- 富士通の世界最軽量14型ノートパソコンの2023年モデル
- 689g という超軽量。ヒョイと持てて、どこでも使える手軽さ
- 接続端子が豊富で機能性も良く、ただ軽いだけではない
こんな人にオススメ!
- もっとも軽いノートパソコンが欲しい人
- パソコンを頻繁に持ち運ぶ人
- 荷物を軽くしたい人や、女性、高齢者
レビューは公正に、忖度なく行っております。
日本の技術力の結晶
モバイルノート(携帯性重視のノートパソコン)の極限の形。
14型ノートPCでありながら、重量わずか 689g という、富士通の誇る世界最軽量モデル。
それが「LIFEBOOK UH シリーズ」だ。
今回取り上げる「LIFEBOOK WU-X/H1」は、そのWEB通販モデル(カスタムメイドモデル)である。
とにかく軽い。 驚くほど軽い。
思わず「おもちゃかコレ?」「中身入ってんのかコレ?」と思ってしまう軽さである。
そこいらの10インチ小型ノートでもここまで軽くはなく、本当に異様なレベルだ。
にも関わらず、本機は薄型機とは思えない豊富な接続端子と高い機能性を備える。
CPUも最新の Core i7 を選択可能で、性能が低いということもない。
こうした超軽量機は創意工夫と試行錯誤の賜物であり、私も「1g を削るための努力と苦労」を展示会などで開発者の方から聞いていた。
日本らしい職人的なこだわりの製品と言えるだろう。
最小構成だと約16万円だが、私的には Core i7、メモリ16GB、SSD512GB をお勧めしたい。
この構成だと(2023年6月末時点で)税込208,700円となる。
以下、その特徴と性能をレビューしていきたい。
外観
デザインとモバイル性能
天板は黒一色のシンプルな外観。
表面には梨地加工が強くかけてあり、触感はサラサラというよりザラザラ。
その分、指紋はほとんど付かない。
隅の方に FMV(富士通のパソコン)の「∽」マークが入っているが、薄くて目立たない。
中もほぼブラック一色で、あえて飾り気の少ないミニマムデザインとなっている。
ただ、最軽量ではないモデルには白やグレーのカラーも用意されている。
天板は一面墨染。とてもシック
かなり控えめにマークが入っている
極限の軽さを追求するため高級な軽量素材が使われており、天板には東レ社製のカーボン素材を使用、底板にはマグネシウム素材が使われている。
サイズは一般的な14型ノートより一回り小さく、横30.9cm、縦20.9cm、厚さ17.3mm。
縦横共に他の14型より1cm~1.5cmほど短く、13.5型といったサイズ感である。
そして何度も言うように、非常に軽い。
Core i7、16GBメモリ搭載機の平均値で驚きの重量689g。
検証機は実測684gで、14型ノートは 1.3kg~1.4kg のものが多いので、約半分だ。
手軽にバッグに入れて持ち運べる重さであり、コンパクトなためカフェでも使いやすい。
こんなに軽いと耐久性が心配になるが、75cm(テーブルの高さ)からの落下試験の他、200kgfの全体加圧や35kgfの一点加圧といった強度の高い耐久試験を実施しているようなので、相応の堅牢性も備えているようだ。
中も黒一色。でも素材は高級で軽量高耐久
ここまで軽いと手軽に使いまわせる
ACアダプタは出力45Wで、重量は250g。 USB-C で接続する。
アダプタは特に軽いとは言えないが、本体と合わせても 950g 行かない。
バッテリーの容量は25Whと小さめ。
バッテリーサイズは重さにそのまま影響するため、最軽量を目指すとどうしても小さくなる。
低負荷時の消費電力は低いようで、バッテリーの持続時間は公称11時間と相応の長さだが、高負荷な状態で使っていると短時間で尽きてしまうだろう。
バッテリー駆動時は負荷の高い作業は控え、充電用のモバイルバッテリー(できれば45W以上)も用意しておきたいところか。
A4とセミB5のノートとの大きさ比較
ほぼA4サイズで14型としては最小クラス
ACアダプタも小型軽量だが、出力を考慮すると軽いという程でもない
インターフェース(接続端子)の豊富さは、この薄さと軽さを考えると信じられないレベルだ。
右側面には普通の USB(5Gbps)と、micro SD カードリーダー、HDMI、有線LAN端子が。
左側面にも普通の USB(5Gbps)に加え、USB-C(10Gbps)が2つ、イヤホン/マイク兼用ジャックがある。
左右に普通の USB があり使い勝手が良いのに加え、薄型ノートでは省かれがちな有線LAN端子がしっかり備わっているのはありがたい。
さらに2つの USB-C は充電(USB-PD)と映像出力(USB-Alt)に対応。
軽くしたいなら端子は削った方が良いはずで、それでも計4つのUSBを含む、これだけの端子を備えているところに本機のこだわりを感じる。
通信は最新規格の Wi-Fi 6E と Bluetooth 5.1 に対応している。
