• 2022年末に発売された最新かつ最上級のパーツを搭載するゲーミングパソコン
  • CPU は Core i9-13900KF、ビデオカードは GeForce RTX 4090 という最強構成
  • 2023年の正月時点で、ゲーミングモデル「ガレリア」の最上位機
ドスパラ GALLERIA UA9C-R49 第13世代Core搭載

こんな人にオススメ!

  • 第13世代 Core と GeForce 4000 をいち早く欲しい人
  • 最先端のフラグシップモデルを手にしたいお金持ち
  • 宝くじが当たったプロゲーマー
このレビューは実機の貸出を受けて作成しており、リンクにはアフィリエイトが含まれています。
レビューは公正に、忖度なく行っております。

これが今の「最強」

まさか、このクラスの実機を検証することができるとは……

2022年の秋に登場したばかりの最新CPU「第13世代 Core」の最上位モデル Core i9-13900KF と、同じく新型モデル GeForce 4000 シリーズの最上位ビデオカード GeForce RTX 4090搭載する、紛うことなき現行最強のゲーミングモデル。
GALLERIA UA9C-R49 第13世代Core搭載」だ。

Dospara GALLERIA UA9C-R49 第13世代Core搭載

ドスパラのゲーミングパソコン GALLERIA(ガレリア)の中でも最高級に位置しており、その価格は標準構成で税込699,980円
もはやスネ夫か将棋王しか買えないお値段である。

本機に使われているパーツはフラグシップモデルと呼ばれる、メーカーが技術アピールとデータ収集を兼ねてコスパ度外視で開発している超高性能品であり、それをCPUとビデオカードの両方で採用している本機は、まさに最強機
ベンチマーク(性能テスト)は桁外れの結果となった。

そのレビューを、今回は先にパーツ性能からお届けしていきたい。

パーツ性能

処理性能(CPU)

本機が搭載する CPU は(2023年1月時点で)最新最上位の「Core i9-13900KF」。
2022年10月に登場した Intel 社の第13世代 Core、通称 Raptor Lake のひとつである。

Core i9 は Core i7 のさらに上に位置する最上級のものだが、非常に高額であり、一般向けの製品ではない。愛好家向けの特別なカテゴリと言える。
型番の「KF」は、性能調整が可能で速度重視の動き方をする「K」と、内蔵グラフィック機能を持たない「F」の両方を意味する。

第13世代 Core は第12世代の改良版であり、技術的に大きな変更はないが、設計の最適化によってコア数の増加、省電力性能の向上、キャッシュ(CPU内のデータ置き場)の拡大などが行われている。

第12世代 Core は高性能な「Pコア」と、省電力で低発熱な「Eコア」の複合構成だったが、これは第13世代 Core も同じ。
Core i9-13900K はPコア8、Eコア16で、Pコアは同時に2つの作業(2スレッド)を行えるため「24コア32スレッド」の CPU となっている。

Core i9-13900K, CPU-Z
※販売機には Core i9-13900KF が使われますが、試用機は Core i9-13900K だったため、上記のデータは後者のものです。 ただ、内蔵グラフィック機能の有無しか違いはありません。

公称のTDP(電力と発熱の目安)は 125W となっているが、近年のK付きCPUは温度が許す限りブースト全開で爆走するため、実質、投入電力に上限はない。

なお、Core i9 のみサーマル ベロシティ ブーストという、温度と電力に応じてさらにパワーを出す機能が追加されている。(ブースト上限が 5.7GHz から 5.8GHz に上がる)
ちなみにお値段は(2023年1月時点で)約10万円ほど。

以下はベンチマーク(性能測定)ソフト CINEBENCH R23 の測定結果と、主流のデスクトップ用CPUとの比較グラフだ。

Core i9-13900K, GALLERIA UA9C-R49, CINEBENCH R23

Core i9-13900K 測定結果

Core i9-13900K, GALLERIA UA9C-R49, CINEBENCH R23 測定中のGIFアニメ

測定中の動作の再現

・マルチコア性能(CINEBENCH R23、定格動作)

Core i9-13900K:38000

Core i9-12900K:25000

Core i7-12700K:22000

Ryzen 7 7700X:19000

Core i5-12600K:16500

Ryzen 7 5800X:14500

Core i7-12700:14000

Core i7-11700K:13500

Core i5-12400:11500

Ryzen 5 5600X:10500

Core i7-11700:9200

Core i5-11400:8000

・シングルコア性能(CINEBENCH R23)

