- 2024年春に発売されたDynabook(旧 東芝)の14型ノートパソコン
- 約1kgの軽量モバイルながら省電力型ではない Core Ultra 7 155H を搭載
- バッテリーも長時間駆動で優れた携帯性。モニターやサウンドも高品質
こんな人にオススメ!
- 持ち運びに向いたモバイルノートが欲しい人
- モバイル機でも省電力CPUは嫌な人
- 信頼と実績の dynabook を求めている方
(提供元:Dynabook株式会社)
Core Ultra H のモバイルPC
AI世代のCPUを搭載するモバイルノート(軽量ノートパソコン)は、すでに各社から発売されている。
だが、その多くは省電力型のCPUを搭載しており、バッテリーの持ちは良いが、基本性能はそれほど高くない。
だが、わずか1kgという軽量モバイルノートでありながら、性能重視の Core Ultra 7 を搭載し、大容量バッテリーで駆動時間を補った、軽さと性能を両立するダイナブックが発売された。
dynabook RZ/HX(2024年モデル)だ。
14型ながらマグネシウム合金を使用して徹底的な軽量化を実施。
CPUに Core Ultra 7 155H を使用し、メモリも32GB、モニターも高発色でサウンドもウーハー付きという高級機だ。
さらに、新基準の測定でアイドル時27時間、動画再生時11時間という長時間バッテリーを誇る。
もちろん dynabook なので信頼性は高く、初心者向けのサポートやガイドも整っている。
価格は税込286,880円と、やはり安くはないのだが、特別サイトで約23万7千円で購入することが可能だ。
(特別サイトは こちら から。プレミアムID:dyna204cls パスワード:T8Y7GRSV)
以下、その詳細をレビューしていきたい。
外観
デザインとモバイル性能
色はダークテックブルーと呼ばれている紺色。
つや消しの表面で、さらさらした触感だが滑りにくく、持ちやすい。
角はすべて丸みを帯びていて、持ちやすさがある。
コンパクトで軽く、片手で持ち上げられるため、とても手軽に扱える印象だ。
丸みのある本体と落ち着いた紺色
近年の RZ シリーズ共通のデザインだ
キーボードやパッドも紺でまとめている
サイズは横が約31cm、縦は約22.5cmで、14型としてもコンパクト。
厚さは約1.6cmとかなり薄いが、ゴム足はちょっと高め。
ただ、高めのゴム足は持つときに取っ手の代わりになる。
重さは約1050g。実測では約1030gだった。
出力65WのACアダプタもコード込みで約250gの軽量で、合わせても約1.3kg。
この軽さと大きさなら、カフェなどで使うのにも最適だ。
軽いと耐久性が心配になるが、軽くて頑丈なマグネシウム合金を使っているため衝撃にも強く、米軍規格(MIL-STD 810H)の10項目の耐久テストをクリアしているとアピールされている。
ただ、高級素材なのでコストはかかっているだろう。
A4とセミB5ノートとの大きさ比較
A4ノートより若干大きいぐらい
約1kgの軽量。kgを基準とするのも国産PCの長所と言えるだろうか
セキュリティは指紋認証型で、電源ボタンと指紋センサーが一体化しているタイプ。
電源を入れれば同時に認証も行ってくれる。マスクをしていても問題なし。
インターフェイス(接続端子)ももちろん最新だ。
左側面に2つの高速端子 Thunderbolt4 を備え、さらに左右に1つずつの普通のUSB(5Gbps)もある、使い勝手重視の設計。
左側面には HDMI、右側面には microSDカードスロット、イヤホン/マイク、有線LAN端子 もあって、14型ながら一通りのものがそろっている。
左側面。強いて言えば、充電兼用の Thunderbolt4 は奥にあった方が……
右側面。有線LAN端子もしっかり備わっているのが嬉しい
無線通信は Wi-Fi 6E に対応。Bluetooth のバージョンも新型の5.3。
そしてバッテリーは14型で重量1kgながら65Whという大容量。
バッテリーのサイズは重さに直結するので、軽量ノートPCだと小さい場合が多いのだが、本機は妥協がない。
冒頭でも述べたが、新基準(JEITA3)でアイドル時は約27時間、動画再生時も約11時間という、十分なバッテリー駆動時間がある。
さらに dynabook 独自の「お急ぎ30分チャージ」に対応しており、30分で40%の急速充電が可能。
バッテリーの寿命を保つため、充電状況に応じて電流を下げる機能なども備わっている。
なお、本機には電源端子はなく、ACアダプタはUSB-C(Thunderbolt4)に繋げるタイプとなっている。
モニター / カメラ / サウンド など
dynabook はモニターの美しさにも定評がある。
