- 2024年の秋に登場した、最新型ゲーミング デスクトップPC
- 同名の異なる製品があります。本機は Zen5 の Ryzen を搭載したモデルです
- Zen5 世代の Ryzen 5 と GeForce RTX 4060 搭載する最新でコスパ型の構成
- デザインも重視した G-Tune のケースも特徴
こんな人にオススメ!
- 今買うなら Zen5 の AMD CPU と GeForce 4000 で決まりでしょ、という人
- でもあまり高すぎる金額は出せない… という人
- デザインのカスタマイズも欲しい、という人
(提供元:株式会社マウスコンピューター)
今もっとも無難な構成か
2024年10月から出回り始めた AMD の最新設計 Zen5 の CPU「Ryzen 9000 シリーズ」。
この秋よりマウスコンピューターのゲーミングPC「G-Tune」にも、このCPUを搭載するモデルが追加されている。
今回扱うのは、そんな Zen5 世代の Ryzen 5(9600X)と、GeForce RTX 4060 を搭載するデスクトップPC「G-Tune DG-A5G60」だ。
CPU もビデオカードもミドルクラスだが、最新パーツであるため新技術を利用可能、それでいて高すぎない価格にまとまっている。
※モニター・マウス・キーボードは別売(同時注文可)
Ryzen 9000 シリーズはピーク性能よりも、省電力性能を重視したCPUだ。
よって、詳しい性能はあとで解説するが、Ryzen 7 より Ryzen 5 の方が費用対効果が良い。
GeForce RTX 4060 は言わずと知れた主流のビデオカードで、価格と性能のバランスに優れる。
2025年に発売される「モンスターハンターワイルズ」が GeForce RTX 4060 を「中画質でプレイする際の推奨ビデオカード」としたため、ますます注目が集まっている。
昨今、Intel の CPU の信頼性が(一般ユーザーが気にするほどのものではないが)揺らいでおり、デスクトップ用の新型 CPU も、まだ愛好家向けしか発売されていない。
そのため2024年秋の時点では、AMD の最新 Ryzen5 と GeForce RTX 4060 の組み合わせは、ミドルクラスのゲーミングPCとしては、いま最も妥当な構成と言っても良いだろう。
価格は 239,800円(税込)。
それでも20万円は超えるが、ゲーミングPCとしては割安なモデルである。
G-Tune は側面ガラスパネルや発光ファンを備える、装飾性の高いケースを選べる点も特記しておきたい。
なお、まったく同じ名前(G-Tune DG-A5G60)の、Ryen 5 4500 を搭載する製品も売られていて、ちょっと紛らわしい。
そちらは安価だが、Zen2、つまり3世代前の設計の CPU で、処理性能は高くない。
今回取り上げるのは Zen5 の Ryzen 5 9600X 搭載機なので、間違わないようにして欲しい。
以下、今回はCPU性能からレビューをしていきたい。
パーツ性能
処理性能(CPU)
前述した通り、CPU には「Ryzen 5 9600X」が使用されている。
AMD の新設計 Zen5 を用いて作られた、この秋に登場したばかりの最新デスクトップ用CPUのひとつだ。
G-Tune には Ryzen 7 搭載モデルもあるが、今回の検証機はやや安価な Ryzen 5 を搭載する。
Zen5 の Ryzen 7(9700X)と GeForce RTX 4060 の組み合わせだと価格は約27万5千円で、Ryzen 5 搭載機とは約3万5千円の差がある。
「X」は性能を調整できることを意味するが、Intel の Core シリーズのK付きモデルとは違い、標準的な製品であり、愛好家向けという訳ではない。
Ryzen 5 9600X のコア数は6、スレッド数は12。
Ryzen 7 は8コア16スレッドなので、2コア4スレッド分少なくなっている。
すべて同じコアで、PコアとEコア(Zen5 と Zen5c)に分かれていたりはしない。
デフォルト(基準)の TDP は 65W、最大88Wで動作する。
かなり低めの設定で、低すぎるという声が挙がったため 105W の設定も追加されたのだが…… 本機においては有効とは言えなかった。詳しくは後述する。
ともあれ、最大でも 88W というのは近年の CPU としてはかなり省電力で、それは発熱の低減、さらに静音化と安定性の向上にもつながっている。