Core i9-13900K:2260

Core i9-12900K:2000

Ryzen 7 7700X:1950

Core i7-12700K:1920

Core i7-12700:1900

Core i5-12600K:1870

Core i5-12400:1720

Ryzen 7 5800X:1580

Core i7-11700K:1550

Core i7-11700:1520

Ryzen 5 5600X:1520

Core i5-11400:1400

マルチコアの測定値は約38000
少し前まで第12世代 Core のK付きモデルで「ついに2万を超えたー!」と驚いていたのに、もはや4万近いスコアである。
グラフで見ても圧倒的な差で、第12世代の Core i9 の1.5倍以上を誇る。

シングルコアのスコアは約2260と、こちらもかなり高いスコア。
「第13世代 Core でもシングルコアは微増」と聞いていたのだが、第12世代 Core より 260 も高いのであれば、なかなかのパワーアップだ。

Intel 社は発売時に「シングルスレッド最大15%、マルチスレッド最大41%の性能向上」と発表していたのだが、ほぼその通りの数値である。

ゲームはシングルコア性能が影響し、マルチコアが有効に活用されるものは(現時点では)ほとんどない。
よってゲーミングモデルとしては、シングルコア性能の方が重要になる。

とは言え、パソコンでゲームだけする訳ではないだろうし、配信や録画をするなら同時に多くのソフトウェアを高速で動かせることが必要になる。
起動時間や Office、Photoshop などにも影響するし、両方が高いに越したことはない。

K付きCPUのため測定中のコア温度は88℃~100℃と高く、ケースファンもうなりを上げる。
測定開始当初のスコアは4万を超えるが、水冷クーラーの冷却液が徐々に温まって来るため速度は少しずつ低下し、10分計測した結果は38000ほどに落ち着く。
本機には大きめの水冷クーラーが付いており、冷却力は十分と思われるが、冷却性能によってもスコアは左右されるだろう。

ともあれ凄まじいパワーで、画面に表示される Cinebench の作業の様子が早すぎて笑える。

Core i9-13900K, CINEBENCH R23

Core i9-13900K

Core i7-12700K, CINEBENCH R23

Core i7-12700K

Core i7-12700H, CINEBENCH R23

Core i7-12700H(ノートPC)

測定中の投入電力は 200W~370W の間で、かなり大きく変動していた。
ここまで変動するCPUは初めてだが、例のベロシティブーストとやらの影響だろうか?
より細かい電力と温度の管理が行われているようだ。

なお、本機のマザーボード「ASUS PRIME Z790-P」の BIOS には、簡単にオーバークロックを試せる「EZ System Tuning」という機能が付いている。

せっかくのK付き最新CPUなので試してみたところ、Normal で 5.8GHz の最大速度が、Fast Tuning の設定で 5.9GHz、Extreme Tuning の設定で 6GHz にアップした。

ASUS EZ System Tuning

ASUSマザーボードの簡単OC機能
K付きCPUなら高速設定を選べる

Core i9-13900K(OC)

Tuning 機能を使って1周測定した結果

ただ、ノーマル設定でもコア温度は100℃になるので、変えたところで温度に応じたパワーに合わせられるし、測定中に Cinebench が落ちたりしたため(パソコン自体は落ちない)、あまり無理はさせない方が良さそうだ。
一応、温度に余裕があるシングルコアの測定は 2260 から 2330 にアップした。

温度の動きなどを見る限りでは、Intel の Core らしく、凄まじいパワーを出しつつも安全に配慮している感はある。

なお、2023年内に出ると言われている第14世代 Core になるであろう Meteor Lake は、Pコアの数が Raptor Lake(第13世代 Core)より減ると言われているので、Core i9-13900K がトップクラスに君臨する期間は長くなるかもしれない。

グラフィック性能(GPU)

本機はビデオカードに「GeForce RTX 4090」を搭載している。
2022年10月に発売されたPCゲーマー待望の、ようやく出てきた GeForce 4000 シリーズの最上位パーツだ。

ビデオカードは最初に最先端技術を駆使した超高性能機がロールアウトし、その実働データを元にしてコストを抑えた下位の主力機が開発されるという、ウォーターフォール型と呼ばれる開発方法が一般的だ。
GeForce RTX 4090 は GeForce 4000 シリーズにおける、その先行高性能機であり、要するにガンダムである。