本機は アスペクト比(縦横比)16:10 で、最近流行りのやや縦長の画面になっており、作業がしやすく、画面も広く感じられる。
解像度は16:10の標準である1920x1200だが、発色を示す sRGB比 は約100%の高発色。
他の詳細なスペックは不明だが、高輝度・高色純度・高視野角をウリとしており、かなり上質な液晶パネルであることは見てわかる。
リフレッシュレートは一般的な 60Hz。
dynabook のモニターは映り込みの少ない非光沢と鮮やかな発色を両立している
ペタンと平らに開いて画面反転も可能
営業などで活用しやすい
カメラはHD画質(約100万画素)で高画質ではないが、CPUがAI(NPU)搭載なので、オンライン会議の映像補正機能「Windows スタジオエフェクト」の自動フレーミング(カメラ移動)、アイコンタクト(目線補正)、背景ぼかしなどを活用可能だ。
ただ、第2世代AI PC(Copilot+ PC)で使えるポートレートライト(明るさ調整)やクリエイティブフィルター(画風調整)などには非対応。
AIノイズキャンセラーは、dynabook 独自のものが備わっている。
360度収音マイクが搭載されており、強力なノイズ除去はもちろん、音声強化、高音質録音などの機能を利用可能だ。
dynabook のAIノイズキャンセラーは強力
生活音だけをほぼ消すことができる
Core Ultra は第一世代の AI PC なので WEB 会議補正は半分だけ対応
サウンドは本機のウリのひとつである。
2つのステレオスピーカーに加え、2つのウーハー(低音スピーカー)を備える 4ch サウンド。
さらに高級イコライザー(音響ソフト)の Dolby Atmos を搭載する。
聞いてみた感想としては、広がりがあって音に深みもあり、ウーハーがあるだけあって、低音もトントンと響いてくれる。
最初からちょうど良いチューニングが施されているようで、そのままでも素晴らしい音質だ。
ドルビーの自動調整「ダイナミック」も試してみたが、高音が強すぎてチャカチャカした音になってしまった。
ただ、こちらの方が音はクリアになり、音響も増すので、好みの人もいるかもしれない。
色々試してみても良いだろう。
キーボードの横にスピーカーがあり、底面にもウーハーがある 2way 4ch サウンド
dynabook で Dolby 搭載は珍しい
専用のチューニングが施されている模様
キーボード / ソフトウェア
キーボードは標準的なキーピッチ(間隔)である19mmを確保しており、窮屈さはない。
キーストローク(深さ)はやや浅い印象だが、強めの反発があるため指への衝撃は少なく、しっかりした打鍵感で、板を打っているような感じはない。
その割にはソフトな印象で、力が弱めでもタイプできる。
テンキーはないが、打ちやすくて違和感なく使うことができた。
暗所でも作業しやすいよう、キーボードのバックライトも備わっている。
ただ、機能表示(Fnキーとの併用で実行できる機能)の印字が薄めで、暗い室内だとほとんど見えないのは、ちょっと気になった。
丸みがあって少し凹んでいるキー
打鍵感は良く、タイプミスしにくい
LEDバックライト点灯時の様子
くっきりわかりやすい表示だ
AI機能(NPU)を内蔵する Core Ultra の新型機なので、Windows の AI アシスタントを呼び出せる Copilot キーがあるのも特徴だ。
ビジネス文章の例文を尋ねるなど、様々な活用法がある。
ただし現時点ではネット接続は必要。
タッチパッドは従来の dynabook とは違いボタンのないタイプになっていて、上下一杯まで広げられている。
初心者だとボタンがあった方がわかりやすいかもしれないが、その分だけパッドが狭まるので、操作性はむしろ落ちる。
ボタンを使わない操作を覚えれば、ボタンのない方がパッドを広く使えるので、この機会にボタンなしパッドに慣れよう。
AI(NPU)搭載機の証、Copilot キー
ホントはNPUなくても使えるんだけどね…
dynabook には珍しいボタンなしパッド
プロ仕様機という扱いなのかもしれない
タッチパッドの触感はナチュラルで、特筆することはないが、指はよく滑る。
14型の割に大きめで使いやすい。
内蔵ソフトウェア(プリインストールソフト)にも少し触れておきたい。
dynabook には初心者向けのガイドソフトや、サポート用のソフト、いくつかの実用ソフトが最初から入っている。
基本操作や活用法がまとめられている「おたすけナビ」は初心者の助けとなるだろう。
また「PC引越ナビ」はデータを別のパソコンから移行できるもので、これのおかげで dynabook を使い続けている人は多い。
初心者ガイドがあるのは日本の電機メーカー製PCの長所だろう