Zen5 はピーク性能を重視する愛好家からは不評だが、標準的な CPU としては使いやすく、実働性能にも優れていて、決して悪い CPU ではない。
以下はベンチマーク(性能測定)ソフト CINEBENCH の測定結果と、主流デスクトップ用CPUとの比較グラフだ。
Ryzen 5 9600X(10分測定)
Cinebench 2024 での計測
・マルチコア性能(デスクトップ)
Core i9-14900K(280W):38000
Core i7-14700K:34000
Ryzen 9 9900X:33500
Core i7-13700K:29000
Ryzen 9 7900X:29000
Ryzen 7 9800X3D:22000
Ryzen 7 9700X(88W):20500
Core i7-14700:19700
Ryzen 7 7700X:19000
Core i7-13700:17700
Ryzen 5 9600X(88W):17000(本機)
Ryzen 5 7500:14000
Core i5-14400:13750
Ryzen 7 5700X:13000
Core i3-13100:8900
Ryzen 5 4500:8850
・シングルコア性能(デスクトップ)
Core i9-14900K:2350
Ryzen 9 9900X:2210
Ryzen 7 9700X:2210
Ryzen 5 9600X:2170(本機)
Core i7-14700K:2150
Core i7-13700K:2100
Ryzen 7 9800X3D:2100
Core i7-14700:2050
Core i7-13700:2020
Ryzen 9 7900X:2000
Ryzen 7 7700X:1950
Core i5-14400:1820
Ryzen 5 7500:1820
Core i3-13100:1730
Ryzen 7 5700X:1540
Ryzen 5 4500:1230
※近年の全CPUとの比較は こちら をご覧ください。マルチコア性能の測定値は約17000。 Ryzen 5 であることを考えると、かなり優秀だ。
なぜなら、ライバルの Core i5-14400 のマルチコアのスコア(10分測定)は 13750 ほどで、かなり大きな差がある。
Core i5-14400 もブースト中に100W以上の電力を投入すれば一時的に 15000~16000 ほどになるが、それでも Ryzen 5 9600X の方が上で、しかも Ryzen 5 9600X は 88W でこの能力。
ワットパフォーマンス(電力効率)でも優れているのがわかる。
Zen5 でも Ryzen 7 だと、第14世代 Core i7 との比較であまり差がないので、Zen5 は Ryzen 5 の方がライバルとの性能比が高い。
シングルコア性能 も 2170 と、かなり高いスコアを発揮した。
Ryzen 5 でありながら Core i7-14700 より高く、Ryzen はシングルコアで弱いという下馬評は(第13/14世代 Core との比較では)もはや通用しない。
測定中の CPU 温度は 55~59℃ で、60℃ はほとんど越えなかった。
そのため、ベンチマーク中でも冷却ファンはずっと低速で、とても静かに動作する。
この静音性も特筆に値する。
以下は PCMark10 で測定した、各種作業での性能評価だ。
アプリの起動速度やウェブサイトの閲覧と言った基本の処理は、サイト閲覧がやや高めの評価だが、従来と大きな差はない。
だが、表計算は非常に素晴らしい。
スコア 17000 を越えており、Ryzen 7(9700X)での測定とほぼ同じ。
Ryzen は以前から表計算に強いのだが、Zen5 だとさらに一段上のスコアが出る。
(Zen4 だと15000ほど。第14世代 Core だとK付きで15000台)
書類作成も10000と、こちらも非常に高い。
(Zen4 や第13/14世代 Core だと高くても8000~9000)
写真/画像加工も優秀で、20000弱というスコアはビデオカードが GeForce RTX 4060 としてはかなり高い。
3D描画はビデオカード相応だが、動画編集は約1万と、ここもさすが Zen5 である。
Zen4 や第13/14世代 Core では、ここは9000にも満たない。
Zen5 の Ryzen は、このように実働性能に優れる。