右側面。SDカードリーダーはこちら側
左側面。USB-C の横には充電ランプが
※本体が薄すぎて有線LAN端子をそのまま付けられないので、留め具を上にはね上げてからケーブルを刺すようになっている。こういう細かい工夫が各所にある。
モニター / カメラ / サウンド
モニターは14インチの非光沢液晶で、アスペクト比(縦横比)が 16:10 なのが特徴。
一般的な 16:9 より若干縦長で、作業しやすく、画面も少し広く感じる、流行りのサイズだ。
解像度はフルHDの16:10版である 1980x1200。
発色が良く、一般的な目安となるsRGBカバー率は100%。Adobe RGBは74%。
視野角は全方位85度(170度)と若干低めだが、見る角度を変えても色の変化はほとんど感じず、コントラスト比も 1500:1 とかなり高い。
輝度も 400nit と高めで、太陽光の下でも使える明るさがある。
リフレッシュレートは60Hz、応答速度は25msで、描画速度は平均的だ。
発色と使用感に優れる、美しいモニターと言える。
sRGB100%の美しいモニター。軽いだけでなく、映像や音響にも妥協はない
ヒンジは180度開き、ミーティングやプレゼンで活用しやすい
WEBカメラは約207万画素(フルHD)で、少し上位のものが備えられている。
ステレオマイクも内蔵しており、富士通独自の AI ノイズキャンセラーもあり。
顔認証カメラはオプションになっていて、付属する場合は+2300円となる。
この程度の金額なら付けて良いと思うが、本機の電源ボタンには指紋センサーが備わっており、顔認証がなくても指紋認証を利用できる。
両方あれば普段は顔認証、マスク着用時は指紋認証という使い分けが可能だ。
サウンドは、意外に良い。
高機能イコライザー(音響調整ソフト)として定番の Dolby Atmos(ドルビーアトモス)が備わっており、ドルビー対応のヘッドホンを使えば立体音響も楽しめる。
軽いパソコンだし富士通なので、ちょっと侮っていたのだが、高音が綺麗で深みもあり、低音もトントンと響かせてくれる。
専用のミュージックプレイヤーもあって、サウンドにも注力しているようだ。
※Dolby Atmos のサウンド設定。初期はミュージック・バランスになっているようで、それでも良い音はするのだが、個人的にはより迫力を出してくれる自動調整のダイナミックがお勧め。
キーボード
小型14インチのノートパソコンなのでテンキーはないが、端ギリギリまでキーを配置しており、キーピッチ(間隔)は標準的な19mmを確保、窮屈さはまったくない。
キーストローク(深さ)も1.5mmと、この薄さのノートPCとしては最大限の深さがある。
また、キートップ(表面)が少し凹んでいて、指にフィットしやすくなっている。
ただ、キータッチはちょっと独特で、カチャカチャとした軽い打鍵感だ。
昨今のキーボードはメンブレン(シリコンゴム)+パンタグラフのものが一般的だが、ゴムは重いためか、本機には入っていないようだ。
キーにゴムっぽい抵抗と反発がない。
このため、強く叩くと指にくる衝撃が大きい。軽めのタッチを心がけよう。
最初は違和感があると思うが、キー配置などは標準的で、使い辛さやミスタイプが起こりやすいと感じたことはなかった。
キーにカナ入力用のひらがなの印字がないのも特徴だ。
ローマ字入力の場合は完全に不要なので、ない方がスッキリする
(WEB販売モデルなら)かな表記ありにすることもできるが、+4200円が必要。
キーボード全景。SHIFT や CTRL キーなどが大きく扱いやすい
キーの中央が凹んでいるのがわかる
かな文字がなくてスマートな印象
カーソル(矢印)キーは周辺が少し掘り下げられていて、ノートPCとしては大きめのものが備わっている。
Office や Photoshop などで使用する際に使いやすいのでありがたい。
ファンクションキーは機能(音量や明るさの調整など)優先で、F5 や F6 として使用したいときは Fn キーとの併用が必要。
バックライトはないが、無理に必要なものではないだろう。
タッチパッドはクリックボタンが2つ付いている、昔ながらの形式だ。
ちょっとサイズが小さめで、ボタンの分だけさらに狭くなっているので、指の置き直しは多くなりがち。
触感はサラサラしていて、触り心地が良いという程ではないが、指はよく滑る。
クリックボタンは軽く押しても反応し、使い勝手は良い。
もちろん新型ノートPCなので、ボタンを使わない操作 を行うこともできる。
富士通のPCはカーソルキーが大きい
エンターキーも大きくて押しやすい
タッチパッドはちょっと窮屈な印象
ボタンがあるのは初心者には解りやすい
付属ソフトウェア / 派生機
日本の大手電機メーカーのパソコンなので、初心者案内や実用のための初期ソフト、いわゆる「プリインストールソフト」が多く入っている。