GeForce 4000 は CUDAコア(中心的部分)、Tensorコア(演算・分析担当)、RTコア(光や映り込みを担当。レイトレーシング)の各コアと、DLSS(いい感じに絵をごまかして負荷を軽くする機能)がそれぞれ新世代となっている。
細かく言うとキリがないが、ざっくり言うと一通りパワーアップした。

また、NVIDIA は4K画質でのパフォーマンスが20~50%ほど、大幅に向上したとアピールしている。
ちなみに価格は(1月時点で)約30万円。相応のゲーミングPCがまるごと買えるお値段。

搭載されているビデオメモリは24GBで、さすがに大容量。
種類は現行最速の GDDR6X だ。(GDDR7 の噂もあったが、まだ開発中)

3DMark:TimeSpy で測定した3D描画性能と、各ゲームのパフォーマンス予測は以下の通り。

GALLERIA UA9C-R49, GeForce RTX 4090, 3DMark TimeSpy
※ゲームパフォーマンス予測の1080pは解像度1920x1080、1440pは2560x1440。
Ultra は最高画質設定であることを示す。

・3D Mark: TimeSpy(デスクトップ用)

GeForce RTX 4090:36000

Radeon RX 7900 XT:22000

GeForce RTX 3090Ti:21000

GeForce RTX 3080:17000

Radeon RX 6800:15000

GeForce RTX 3070Ti:14000

GeForce RTX 3070:13000

GeForce RTX 3060Ti:11500

GeForce RTX 3060:8500

GeForce GTX 1660SUPER:6000

GeForce GTX 1650:3600

GeForce GTX 1050Ti:2500

Iris Xe(CPU内蔵):1700

本機のグラフィックスコアは36000。もう圧倒的。
12月に出たばかりの Radeon RX 7900 XT や、同等の電力消費である GeForce RTX 3090Ti をはるかに超える性能で、現在のハイスペックビデオカードの代表格である GeForce RTX 3080 にダブルスコア以上の差をつけている。

あの重い TimeSpy の 3D ムービーを 200fps 以上で走らせている様は、もう笑うしかない。

GeForce RTX 4090, 3D Mark: TimeSpy

ゲームでの実速だが、「エーペックスレジェンズ」は解像度1920x1080はもちろん、4K画質(3840x2160)でも上限である300fps(秒間300コマ)に達してしまう。
もはや正常に測定できない状態で、動作環境が似ている「フォートナイト」も同様だろう。

「ファイナルファンタジー15」のベンチマークは高画質の解像度1920x1080でスコア22000、「非常に快適」の評価となり、さらに4K解像度(3840x2160)で測定してもスコア約15450の「非常に快適」の評価が出た。

以前に GeForce RTX 3070 で測定したときはスコア12700で、4K画質だと5650。
4K画質にすると約55%スコアが低下したのだが、GeForce RTX 4090 は4Kでもスコアが約30%しか下がっていない。
NVIDIA のアピール通り、4Kなどの高解像度でより高いパフォーマンスを発揮するようだ。

「モンスターハンターライズ」は高画質の戦闘中で 180~250fps。
およそ 220~240fps で動いていることが多く、240Hz の高性能ゲーミングモニターの性能を活かすことができる。
「龍が如く」シリーズも高画質で、ほぼ同じfpsで動作していた。

FF15ベンチ, GeForce RTX 4090, Core i9-13900K, GALLERIA UA9C-R49

FF15が4Kで「非常に快適」の時代へ

キムタクが如く

多くのゲームで200fpsが当たり前に出る

また、ここまで爆速だと爆熱なのではないかと思われそうだが、性能の割に発熱は少なく、3D Mark:TimeSpy の測定中のGPU温度は65度前後。
高負荷をかけると一時的に大きな音を出すことはあるが、すぐにおさまる。

上位のビデオカードとしては音は大きい方ではなく、本機だと CPU クーラーのラジエーターファンの音の方が目立つ。
大型クーラーのおかげだと思うが、GeForce 4000 世代となって発熱や騒音対策も改良されているようだ。

