• 2024年4月に発売されたドスパラのノートパソコン
  • 最新の省電力CPUである Core Ultra 7 155U を搭載、実働性能に優れる
  • 16型では最軽量級の1.3kg、テンキーもあって事務や学業に向く
ドスパラ THIRDWAVE DX-M7L

こんな人にオススメ!

  • 作業しやすいワーキングノートを求めている人
  • いま買うなら Core Ultra がいい、という人
  • 重いノートは嫌だけど小さいと使い辛いという人
このレビューは実機の提供を受けて作成しており、リンクにはアフィリエイトが含まれています。
(提供元:株式会社サードウェーブ)

新時代の大型モデル

2024年に入り、AI対応をウリとしているパソコンが広くアピールされている。
そんな中、いよいよドスパラ(サードウェーブ)も4月よりAI対応CPU「Core Ultra」を搭載したノートパソコンの発売を開始した。
16インチモデルの「THIRDWAVE DX-M7L」だ。

この製品の大きな特長は、16インチの大型ノートとしては破格の軽さの1.3kgであること。
厚さも20mmと、このサイズのノートとしてはかなり薄い。
大型なのに軽量薄型」という特殊な製品だ。

ドスパラ THIRDWAVE DX-M7L

大きいと持ち出すときにかさ張り、小さなテーブルには置き辛くなるが、この軽さなら入るバッグがあれば、手軽に持ち運べる。
そして実用面においては、テンキーがあって画面が大きいほど、作業効率は上がる。
表計算やデータ入力など、細かい数値入力を伴う作業や学業において、軽さとサイズの両立はメリットが大きい。

Core Ultra のAI機能に関しては、ぶっちゃけ2024年の春時点においては活かせない。
ただ、省電力性能を重視して作られた Core Ultra の利点は他にも多くあり、特に低い電力で高い性能を発揮できること、表計算にも強くなったことは、本機のようなワーキングノートにおいて高い価値を持つ。

CPU内蔵のAI機能も、それを活かせる機能が Office や Photoshop などに導入されれば有効になるだろうから、将来的には欲しいところだ。

価格は(2024年5月時点で)177,980円
安くはないが、Core Ultra 7 搭載機としては高い方ではない。
以下、その詳細をお伝えしていきたい。

外観

デザインとモバイル性能

ビジネスモデルらしく一面ブラックで、天板には THIRDWAVE のロゴがある。
梨地加工が施されており、サラサラの触感で、指紋は全く付かない。

内部もキーまでつや消しの黒一色。
THIRDWAVE シリーズは「シンプルさ」をコンセプトとしており、飾り気のないデザインだが、キーの印字は細身のお洒落な字体だ。

以前の THRDWAVE はロゴがなく、完全に無地の天板だったが、さすがそれはシンプル過ぎたのか、今回はロゴが付いている。

THIRDWAVE DX-M7L 天板

真っ黒なシブい本体
樹脂製だがガッシリした質感がある

THIRDWAVE DX-M7L 全景

中の配色もほぼブラック。壁紙が真っ白なのは THIRDWAVE シリーズの特徴

16インチのノートパソコンなので、一見すると重厚だが、重さは1.3kgと、冒頭でも述べたように16型としては非常に軽い。
厚さも20mmと薄めで、16インチらしからぬ手軽さ、扱いやすさがある。
見た目は黒くて重そうなので、初めて持ったときはギャップがすごい。

ACアダプターは USB-C に差し込むタイプで、こちらもかなり小型。
出力65W、約130gと軽く、USB-C だからというのもあるが、私が見た付属ACアダプタの中では過去最軽量である。
本体と合わせても1.4kg台で済む。

薄くても耐久性は高いようで、米軍規格(MIL-STD 810H)の11項目に及ぶ耐久テストをクリアしていることがアピールされている。

耐久力の確保のためか、ドスパラのノートPCには珍しく、底面に通気口がない。
通気は背面にある小さな開口部から行っているのみで、これでも冷却できているのは、省電力 Core Ultra 採用の利点のひとつと言えるだろうか。
ただ、高負荷時の騒音(冷却ファンの回転音)は、結構大きい。