昨今のメーカーは初期ソフトを減らす、もしくは目立たなくする傾向にあるが……
富士通は相変わらず多く、初心者には便利だが、上級者が嫌う要因になっている。
ただ、役立つものも多いので、どんなものが入っているのか紹介しておきたい。
まずは利用ガイドと言える「@メニュー」と呼ばれる総合案内が表示される。
パソコンの用途と基本的な使い方の説明、サポート窓口などがあって、初心者には頼りになる。
FMVポータルと呼ばれる、付属ソフトと富士通のサービス、ミニゲームなどがまとめられたランチャー(起動メニュー)も用意されている。
※@メニューは内蔵機能や各種設定、サポート問い合わせ先などがまとめられたもので、内蔵マニュアルの代わりとなる。
※FMVポータルには子供やお年寄り向けサービスが多いが…… 「ふくまろ」は音声サポート、ゲームランドはPCに慣れるためのミニゲーム集で、初心者ガイドとしての意図やコンセプトは感じられる。
初心者以外には明らかにいらないサービスが多いが、スマホのカメラやデータと連携する機能、データクラウド機能などは便利だ。
はがき作成ソフトの「筆ぐるめ」も、はがきを印刷しない人でも住所録として使える。
また「テレビ番組リンク」というソフトは、ネットワーク機能を持つ外部のレコーダーに簡単に接続でき、テレビ放送や録画を見られる。
個人的に利用している nasne にもすぐに繋がった。
スマホ連携には専用アプリのインストールが必要。iOS版とAndroid版がある
テレビ番組リンクを使えば録画番組の視聴はもちろん、PCへのダビングも可能
写真や動画の編集を行える CyberLink 社のソフト、画像編集ができる PaintShop Pro などのプリインストール版もあって、あれば便利なものも多い。
だが、不要なものが目立つのも本音で、その目立ちっぷりは NEC や dynabook を超える。
そのためか「FMV Zero」という、プリインストールソフトが最小限になっているモデルも用意されている。
ただ、FMV Zero は CPU が標準版で(世界最軽量モデルは省電力版)、バッテリーも大容量(64Wh)なので、そのぶん重量は888g以上と、200g近く増えている。
それでも十分に軽量だが…… 本機は軽くてナンボ、とも思う。
とりあえず FMV Zero(WU4/H1)は別機種と言えるので、ここでは紹介程度に留めておく。
最軽量ではないが、本体カラー(白・灰・黒)やバッテリーを選択できる WU2/H1(普通の軽量モデル、700g台)もある。
パーツ性能
処理性能(CPU)
本機は CPU に Core i7-1355U か Core i5-1335U を選択可能。
どちらも最新である第13世代 Core のノート用 省電力型 CPU だ。
標準型(Core i7-1360P や Core i5-1340P)より処理性能は劣るが、消費電力と発熱が低く、バッテリーは長持ちする。
12世代以降の Core は高性能な Pコア と高効率な Eコア の複合構成だが、Core i7-1355U と Core i5-1335U はどちらもPコア2、Eコア8の、計10コア12スレッドとなっている。
余談だが、本機の発売は2023年の1月で、第13世代 Core をいち早く導入したノートパソコンのひとつである。
TDP(電力と発熱の目安)は 15W と低いが、本機の Core i7-1355U は高負荷時には 25W~40W の電力を投入する設定になっていた。
近年の富士通のパソコンは独自の動き方をするので、TDPはあまり参考にならない。
以下はベンチマークソフト Cinebench R23 による性能測定結果と、他のノート用主流CPUとの比較グラフだ。
・マルチコア性能(Cinebench R23)
Core i9-13900H:13700
Core i7-13700H:13500
Core i7-12700H:12500
Core i7-11800H:10800
Ryzen 5 6600H:9750
Core i7-1360P:9700
Core i5-1340P:9500
Core i7-1260P:8700
Core i5-1240P:8400
Core i5-11400H:8250
Ryzen 5 5625U:8050
Core i7-1355U:7100(本機)
Core i7-1165G7:5800
Core i3-1215U:5500
Ryzen 3 7330U:4950
Core i5-1135G7:3850
Core i3-1115G4:2600
Celeron N5100:1400
Celeron N4100:950
・シングルコア性能(Cinebench R23)
Core i9-13900H:1900
Core i7-13700H:1850
Core i7-1360P:1820