ベンチマークのマルチコアのスコアだけ見て「期待外れ」という人も少なくないが、分岐予測、レイテンシ(遅延)、並列処理、演算エンジンなどが強化/改善されており、実務作業ではこうしたものが活きてくる。
発熱が低いおかげで静かに動作することもあり、一般用途では高いメリットがある。
なお、オーバークロックに関しては、本機では有効ではなかった。
BIOS で電力設定を 65W から
105W にしてみたが、マルチコアのスコアが 17000 → 17700 になった程度で、CPU温度は最高60℃から85℃と、+25℃も上昇。
投入電力は最大88W → 最大123Wと、+35W増加。
とても温度・騒音・消費電力に見合った能力アップとは言えなかった。
105W の設定は AMD があとから追加したものだが、元々そんな電力で動かすCPUではなかったためか、(11月末時点では)メリットが乏しい印象だ。
近年の Ryzen に搭載されている PBO(Precision Boost Overdrive)という機能も、ほぼ同じ結果となり、本機では使う意義を感じなかった。
Ryzen 5 9600X(105W設定)
Ryzen 5 9600X(PBO使用時)
マウスコンピューターのパソコンは安全のため、強いオーバークロックが出来ないようになっていることが多いが……
いずれにせよ、+35Wでこの程度なら、少なくとも Ryzen 5 は標準のまま使うのが良さそうだ。
なお、CPUの性能を調整するオーバークロックなどの行為はメーカー保証外であり、自己責任となるので留意して欲しい。
グラフィック性能(ビデオカード)
Zen5 の Ryzen を搭載する G-Tune (ミニタワー)には、2024年11月時点で GeForce RTX 4060 ~ 4070 SUPER、及び Radeon RX 7600 ~ 7800XT までのビデオカードを搭載するモデルが存在する。
今回の検証機はその中で一番下のモデルとなる「GeForce RTX 4060」を搭載するものだ。
一番下と言っても GeForce 4000 シリーズの主力製品であり、コストパフォーマンスに優れる、もっとも人気のあるビデオカードだ。
プレイ動画を生配信するとか、4Kの高画質でゲームを遊びたいとか言うのでなければ、十分な性能を発揮できる。
ビデオメモリは GDDR6 を 8GB 搭載。
GeForce 4000 シリーズは最新の DLSS である DLSS3 やフレーム生成といった新技術を使用でき、電力効率も高く、能力の割に省エネだ。
以下は 3DMark:TimeSpy で測った3D描画性能と、他のデスクトップ用ビデオカードとの比較グラフだ。
※ゲームパフォーマンス予測の1080pは解像度1920x1080、1440pは2560x1440。
Ultra は最高画質設定であることを示す。
・3D Mark: TimeSpy(デスクトップ用)
GeForce RTX 4080:28000
GeForce RTX 4070Ti SUPER:24000
GeForce RTX 4070Ti:23000
GeForce RTX 4070 SUPER:20500
Radeon RX 7800 XT:20000
GeForce RTX 4070:17500
Radeon RX 7700 XT:17000
GeForce RTX 4060Ti:13500
GeForce RTX 3070:13000
GeForce RTX 3060Ti:11500
Radeon RX 7600:10900
GeForce RTX 4060:10600(本機)
GeForce RTX 3060:8500
GeForce RTX 3050 8GB (2022):6200
GeForce GTX 1660 SUPER:6000
GeForce RTX 3050 6GB (2024):4800
GeForce GTX 1650:3600
Ryzen 7 8700G (CPU内蔵、RDNA3):3000
GeForce GTX 1050Ti:2500
Core i7-13700 (CPU内蔵、Intel UHD):800
※近年の全グラフィック機能との比較は こちら をご覧ください。本機のグラフィックスコアは約10600。
ほぼ GeForce RTX 4060 の平均スコア通りである。
では、この3D描画性能で、最新のゲームはどのぐらい動くのか?