他社PCからのデータ移行にも対応している引っ越しナビ。データ削除ソフトも搭載
個人的には「TVコネクトスイート」がお気に入りだ。
ネットワーク対応のレコーダーに接続し、テレビ番組を見たり、そちらで録画した番組をパソコンで再生することができる。
私的に使っている nasne(ナスネ)にも簡単に無線接続でき、番組を視聴することができた。
ネット対応レコーダーに簡単接続
高発色の画面でテレビや録画を楽しめる
葉書&住所録ソフトは筆ぐるめを搭載
初心者にも使いやすいソフトを備える
他にもスマホ連携機能や、写真/動画編集ソフトの体験版などが入っている。
こうした初期ソフトを嫌う人も多いが、dynabook のものは強く主張してこないので、邪魔にはならない。
本機の長所のひとつと言っても良いだろう。
パーツ性能
処理性能(CPU)
dynabook RZ/HX はCPUに Core Ultra 7 155H を採用している。
AI専用コア「NPU」を内蔵するCPUであり、その上位モデルだ。
電力効率と性能のバランスに優れ、省電力型の「U」より消費電力は多めだが、高い処理性能を発揮できる。
コア構成は性能重視のPコアが6、電力効率重視のEコアが8、省電力重視のLP-Eコアが2。
合計で16コア22スレッドのCPUとなっている。
Core Ultra 7 155H は投入電力の設定が 20W~65W と幅広い。
電力増やせば性能は上がるが、消費電力・発熱・騒音(冷却ファンの回転音)は増える。
本機は 30W の設定になっているようで、やや控えめだ。
動作モードの切り替えのようなものはない。
以下はベンチマーク(性能測定)ソフト Cinebench R23 の結果と、他のノート用CPUとの比較グラフだ。
Core Ultra 7 155H(30W)
Cinebench 2024 の測定結果
・マルチコア性能(Cinebench R23、10分測定)
Ryzen 9 8945HS:17000
Ryzen 7 7840HS:15500
Core i7-13700H:13500
Core Ultra 7 155H(45W):12000
Core i5-13500H:12000
Core Ultra 7 155H(30W):10900
Core Ultra 5 125H:10500
Core i7-1360P:9700
Ryzen 7 7730U:9600
Core Ultra 7 155U(20W):7400
Core i7-1355U:7000
Ryzen 3 7330U:4950
Celeron N5100:1400
Celeron N4100:950
・シングルコア性能(Cinebench R23)
Core i7-13700H:1850
Core i7-1360P:1820
Ryzen 9 8945HS:1800
Core i5-13500H:1780
Core Ultra 7 155H(45W):1760
Ryzen 7 7840HS:1760
Core Ultra 5 125H:1740
Core Ultra 7 155H:1720(30W)
Core i7-1355U:1720
Core Ultra 7 155U:1700(20W)
Ryzen 7 7730U:1430
Ryzen 3 7330U:1370
Celeron N5100:580
Celeron N4100:380
※近年の全CPUとの比較は こちら をご覧ください。
マルチコアの測定結果は10900。
投入電力が30Wなため、標準的な45Wよりも少し低めのスコアとなっているが、大差はない。
シングルコア性能も1720と、若干低めだが有意な差ではない。
マルチコアが1万を超え、シングルコアも良い数値が出ているため、ノートパソコンの処理速度としては十分だ。
省電力型の Core Ultra 7 155U との差は、マルチコアの評価で約1.5倍。
コア温度は80℃ほどで、思ったより高めだが、ファンの騒音は45db以下とかなり抑えられており、シューという音は聞こえるが、高負荷がかかっていてもそれほど気にならない。
ターボブーストは適用されておらず、高負荷な状態が長く続く場合は、徐々に投入電力を下げていた。
dynabook らしい、静音と安定性を重視した動作の印象だ。
Core Ultra は表計算や画像加工など、事務や創作作業も得意とするため、モバイルノートとして快適に扱うことができるだろう。
グラフィック性能(内蔵GPU)
本機のグラフィック機能は CPU「Core Ultra 7 155H」に内蔵されたものが使用される。
Core Ultra には Intel Arc と呼ばれる最新のCPU内蔵グラフィック機能が搭載されており、内蔵型としてはトップクラスの性能を持つ。