THIRDWAVE DX-M7L 重量1.3kg

16インチのノートで1.3kgは嬉しい
裏面がツルっとしているのも特徴

THIRDWAVE DX-M7L ACアダプタ130g

このACアダプタが軽い!小さい!
電源の大手ライトン社の新型の模様

サイズは横が約36cmで、15.6インチのノートパソコンと変わらない。
やや縦長のモニターを持つが、縦のサイズも約25cmと、15型のノートパソコンと比べて0.5~1cmほどしか違わない。
16インチとしてはかなりコンパクトな作りだ。

バッテリー容量は54Whで標準的なサイズだが、Core Ultra は「LP-Eコア」と呼ばれる超省電力コアによって、動画を従来の75%の電力で再生できるなど、省電力性能に優れている。

インターフェイス(接続端子)もしっかりそろっており、左右両方にUSBがあって使いやすい。
左側面には USB-C が2つあり、一方は Thunderblot 4
micro SDカードリーダーや、HDMI 2.1 も備えている。

有線LAN端子はなく、(普通の)USB のデータ転送速度は左が10Gbps、右が5Gbpsと、異なっているので注意。

無線通信は Wi-Fi 6EBluetooth 5.3 を利用可能だ。

THIRDWAVE DX-M7L 左側面

左側面。高速端子はこちら側に配置
USB-C のひとつは充電にも使用される

THIRDWAVE DX-M7L 右側面

右側面。こちらにもUSBがあるのがいい
マウスの接続などに困らない

モニター / カメラ / サウンド

ドスパラの販売ページでは、なぜかモニターに関するアピールが少ないのだが……
本機には高発色・高速描画の、かなり性能の良い液晶パネルが使われている。

まず、アスペクト比(縦横比)が最近流行りの 16:10 となっており、やや縦長で作業しやすい。
16インチなので画面も広く、細かい作業も苦にならない。

解像度は標準的な 1920x1200 だが、sRGB比約100%の高発色。
コントラスト比も 1200:1 と高く、輝度も 500nit と、野外でも使用できるほど明るい。
視野角も全方位89度(178度)で、上や横から見ても表示の劣化は少ない。

そしてこの発色で、リフレッシュレート(描画速度)が 165Hz という、ゲーミングモデル並みの速度となっている。
正直「なんでこのビジネス向けの製品で165Hz !?」と驚いた。

THIRDWAVE DX-M7L リフレッシュレート165Hz
※ダイナミックは不必要な時はリフレッシュレートを下げ、電力消費を抑える Windows11 の機能。

描画が高速だとカーソルが滑らかに動くため、作業も行いやすくなる。
細かい操作が必要な画像加工はもちろん、表計算などでも狙ったところにカーソルを合わせやすくなるので、メリットがある。
リフレッシュレートが高いと有利になるのはゲームばかりではない。

消費電力は若干増えるが、より作業にも適したモニターと言えるだろう。

THIRDWAVE DX-M7L モニター外観

なぜこの大きくて明るく美しいうえに描画も早い画面をもっとアピールしないのか

THIRDWAVE DX-M7L 180度ヒンジ

ヒンジも180度展開可能で、視野角も広く、ミーティングやプレゼンに向く

WEBカメラはFHD画質(約200万画素)で、顔認証用のIRカメラも完備。
マイクも2つのデュアルアレイ(2方向)方式で、ビジネス向けのスタンダードモデルであるためか、オンライン会議やセキュリティに関する機能は一通り備わっている。

サウンドは、特にイコライザー(音質調整ソフト)のようなものは備わっていない。
音質は…… 普通。

意外と悪くはなく、若干軽い感じの音がするが、低音もそれなりに聞こえる。
音の深みや広がりは乏しいが、チープな感じはしない。
日常用途においては、特に問題はないだろう。

キーボード

16インチの大型ノートパソコンなので、横4桁のテンキーが備わっている。
キーピッチ(間隔)も一般的な約19mmで十分な広さがあり、キー配置も標準的。削られているキーは特に見られない。

打鍵感も良く、キーストローク(キーの深さ)が相応にあって、指に来る衝撃は少ない。
板を叩いているような感覚はなく、適度な抵抗と強めの反発があって打ちやすい。

総じて、使っていて違和感や気になる点のないキーボードだ。
強いて言うなら、カーソルキーが大きくて、右シフトキーが小さい。
カーソルキーが大きいのは、画像加工や表計算ソフトなどでの使い勝手に寄与するだろう。