以下は実機で検証した、最新ゲームの動作速度の一覧だ。
※解像度は1920x1080。動画は実機で録画したものですが、再生速度は30fpsです。動画が止まっている場合は長押ししてください。
・モンスターハンターライズ
高画質の戦闘中で 160fps 前後。およそ 150~170fps で動作し、非常に快適にプレイできる。
DLSS を使うと 130~140fps になり、むしろ遅くなったので使うべきではない。
・Ghost of Tsushima
画質「非常に高い」の DLSS なしで 60~80fps で動作。
DLSS バランスだと 80~100fps まで向上し、滑らかになる。
この速度であれば、動作に合わせて画質を調整する動的解像度スケーリングは必要ない。
また、フレーム生成を ON にすると 130~140fps まで向上した。
以前(春ごろ)まで、フレーム生成は負荷が高すぎてまともに使えなかったのだが、かなり改善が進んだようで、今は実用的になっている。
・龍が如く8
最高画質、DLSS なしの場合で 80~110fps で動作。
DLSS をクオリティにすると 160~200fps まで向上し、非常に滑らかになる。
このゲームは DLSS の効果が高いが、初期設定が DLSS オフなので、グラフィックの詳細設定で変更しておこう。
フレーム生成を使うと 180~220fps になるが、高負荷な割に効果は微増といったところ。
・鉄拳8
起動時のベンチマークスコアは460。画質は高(描画スケール80)に設定される。
だが、DLSS をクオリティにすれば、最高画質(描画スケール100)で上限60fpsを維持できる。
・ストリートファイター6
最高画質(HIGHEST)で、上限の60fpsで動作する。とても快適。
町を散策するシーンは80~110fpsで、ほぼ100fpsで動作する。
一般的な解像度である 1920x1080 なら、どのゲームも最高画質で問題なくプレイ可能。
冒頭で述べたように、2025年発売の「モンスターハンターワイルズ」が、GeForce RTX 4060 で DLSS とフレーム生成を ON にすれば中画質でプレイできると発表しており、今後の基準となる性能だと言って良いだろう。
4K解像度(3840x2160)で測定する Steel Nomad は 23fps と、やや辛い結果。
ファイナルファンタジー15 の4Kベンチマークは「普通」の評価となっており、4Kモニターを使いたい人は、GeForce RTX 4070 クラスが欲しいところだ。
ストレージ(記録装置)とメモリ
本機のストレージには、容量 1TB の NVMe SSD が使用されている。
もちろん高速な Gen4(PCIe 4.0)の製品で、カスタマイズで 2TB や 4TB にして貰うことも可能。
ただ、2TB にするのに約3万円ほど必要で、カスタマイズ費用は正直高め。
1TB~8TB の HDD を追加して貰うこともでき、容量が欲しい人におすすめだ。
ただし最近のゲームは HDD だと遅延が生じがちなので、データの保存に使うようにして、重めのゲームは出来るだけ SSD に保存したい。
以下は標準搭載のストレージの速度を計測した結果だ。
標準設定での測定
NVMe SSD 設定の測定
使われていたのは CFD 社の企業納入用の NVMe SSD。
読み込み約3650MB/s、書き込み約3250MB/s と、Gen4 としては速くなく、Gen3 に近い速度だった。
だが、ランダムアクセス の結果は良く、NVMe SSD 用の測定で読み込み1950MB/s、書き込み1600MB/s を越えるスコアが出た。
ここは通常、1000MB/s 以下が一般的だ。
本機のような新世代の CPU を搭載している機種はランダムアクセスが高い傾向にあり、CPU やマザーボードのストレージコントローラーが改良されているのだと思われる。
ゲームはランダムアクセスの方が影響が大きいので、ゲーミングモデルにとっては嬉しい。
なお、本機は NVMe SSD の追加はできないが、自力でなら2.5インチの SSD を2つ(HDD がないなら3つ)付けられる。