ただ、Intel Arc は最新であるが故にドライバやソフトウェア側の対応が追いついておらず、真価を発揮することができなかった。
……今年の春までは。
だが、結論から言うと、この夏に Intel Arc のドライバの改善が行われたようで、今回の測定では春に同じCPUで測った時よりも、かなり良い結果を記録した。
基本性能は元々高かったので、実力を発揮できるようになった今、多くのゲームや3Dコンテンツを動作させることができる。
以下はベンチマーク(性能計測)ソフト 3D Mark:TimeSpy の結果と、他のノートPC用グラフィック機能との比較グラフだ。
※ゲームパフォーマンス予測の1080pは解像度1920x1080、1440pは2560x1440。
Ultra は最高画質設定であることを示す。
・3D Mark: TimeSpy(下位GPUと内蔵型)
GeForce RTX 3050 6GB mobile:5600
GeForce RTX 3050 mobile (初期型):4850
Core Ultra 7 155H(CPU内蔵、本機):3410
GeForce GTX 1650 mobile:3400
Ryzen 9 8945HS(CPU内蔵、RDNA3):2750
Ryzen 7 7840HS(CPU内蔵、RDNA3):2500
第13世代 Core i7(CPU内蔵、Iris Xe):1800
Ryzen 5 6600U(CPU内蔵、RDNA2):1600
第11世代 Core i7(CPU内蔵、Iris Xe):1400
Ryzen 7 7730U(CPU内蔵、Vega 8):1200
第11世代 Core i3(CPU内蔵、Intel UHD):700
Ryzen 3 7330U(CPU内蔵、Vega 6):580
※近年の全グラフィック機能との比較は こちら をご覧ください。
本機のグラフィックスコアは約3400。
3DMark は当初から Core Ultra(Intel Arc)に対応していたので、春に測定したときとスコアに大差はない。
Core Ultra 7 155H の平均スコアは3500なのだが、本機は電力が30Wなので少し低め。
それでもCPU内蔵グラフィック機能としては非常に高く、ビデオカードの GeForce GTX 1650 とほぼ同じ数値だ。
では、これで最新のソフトウェアはどのぐらい動くのか?
本機はゲームをやるようなパソコンではないが、人気のゲームを実際に動かしてみた。
※以下の動画はレビュー機で録画したものですが、再生速度は約30fpsです。動画が止まっている場合は長押しして下さい。
・モンスターハンターライズ
高画質の戦闘中で 35~50fps。中画質ならほぼ 60fps 以上で動作する。
30fps(秒間30コマ)を超えているため、高画質でもプレイ可能だ。
春に測ったときには高画質で30fps前後、中画質で40fps前後だったので、かなり改善している。
ただ、GeForce RTX 1650 だと高画質で 50~60fps 出るので、GeForce の最適化に匹敵するほどには、まだ至っていない。
・パルワールド
低画質でも 15~30fps なので、ちょっと厳しい。
しかし低画質で解像度を 1600x900 にすれば 30~40fps 出るため、何とか遊ぶことはできる。
春に試したときは、どうやっても無理な感じだった。
・龍が如く8
高画質でも XeSS を利用すれば、バランスの設定で 40~50fps で動作する。
XeSS は Intel Arc の DLSS に相当するもので、対応ソフトの動作をかなり改善してくれる。
XeSS をパフォーマンスにすれば、さらに速度が上がる。
春の時点でも、このゲームは Core Ultra への対応が進んでいて、XeSS ON の高画質で 40fps 前後が出ていた。
・鉄拳8
起動時のベンチマークスコアは204。自動設定で描画スケールは35(低)となる。
低だと画質が荒いので、描画スケール55(中)で試してみたが、50fps ほどの速度となり、60fps に満たないとスローになるゲームのため、ちょっと辛い。
低(35)だとほぼ 60fps を維持できる。
春に測定したときは描画スケールが25になり、それでも 60fps を切ることが多かった。
なお、このゲームは同性能の GeForce GTX 1650 だと描画スケール50でも 60fps で動くため、まだ最適化の余地はありそうだ。
・ストリートファイター6
画質が LOW だと、ステージによっては 30~40fps になるため厳しい。
最低画質の LOWEST にして解像度 1920x1080 なら、60fps を維持できる。