THIRDWAVE DX-M7L キーボード

使っていて何も気にならない、バランスの取れたキーボード。それが一番

THIRDWAVE DX-M7L テンキー周辺

横4桁のテンキーと大きなカーソルキーが作業を強力にサポート

バックライトも備わっており、暗い部屋でも使いやすい。

タッチパッドはかなりすべすべしているが、触り心地の良さもある。
16インチのノートの割には特別大きいわけではないが、サイズは十分で扱いやすい。
もちろんジェスチャ操作など、最新の操作にも対応している。

THIRDWAVE DX-M7L バックライトと印字拡大

文字が光るので慣れていない人も安心
キーの字体が縦長で特徴的

THIRDWAVE DX-M7L タッチパッド

指がよく滑るタッチパッド
変わった点はないが使い勝手は良い

パーツ性能

処理性能(CPU)

THIRDWAVE DX-M7L は CPU に「Core Ultra 7 155U」を使用している。
AI処理機能を内蔵し、高い電力効率を誇る新世代のCPU「Core Ultra」の省電力型だ。

省電力型(U)なので、性能重視型(H)よりもピーク性能に劣るが、バッテリーが長持ちしやすく、発熱も低い。

また、THIRDWAVE DX-M7L にはCPUの動作速度を調整できる「Control Center」というソフトウェアが付属されている。
本機はこのソフトを通して、パフォーマンス、エンターテイメント、静音の3段階の動作モードを選ぶことができる。

Control Center

Control Center(Fn hotkey and OSD)は、一度起動すると次回からパソコン立ち上げ時に自動で起動するようになる。
詳しい使い方はドスパラの サポートページ を見て欲しい。

Core Ultra 7 155U のコア構成は、性能重視のPコアが2、効率重視のEコアが8、より省電力なLP-Eコアが2の、12コア14スレッド
LP-Eコアが存在することが Core Ultra の大きな特徴だ。

Core Ultra 7 155U, CPU-Z

基準の TDP(電力と発熱の目安)は 15W だが、前述の Control Center の動作モードで投入電力は変化する。

以下はパフォーマンスモードで、ベンチマーク(性能測定)ソフト Cinebench R23 の結果と、他のノートPC用 主流CPUとの比較グラフだ。
グラフにはエンターテイメントモードと静音モードの結果も含めている。

Core Ultra 7 155U, CINEBENCH R23, THIRDWAVE DX-M7L

Core Ultra 7 155U 10分測定

Core Ultra 7 155U, CINEBENCH 2024, THIRDWAVE DX-M7L

Core Ultra 7 155U (Cinebench 2024)

・マルチコア(ノート用CPU)

Ryzen 7 8840HS:15900

Core i7-13700H:13500

Ryzen 7 8840U:12500

Core Ultra 7 155H (45W):12000

Core i7-1360P:9700

Ryzen 7 7730U:9600

Core i5-1340P:9500

Ryzen 5 8540U:9500

Core Ultra 7 155H (30W):8350

Ryzen 5 7530U:8300

Core Ultra 7 155U:7400 (パフォーマンス)

Core i7-1355U:7000

Core i5-1335U:6000

Core Ultra 7 155U:5550 (エンターテイメント)

Core i3-1215U:5500

Ryzen 3 7330U:4950

Core i3-N300:4100

Intel U300:4050

Core Ultra 7 155U:3500 (静音)

Celeron N5100:1400

Celeron N4100:950

・シングルコア(ノート用CPU)

Core i7-13700H:1850

Core i7-1360P:1820

Ryzen 7 8840HS/U:1760

Ryzen 5 8540U:1740

Core i5-1340P:1720

Core i7-1355U:1720

Core Ultra 7 155U:1700 (パフォーマンス)

Core i5-1335U:1670

Core Ultra 7 155U:1580 (エンターテイメント)

Intel U300:1560

Core i3-1215U:1550

Ryzen 7 7730U:1430

Ryzen 5 7530U:1400

Ryzen 3 7330U:1370

Core Ultra 7 155U:1100 (静音)

Core i3-N300:980

Celeron N5100:580

Celeron N4100:380

Core Ultra は電力の設定幅が広いのだが、本機のパフォーマンスモードの場合、ターボブースト中は55W、ブースト終了後は20Wが投入されていた。
ターボブーストは100秒ほど、かなり長く続いていた。