詳しくはケースの内部解説のところで説明している。
メモリは DDR5(DDR5-5600)を 16GB 搭載している。
8GBが2本付いており、データを分散して高速化するデュアルチャネルで動作。
速度については申し分ない。
容量は16GBでも不便はないと思うが、画像加工や動画編集などの作業を行う人や、高い安定性を求める人は、+14300円となるが、32GB(16GBx2)にした方が良いだろう。
ケースと内部構造
ケース外装と接続端子
(2024年時点の)G-Tune のケースには、中型のミニタワー、小型のハンドル付き、大型のフルタワーがある。
今回の検証機はもっとも一般的な中型のミニタワーだ。
G-Tune は機能性だけでなくデザインも重視しており、角を大きくカットした鋭角的な形状で、側面パネルには通気口を兼ねる六角形の切り欠きや、ロゴマークの加工がある。
幅19cm x 高さ41cm x 奥行40cm
他社の同クラスのケースよりコンパクト
通気口が単なる穴ではなく装飾を兼ねる
黒一色だが、複雑な形状とデザイン
USB などの前面端子は上部に斜め上向きに付いており、床置きに向いた設計だ。
そして特徴の一つとして、前面部に HDMI 端子が用意されている。
これを使うには背面に収納されている付属の HDMI ケーブルを引っ張り出し、ビデオカードの HDMI 端子に接続しておく必要がある。
前面に HDMI 端子があることで、VRゴーグルやイラスト用 液晶タブレット、小型サブモニターなどを活用しやすい。
ユーザーアンケートで実装が決まったという前面 HDMI 端子あり
このように HDMI 用のコードを繋げる
モニターは Display Port で接続しよう
ケースの装飾用カスタマイズが用意されているのも、大きな特徴だ。
標準だと黒くて電飾のないオーソドックスな装飾だが、側面を中が見えるガラスパネルにして、ケースファンもLEDライトが付いたものに変えれば、内部が美しく照らされる。
ファンの発光色は赤と青を選択可能で、清潔感のある白いケースに変更することもできる。
これらを選択した場合、2基の前面ファンが追加されるため、通気性も向上する。
本機はこのクラスのゲーミングモデルとしては珍しく、標準構成の場合、ケースファンが後部に1つだけしかない。
吸気は主に底面からの自然吸気だが、正直、これだと夏に熱が籠らないか心配だ。
どうせ G-Tune を選ぶなら、+7700円となるが、放熱向上も兼ねてLEDファン仕様を勧めたい。
サイドガラスパネル+LEDファン
美しさと実用性を両立
清涼感のあるホワイトモデルも人気
背面の端子はシンプルで、マウス&キーボード用の USB 2.0 が2つと、5Gbps の USB-C 1つ、普通の USB が2つ。
有線LAN端子は標準的な 1000BASE-T で、これと言って特筆すべき点はない。
ただ、ケース内に無線LANカードが装着されており、Wi-Fi 6E と Bluetooth 5.3 の無線通信が可能。
映像出力はビデオカードに HDMI が1つ、Display Port が3つが備わっており、最大4画面の出力が可能だ。
ケース内部の構造
ミニタワーの G-Tune の内部構造は、電源ユニットが上にあるのが特徴だ。
電源が天井配置だと、その吸排気をエアフロー(通気)に活用できるが、ケース内の暖かい空気を吸うことになるので、電源の冷却力は下がる。
本機の場合、標準構成だと吸気ファンがないので、電源の吸排気を使って少しでも空気を吸い込もうとしているのだろう。
CPUクーラーはサイドフロー(横向き)の大型ファンが付けられており、十分な冷却力がありそうだった。
小型ケースによくある電源上部配置
LED仕様なら前部に2つのファンが付く
上部の前面にはマウンタ(固定器具)が備わった、3.5インチベイ(ストレージの収納場所)があり、HDD や SSD を設置できる。
そして、ちょっとわかり辛いのだが、その真下にも2.5インチの SSD を2つ貼り付けられるようになっている。
HDD や SSD を繋げる SATA 端子はマザーボードに4つ備わっていて、HDD 以外は自力となるが、ストレージの増設や移植を行うことが可能だ。