Core i7-12700H:1810
Core i7-1260P:1735
Core i5-1340P:1720
Core i7-1355U:1700(本機)
Core i5-1240P:1680
Core i3-1215U:1550
Core i7-11800H:1520
Core i7-1165G7:1500
Ryzen 5 6600H:1480
Core i5-11400H:1480
Ryzen 5 5625U:1400
Ryzen 3 7330U:1370
Core i5-1135G7:1350
Core i3-1115G4:1300
Celeron N5100:580
Celeron N4100:380
マルチコアの測定結果は約7100。省電力型のCPUとしてはかなり高い性能。
標準型のCPUと比較すると第11世代より上、第12世代より下、といったぐらいになる。
第13世代 Core なのでシングルコア性能は優秀で、約1700のスコアを出した。
一般のソフトウェア使用時にはこのシングルコアの方が影響する。
ただし、Office や Phoshop はマルチとシングルの両方が影響する。
以下はパソコン診断ソフト PCMark10 の結果だが、Office 関連(表計算や書類作成)はちょっと弱い印象だ。
しかしアプリの起動やサイト閲覧などの軽作業は上限に近い数値であり、写真/画像の加工も良い数値が出ている。
現行型のノートパソコンとしては、標準的な処理能力と言えるだろう。
測定中のコア温度は90℃前後とかなり高く、冷却ファンが強めに回るため、高負荷時の動作音は意外と大きい。
45~50db のシューという音が測定中、ずっと聴こえていた。
動作モードの設定などはなく、任意に音を抑えることはできないので、静かに使いたいときは高負荷な作業は控えよう。
CPUの動き方は独特で、最初は 35W ほどの電力で強く動き、徐々に 20~25W まで落ちていくという、緩やかな変化をしていた。
ターボブーストが終わると途端に下がる、といった感じではない。
また、基準値は 15W だが、それ以上の電力で動いている時間の方が長い。
より細かな温度管理を行い、できるだけ長くパワーのある状態を続けようとしているようだ。
ただ、極限まで切り詰めたコンパクトな設計のためか冷却力は高くないようで、高負荷な状態が長く続いて温度が落ちないときは、電力を15W以下まで下げて対処していた。
グラフィック性能(GPU)
本機のグラフィック機能はCPU内蔵のものが使用される。
ビデオカードより性能は低いが、現行の Core i7 や Core i5 には Iris Xe という上位の内蔵グラフィック機能が備わっている。
ただし省電力型CPUだと、グラフィック機能の能力も控えめになる。
以下は Core i7-1355U 搭載時の3D描画性能の測定結果(3D Mark:TimeSpy)と、他のノートPC用ビデオカード、及び内蔵グラフィック機能との比較グラフだ。
※ゲームパフォーマンス予測の1080pは解像度1920x1080、1440pは2560x1440。
Ultra は最高画質設定であることを示す。
・3D Mark: TimeSpy(下位ノート用GPU)
GeForce RTX 4050 Laptop:8500
GeForce RTX 3060(note):8350
GeForce RTX 1660Ti(note):5550
GeForce RTX 1660:5400
GeForce RTX 3050(note):4850
GeForce GTX 1650Ti(note):3680
GeForce GTX 1650(note):3400
GeForce GTX MX550:2650
GeForce GTX 1050Ti:2200
Iris Xe(第13世代 Core 内蔵):1800
Iris Xe(第12世代 Core 内蔵):1700
Iris Xe(省電力型 第13世代 Core):1600(本機)
Iris Xe(第11世代 Core 内蔵):1400
Ryzen 5 5700G(CPU内蔵、Vega 8):1350
Core i3-1115G4(CPU内蔵、Intel UHD):700
Ryzen 3 7330U(CPU内蔵、Vega 6):580
グラフィックスコアは約1600。
本機は第13世代 Core だが省電力型なので、評価値としては妥当なところだ。
これで3D描画のあるゲームを動かした場合の動作速度だが、「モンスターハンターライズ」は中画質なら 50~60fps(秒間50~60コマ)で動く。
高画質だと30fps以下となるが、中画質なら普通にプレイ可能。
ただし、エルデンリング、ストリートファイター6 といったゲームは画質を下げても厳しい。
ディアブロ4 は低画質なら遊べないことはないが、快適とは言い難い。