この設定でのマルチコア性能の結果は(10分の測定で)約7400
シングルコアのスコアは約1700

これは第13世代 Core の省電力型CPUである Core i7-1355U と同程度
Core Ultra でも省電力型だと、スコアは似たような結果になるようだ。

最初の1分(ブースト中)のみの測定だと9400あり、55Wという省電力型とは思えない投入電力のためか高い数値が出ていたが、やはり高熱になるようで、ブースト中の動作音(冷却ファンの回転音)はかなり大きかった(50~55db)。

エンターテイメントモードだと、ターボブースト中は40W、非ブースト時は15W。
ブースト時間は40秒ほどで、Core Ultra 7 155U の定格(基準値)と言える設定と言える。

これだとマルチコア5550、シングルコア1580と、第13世代の省電力型 Core i5 ぐらいの数値
だが、ブースト時の騒音は相応にあるものの(45~50db)、ブーストが終わればほぼ無音。
低負荷ならとても静かに動作する。

静音モードだとターボブースト中の電力は15W、非ブースト時は10Wまで下がる。
超省電力型CPUクラスとなり、さすがにスコアはマルチコア3000、シングルコア1300と大きく下がってしまうが、常時ほぼ無音だ。
音を立てられない会議時や図書館で使用するなら、ややもたつくとは思うが、このモードにすると良いだろう。

そして実際の使用感だが、Core Ultra は実働性能がアップしており、投入電力が低くても相応の処理速度を維持できるようになっている。
以下はパソコンの実働性能を計測する PCMark10 の、各モードの測定結果だ。

・PCMark10 パフォーマンス
THIRDWAVE DX-M7L, PCMark10, パフォーマンス

・PCMark10 エンターテイメント
THIRDWAVE DX-M7L, PCMark10, エンターテイメント

・PCMark10 静音
THIRDWAVE DX-M7L, PCMark10, 静音

アプリの起動やウェブサイトの表示といった基本作業の速度は、(静音モード以外なら)他のCPUと大差ない。

注目は表計算で、Core Ultra はここの処理が改善されており、パフォーマンスモードならスコアが1万を超えている。エンターテイメントモードでも1万に近い。
従来の Core だと標準型でも 6000~8000 ぐらいなので、省電力型であることを考えると非常に優れている。
書類作成も標準型のCPUと同程度にこなすことができ、事務作業に向いたCPUと言えそうだ。

画像加工、動画編集などのグラフィック系は、ベンチマークスコア相応と言ったところ。
ここはマルチコア性能と内蔵グラフィック機能が直接影響するので、従来の省電力型CPUと大差はない。
ただ、一般的な画像加工などは、特に問題なく行えるだろう。

静音モードは全体的にスコアが低く、動作は遅くなる。
最新機種とは言えない処理速度になるので、軽作業に限定したモードと考えた方が良さそうだ。

グラフィック性能(内蔵GPU)

グラフィック機能は Core Ultra 7 155U に備わっている、CPU内蔵のものが使われる。

ただ、Core Ultra のグラフィック機能(GPU)は Intel Arc と呼ばれる新型で、一長一短だ。
基本性能は高いのだが、新型であるがゆえにソフトウェア側の対応が進んでおらず、本来の実力を発揮できないケースが多い。

また、本機は Core Ultra の省電力型を搭載しているため、標準型よりグラフィック機能のパワーは低い。
GPUコアは標準型は8基だが、省電力型は半分の4基しかない。

そのためか、本機のグラフィック機能は「Intel Graphics」と呼称されており、Intel Arc と呼ばれていない。
だが、中身は Intel Arc と同じである。

以下はベンチマーク(性能計測)ソフト 3D Mark:TimeSpy の結果と、他のノートPC用ビデオカード、及び内蔵GPUとの比較グラフだ。

Core Ultra 7 155U, THIRDWAVE DX-M7L, 3Dmark TimeSpy
※ゲームパフォーマンス予測の1080pは解像度1920x1080、1440pは2560x1440。
Ultra は最高画質設定であることを示す。

・3D Mark: TimeSpy(下位ノート用GPU)