ただし、自力でのパーツ増設に伴う故障やトラブルはメーカー保証対象外となるので、自己責任で行うこと。
前部の3.5インチベイ。HDDの他に、2.5インチSSDも固定することが可能
その真下にも2.5インチSSDを設置できる
奥の突起にネジ穴を差し込んで固定する
ただ、本機のマザーボードには(NMVe SSD を装着できる)M.2 スロットは1つしかないので、NVMe SSD の追加はできない。
また、PCIe スロット周辺は窮屈なうえに床から吸気する構造のため、拡張(PCIe)カードの追加は考えない方がいいだろう。
正直、G-Tune のミニタワーは拡張しやすいケースではない。
あまり中をいじらない人向けで、拡張を考えるならフルタワーなどの購入を考えよう。
電源ユニットは標準で出力750W、80PLUS BRONZE の製品が付いている。
使用されている CPU とビデオカードを考えると、750W なら余裕がある。
カスタマイズの必要はないと思うが、+5500円で 80PLUS GOLD の製品にすることもできるので、省エネを考える人はこちらを選んでも良いだろう。
なお、ケースの底面には防塵網がマグネットで貼り付けられている。
簡単に外せるようになっているので、目詰まりしないよう、たまには掃除しておこう。
※ビデオカード下部。すぐ下が床になる。PCIe スロットは使えないことはないが……
※底の網はペラっと簡単に取れる。底からの吸気が重要な構造なので、絨毯の上など、風通しが悪そうな場所に置くのは避けよう。
総評
Core i5 + GeForce **60 というのは、昔からコスパ重視のゲーミングPCの定番だ。
だが、Core シリーズの信頼性が揺らぎ、新型も遅れている今は、Ryzen 5 + GeForce 4060 がその代わりとして注目と言える。
しかも Zen5 の Ryzen 5 は、予想以上に良かった。
ベンチマークスコアはもちろん、実働性能についても Ryzen 7 と大きな差がなかったので、パソコン価格の高騰が目立っている今、新型 Ryzen 5 はかなり有意な選択と言っていいだろう。
巷では Zen4 の方が安くて良いという人もいるが、今回検証した省電力・低騒音(低発熱)・実働速度を見ると、やはり予算が許すなら Zen5 を選びたい。
ゲーミング性能については、標準的なモニターなら、GeForce RTX 4060 で来年の大型タイトルでも安心だ。
ケースについてはガラスパネル+LEDケースファンのある、装飾性に優れたモデルを勧めたい。
+7700円となるが、装飾と性能を両立できるのが G-Tune の最大の良さだと思う。
ファンが追加されるため、通気性の点でも安心できる。
拡張はしやすい方ではないが、HDD 1つ+SSD 2つを増設できれば、ストレージは十分だろう。
コスパ重視のゲーミングモデルとして、おすすめできる製品だ。
ケース:デスクトップ(ミニタワー/ミドルタワー)
CPU:Ryzen 5 9600X(Zen5、6コア12スレッド)
クーラー:サイドフロー空冷クーラー
GPU:GeForce RTX 4060(8GB)
メモリ:16GB(DDR5-5600、8GBx2)
ストレージ:1TB NVMe SSD(Gen4、3600MB/s)
電源:750W(80PLUS BRONZE)
拡張:M.2スロット x1(空き0)、SATA端子4つ、空きPCIe x1 実質1本、3.5インチベイ x1、2.5インチマウンタ x2
その他:前面HDMI端子、Wi-Fi 6E 無線通信、カスタマイズでガラスサイドパネルやLEDファンあり
価格:税込239,800円
※詳細はマウスコンピューター公式サイトをご覧下さい。
※G-Tune ミニタワーの機種一覧は こちら になります。
※全く同じ名前(G-TUNE DG-A5G60)の Ryzen 5 4500(Zen2)搭載機がありますが、ここで紹介しているのは Ryzen 5 9600X(Zen5)搭載機です。CPUの世代・性能・価格が大きく違うのでご注意ください。
※仕様・価格は時期により変更の可能性があります。