパソコン
CPU:Core i9-13900HX(第13世代 Core)
グラフィックス:GeForce RTX 4070 Laptop 8GB
メモリ:16GB(DDR5-4800、8GBx2)
ストレージ:1TB NVMe SSD(Gen4)
モニター:解像度2560x1600、16:10、sRGB約100%、リフレッシュレート165Hz、ComfortView Plus
サウンド:Dolby Atmos、IntelliGo AI
通信:Wi-Fi 6、Bluetooth 5
モバイル性能:約2.9kg、バッテリー86Wh
その他:4つの動作モード、330W大型ACアダプタ、独自素材の冷却技術
定価:税込258,978円(ただし割安な時も多い)
※詳細は Dell の公式サイト をご覧下さい。
※仕様・価格は時期により変更の可能性があります。
※特にデルのWEB販売は価格の変動が激しいので、実売価格は製品ページでご確認下さい。