GeForce RTX 4050 Laptop:8500

GeForce RTX 3060(note):8350

GeForce RTX 1660Ti(note):5550

GeForce RTX 3050(note):4850

GeForce GTX 1650Ti(note):3680

Core Ultra 7 155H(CPU内蔵、Arc A):3550

GeForce GTX 1650(note):3400

Ryzen 9 8945HS(CPU内蔵、RDNA3):2750

GeForce GTX MX550:2650

Ryzen 7 7840HS(CPU内蔵、RDNA3):2500

GeForce GTX 1050Ti:2200

第13世代 Core i7(CPU内蔵、Iris Xe):1800

第12世代 Core i7(CPU内蔵、Iris Xe):1700

Core Ultra 7 155U(省電力型、Arc A):1650

Ryzen 5 6600U(CPU内蔵、RDNA2):1600

第11世代 Core i7(CPU内蔵、Iris Xe):1400

第13世代 省電力型(CPU内蔵、Iris Xe):1200

Core i3-1115G4(CPU内蔵、Intel UHD):700

Ryzen 3 7330U(CPU内蔵、Vega 6):580

グラフィックスコアは(パフォーマンスモードでの測定で)約1650
第13世代の省電力CPUである Core i7-1355U はスコア1200ぐらいなので、省電力型としてはスコアは高い。

エンターテイメントモードだと約1530で、8%ほど低下したが、大差はなかった。
静音モードは925で、やはり低くなる。

では、これでゲームを動かすとどのぐらいの速度になるのか?
以下はパフォーマンスモードで、実際に人気の3D描画のあるゲームを動かした結果だ。
(動画は実機で録画したものです)


※解像度 1920x1200、中画質

中画質なら戦闘時でも35~45fps(秒間35~45コマ)で動く。
30fps 以上はキープできるので、普通にゲームをプレイすることが可能だ。

ただ、Core i7-1355U(ノート用 第13世代 Core の省電力型)と同じぐらいの結果で、TimeSpy のスコアが1650だったことを考えると、スコア1200の第13世代 Core の省電力型と同じというのは、ちょっと物足りなさはある。

しかし初回起動時の待ち時間(Compiling shaders)が、Core i7-1355U だと5分近くかかっていたのに対し、Core Ultra 7 155U は1分もかからない。
この辺は基礎能力の差を感じることができる。


※解像度 1280x800、中画質

通常の解像度だと低画質でも20~25fpsのため、動かないことはないが、ちょっと辛い。

このゲームは Intel Arc で利用できる Xess(GeForce の DLSS に相当)を利用でき、描画速度を上げられるのだが、それを使ってもこのぐらいの速度だった。

だが、解像度を 1280x800 に下げれば 30~35fps となるので、十分にプレイ可能。
中画質でも 30fps 前後で動くようになる。


※解像度 1280x720、LOWEST(最低画質)

低解像度(1280x720)で最低画質でもバトルは45~55fpsとなる。
このゲームは60fps出ていないと、その分だけ動きがスローになってしまうため、オンライン対戦などはムリ。
一人で遊ぶならなんとか…… といったところか。
また、町を散策するモードは20~25fpsしか出ないので、遊ぶのは厳しい。


他にもいくつか試してみたが、パルワールドは fps が1桁になったりして無理。
鉄拳8は XeSS に対応しているはずだが、低画質でも動きがスロー過ぎてほぼ遊べなかった。

また、高負荷がかかるため、動くゲームでも動作音はかなり大きくなる。

基本的には、ゲームや設計といった、3D描画のあるソフトウェアを動かすものではない。
ただ、映像の再生などは Core Ultra はむしろ得意としており、前述したように従来の75%の電力で再生可能。
高発色で大画面なので、動画を見るのには良い機種だ。

動画サイトの閲覧

動画サイトの動作と閲覧は、従来のCPUより更に進化している

2Dのゲーム(スターデューバレー)

ゲームも軽いものや2D(平面)画像のものなら問題なく遊べる

なお、バッテリー駆動時は省電力モードとなるため、処理能力もグラフィック性能も落ちるので注意して欲しい。
ここでのテストは電源に繋げているときのものだ。

ストレージ(記録装置)とメモリ

ストレージ(データ記録装置)には、小型で高速の NVMe SSD が使用されている。
容量は 500GB で、ノートPC としては一般的な容量だ。

試用機に搭載されていたのは、新会社 Solidigm(ソリダイム)の P41 Plus
Intel の SSD 開発部門の流れを汲む会社で、安価な NVMe SSD として最近人気の製品だ。