ただし町を散策するシーンは LOWEST でも 40fps になるので、バトルを30fpsで固定する設定にしておかないと動きがスローになってしまう。
ともあれ、設定次第で遊ぶことは可能。
このゲーム(製品版)は春に測定したときと、あまり差がない。
ただ、春に試したときはベンチマークがエラーを出して止まっていたのだが、今はそうした症状は起こらなくなっている。
・Ghost of Tsushima
残念ながら Intel Arc への対応が不十分なようで、描画がおかしい。
30fps 前後で動くことは動くが、表示が崩れているのでまともに遊べない。
まだ動かないものや、対応が不十分なものもあるが、今は多くのソフトウェアで高い能力を発揮できている。
春の時点では Intel Arc は実力を出せないGPUと言えたが、今はもう、それほど心配する必要はなくなっていると言って良いだろう。
そして実力さえ発揮できれば、やはりその性能は内蔵GPUとして素晴らしい。
搭載CPUの普及に伴い、今後も最適化は進んでいくはずだ。
もちろん内蔵GPUはゲームだけでなく、ウェブサイトの閲覧、動画処理、画像加工、マップの3D表示など、一般利用時にも影響する。
その高い性能は Core Ultra の動作の下支えになるはずだ。
ストレージ(記録装置)とメモリ
ストレージ(データ記録装置)には小型で高速な が使用されている。
容量は 1TB(1000GB)で、モバイルノートとしては十分な量。
本機はカスタマイズには対応していない。
使用されていたのはサムスンの企業納入用SSDである PM9A1。
dynabook で以前から使われている高速で高性能な NVMe SSD だ。
ベンチマーク(性能測定)の結果は以下の通り。
標準設定での測定
NVMe SSD 設定の測定
読み込み約7000MB/s、書き込み約4900MB/sという、非常に優秀な数値。
読み込み速度は Gen4(第4世代)の NVMe SSD としては上限値に近い。
ランダムアクセスは、読み込み速度は(同時処理ありで)約680MB/sと悪くない数値だが、書き込みは310MB/s程度と低い。
ただ、Core Ultra 搭載機はストレージを省電力化しているのか、他の機種でもランダムアクセスが低めに出る。
本機はその中では、読み込みが悪くないので良い方だ。
総合して、ストレージの性能はかなり良いと言えるだろう。
メモリは32GBで、LPDDR5Xという最新の省電力メモリが使われている。
このメモリは基板に直付けするタイプなので交換や増設はできないが、量も速度も十分だ。
総評
Core Ultra と言っても省電力型だと、従来の省電力CPUと処理性能は大差ない。
だが性能が高いものは消費電力と発熱が高いので、小型・軽量・長時間駆動を基本とするモバイルノートには向かない。
その矛盾を dynabook の技術力と開発力で、ちょうど良いぐらいに調整して仕上げた、といった印象のマシンだ。
高級素材のマグネシウム合金を使って軽量化し、エンパワーテクノロジーと題された冷却と程よい電力設定で性能と発熱のバランスを取り、東芝らしいバッテリー技術で長時間の駆動を実現している。
私的には、ウーハー搭載でサウンドにも目を向けているのは嬉しい。
軽量高耐久の素材を使っているため、さすがに価格は高い。
だが、1kgのパソコンでこの性能は、2024年の夏時点では最上級である。
日本のモバイルノートは1kgが選択の基準となっているが、その中で出来るだけ高性能なものを選びたいなら、本機は有力な候補となるだろう。
形式:14インチ ノートパソコン
CPU:Core Ultra 7 155H(NPU 10TOPS)
グラフィックス:CPU内蔵(Intel Arc)
メモリ:32GB(LPDDR5X)
ストレージ:1TB NVMe SSD(Gen4)
モニター:縦横比 16:10、sRGB 約100%
サウンド:ステレオ+ウーハーの 2way 4ch スピーカー、Dolby Atmos のイコライザー
通信:Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3
重量:約1.05kg、ACアダプタ250g
バッテリー:65Wh
(公称 アイドル時27時間、動画再生時11時間)
その他:指紋認証、AIノイズキャンセラー、急速充電、独自プリインストールソフト
定価:税込286,880円
※ こちら の特別サイトから約23万7千円で購入できます。
ログイン時には以下のIDとパスワードを入力してください。
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※詳細は dynabook 公式ストア をご覧下さい。
※仕様・価格は時期により変更の可能性があります。