ファイナルファンタジー14 はノート用の標準画質なら普通(スコア5100)で動作する。
3D描画のないゲームならCPUのシングルコア性能が高いため、むしろ快適に動作するが、いずれにせよゲームを動かすと高い負荷がかかるため、バッテリーがすぐに尽きてしまう。
コンセントに繋げていれば別だが、本機でゲームはあまり考えない方がいいだろう。
FF14はノート用画質なら普通に動作
モンハンライズは Iris Xe に最適化されているので中画質なら滑らかに動く
もちろん、一般の用途においては問題はない。
地図ソフトの3D描画ぐらいなら普通に行えるし、WEB会議や動画の視聴も快適に行える。
ストレージ(記録装置)とメモリ
ストレージ(データ記録装置)には が使用されている。
スティック型の小さく高速なSSDで、より速い第4世代 PCIe 対応品。
容量は 256GB、512GB、1TB、2TB から選択可能。
256GBはちょっと少ないので、+18000円となるが512GBをお勧めしたい。
なお、量販店モデル(カタログモデル)は容量512GBのみとなっている。
以下はベンチマーク(性能測定)ソフト Crystal Disk Mark で測った本機の NVMe SSD の性能だ。
標準設定での測定
NVMe SSD 設定の測定
今回使っている実機には Micron 2450 という製品の256GBモデルが使われていた。
速度性能より省電力性能を重視した、モバイル向けSSDのようだ。
テスト結果は読み込み 3600MB/s、書き込み 2000MB/s で、Gen3 クラスの性能。
Gen4 としては速い方ではないが、Micron 2450 の公称の書き込み速度は 1600MB/s なので、それより速度が出ていた。
512GB モデルなら書き込みの公称値が 3000MB/s
なので、もっと速くなると思われる。
ランダムアクセス(3段目)は、NVMe SSD の標準的な数値。読み込みはやや速い。
メモリは新型の省電力メモリである LPDDR5(LPDDR5-6000)が搭載されている。
現行最速クラスのもので 16GB か 32GB を選択可能。(CPU が Core i5 の場合は 8GB か 16GB)
基板に張り付いているオンボード型で、交換はできない。
2本のメモリにデータを分散して処理を高速化するデュアルチャネルで動作しており、メモリの性能に関しては非の打ち所がない。
総評
性能や機能について色々と述べたが、とにかく軽いのが最大の長所だ。
頻繁に持ち運ぶなら「世界最軽量」という特性はこれ以上ないものとなる。
毎日持ち運ぶ人や荷物を軽くしたい女性にとってはメリットが大きく、ここまで軽いとどこでも手軽に使うことができる。
一方で、最新の Core i7 や Core i5 の処理性能、14型という窮屈でないサイズ、仕事に向いた16:10の縦横比、豊富に用意された接続端子からは、ただ軽いだけでは終わらない、優れた使い勝手も備えようという意気込みを感じる。
富士通は意外と風変わりなパソコンを作ってきたが、なかなか評価に結びついていなかった。
しかしその開発力が、この世界最軽量モデルで結実している印象だ。
とにかく一番軽いのだから、軽量ノートパソコンが欲しいなら、間違いなく候補となる製品である。
・LIFEBOOK WU-X/H1
(LIFEBOOK UH シリーズ WEB通販 最軽量モデル)
形式:14インチ ノートパソコン
CPU:Core i7-1355U / Core i5-1335U
グラフィックス:CPU内蔵(Iris Xe)
メモリ:8GB / 16GB / 32GB(LPDDR5-6000)
ストレージ:256GB~2TB NVMe SSD(Gen4)
モニター:解像度1920x1200、縦横比16:10、sRGB100%
カメラ:200万画素、顔認証はオプション
サウンド:Dolby Atmos のイコライザー
通信:Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.1
モバイル性能:689g、バッテリー公称11時間(25Wh)
その他:指紋認証、付属ソフトウェア多数
価格:(Core i7、メモリ16GB、ストレージ512GB時)税込208,700円
※詳細は富士通 WEB MARTをご覧下さい。
※LIFEBOOK UH シリーズにはカタログモデル(量販店向け)とカスタムメイド(WEB販売)モデルがあります。
※最軽量ではない WU2/H1 はカラーや64Whバッテリーを選択可能で、キーボードはバックライト付きです。
※付属ソフトが最小限の FMV Zero はCPUが標準型で、キーボードバックライト、Thunderbolt4、64Whバッテリーを搭載し、重量は888gほどです。
※仕様・価格は時期により変更の可能性があります。