ただ、コスパ重視で高性能ではないので、私的には1TB SSDにカスタマイズするのを勧めたい。
+6000円になるが、保存量に余裕ができ、1TBになれば速度も上がる。

以下はベンチマーク(性能測定)ソフト Crystal Disk Mark で測った NVMe SSD の性能だ。

THIRDWAVE DX-M7L, Solidigm P41 Plus 500GB, Crystal Disk Mark, default

標準設定での測定

THIRDWAVE DX-M7L, Solidigm P41 Plus 500GB, Crystal Disk Mark, NVMe SSD mode

NVMe SSD 設定の測定

※テスト結果は製品と異なる可能性があります。

読み込み3500MB/s、書き込み1650MB/sというのは、メーカー公称値とほぼ同じ。
ランダムアクセスも書き込みはやや遅いが、読み込みは標準的。

速度性能としては Gen3 クラスであり、Gen4 としては速くはないが、基準通りのスコアは出ているようだ。

メモリは新型のDDR5が16GB搭載されている。
本機は8GBメモリがオンボード(基板に直付け)となっており、よって同じメモリを使って速度アップするデュアルチャネルで動作しているかは疑問。
また、増量すると 8GB+16GB という変則的な状態となる。

だが、DDR5 は単体でも従来のデュアルチャネルに近い動作をしてくれるし、16GB あれば容量は十分。
メモリについては問題はないだろう。

なお、本機はカスタマイズでストレージを増設することはできないが、NVMe SSD を取り付けられる M.2 スロットが1本空いているので、自力での増設なら可能だ。
そこで、ちょっと中を開けて確認してみた。

THIRDWAVE DX-M7Lの内部構造

THIRDWAVE DX-M7L, NVMe SSD の増設(差し込み)

空きのスロットに差して……

THIRDWAVE DX-M7L, NVMe SSD の増設(ネジ止め)

ネジ止めする。簡単です。

手持ちの NVMe SSD を付けてテストしてみたところ、読み込み7000MB/s以上の速度を出せたので、ちゃんと Gen4x4 に対応している M.2 スロットのようだ。

ノートパソコンのパーツ交換/増設の詳細は こちらのページ を見て欲しい。
本機のより詳しいストレージ増設方法も掲載している。

ユーザーが自分でノートパソコンの中を開け、こうした増設を行うことは、メーカー保証外の行為となる。
ただ、ドスパラは全国に店舗があり、ノートPCの中をクリーニングをするサービスも行っているので、自社製のノートならストレージ増設のお願いすることもできるだろう。

パーツもそこで買えるし、ストレージを1本増やせることは、覚えておくと良い。

総評

なんと言っても16インチのノートPCなのに1.3kgの軽さというのが最大の特徴。
15インチ以上になるとカフェなどで使うには大きいが、オフィスで使うならテンキーがあって、画面が見やすく、作業がしやすい15インチ以上の方が良い。
それを手軽に持ち運べるのはありがたい。

価格は Core Ultra 搭載機としては安めだが、性能を考えると割高感はある。
ただ、安価機よりもモニターの品質が良いため、画面が大きいこともあって、動画を楽しむのにも向いている。
Core Ultra は事務(表計算)や動画再生を得意とするため、本機の用途にマッチしている。

基本的にはビジネス機であり、オフィスで使うワーキングノートを想定しているようだが、軽めで大画面なのは老眼の高齢者にとっても有益だろう。
扱いやすい大型ノートの需要は、少なくはないはずだ。

ドスパラ THIRDWAVE DX-M7L

THIRDWAVE DX-M7L

形式:16インチ ノートパソコン
CPU:Core Ultra 7 155U(省電力型)
グラフィックス:CPU内蔵(Intel Graphics)
メモリ:16GB(DDR5-4800、8GBx2)
ストレージ:500GB NVMe SSD
モニター:解像度1920x1200、16:10、sRGB 約100%、リフレッシュレート165Hz
カメラ:約200万画素+顔認証
サウンド:標準サウンド
通信:Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3
重量:本体 約1.3kg、ACアダプタ 約130g
バッテリー:54Wh、動画再生5.9時間/アイドル6.3時間
その他:3段階の動作モード、180度ヒンジ、Thunderbolt 4
価格:税込177,980円

※詳細はドスパラ公式サイトをご覧下さい。
※仕様・価格は時期により変更の可能性があります。