この素晴らしい総合性能を見ると、今後登場する GeForce 4000 シリーズの他のビデオカードにも期待せざるを得ない。

3D Mark: Port Royal

リアルタイムレイトレーシングは25000
4Kの TimeSpy Extreme は19000

3D Mark: Speed Way

新測定の Speed Way はスコア9900

なお、GeForce はゲーム(Direct X)メインのビデオカードだが、業務用のソフトに使われている Open GL の動作もチェックしてみた。

以下は Open GL 用のソフトウェアのベンチマークを行う「SPECviewperf 13」の測定結果と、Open GL 用ビデオカード「NVIDIA RTX A4000」との比較だ。

SPECviewperf 13, GeForce RTX 4090

GeForce RTX 4090(Open GL測定)

SPECviewperf 13, NVIDIA RTX A4000

NVIDIA RTX A4000(Open GL測定)

軽く動作する設計ソフト 3ds Max や、Direct X でも割と動く Creo、Maya といったソフトウェアは、GeForce RTX 4090 の方が速い。
特にアニメ製作などで多用される Maya は GeForce RTX 4090 の方が大幅に上で、有り余るパワーで属性を無視してぶん回し、高いスコアを出している。

ただ、3D CAD の Catia や医療系のソフトでは拮抗、自動車設計で使われる Siemens NX(snx)、機械設計用の SolidWorks(sw)は NVIDIA RTX A4000 の方が上だった。
まだ上位の GeForce 4000 シリーズだけで全部なんとかなる、とまではいかなさそうだ。

ストレージ(記録装置)とメモリ

本機の標準搭載のストレージは 1TB の NVMe SSD と、2TB の HDD となっている。
NVMe SSD は速度に勝る第4世代 PCIe(Gen4)の製品だ。

試用機に搭載されていたのは Micron 3400 という製品で、最近のドスパラのデスクトップPCに標準搭載されている Gen4 の NVMe SSD は、ほぼコレである。
そして、読み込み・書き込み・ランダムアクセス、すべての面で安定した高性能を誇る。

カスタマイズでサムスンやシーゲイト、ウエスタンデジタルの製品にして貰うこともできるが、その必要はない印象だ。

以下は試用機の NVMe SSD のベンチマーク(性能測定)結果だ。

GALLERIA UA9C-R49, CrystalDiskMark 標準測定, Micron 3400 NVMe SSD

標準設定で測定

GALLERIA UA9C-R49, CrystalDiskMark NVMe SSD用測定, Micron 3400 NVMe SSD

NVMe SSD 設定で測定

同じ Micron 3400 でも、マザーボードとの相性で速度にはちょっと差が出るが、本機の場合、読み込み速度 6700MB/s、書き込み 4600MB/s で、ほぼ公称通りの性能だった。
ランダムアクセス(3段目)は読み書き共に 約2600MB/s と、かなり優秀。

前述した通り全般的に優れた、欠点のない NVMe SSD だ。
特にゲームはランダムアクセスが重要なので、ここが優れているのは嬉しい。

そしてメモリは、最新型である DDR5 メモリが使われている。
DDR5-4800(PC5-38400)の16GBを2本、合計32GB搭載しており、2本のメモリにデータを分散して高速化するデュアルチャネルで動作。

DDR5 メモリはゲームにおいてはあまり恩恵がないと言われているが、これだけのハイスペック機でメモリが DDR4 はあり得ないので、当然の選択だろう。

ケースと内部設計

デザインとケース構造

ドスパラのガレリア(ゲーミングモデル)専用ケースには中型と大型とアルミの3種類があるが、本機にはもっともハイグレードなアルミケースが使用されている。
シルバーのアルミ部分にはかすれ模様のようなヘアライン加工が施されており、傷や汚れが目立ちにくく、金属特有の光沢がある。

アルミは熱を伝えやすいので、アルミケースは放熱性が高いと言われている。
効果を疑問視する人も多いが、水冷クーラーだとラジエーターの熱がケースに伝わりやすいので、相応の効果はあるだろう。

ブラックの前面パネルにはガレリアのロゴマークがあり、そしてスイッチを入れるとゲート型の LED ライトが灯る。
派手すぎないブルーのイルミネーションが無骨さをやわらげてくれる。

Galleria アルミケース外観

黒とシルバーのコントラストが美しい
普通のガレリアケースよりゴージャス

Galleria アルミケース 前面端子部と天井

ブルーのライトが大きなアクセント
天井には物を載せないように!

天井には大きな通気口があり、本機はここに2つの排気ファンが備わっている。
内部構造のところで詳しく説明するが、本機はここに水冷クーラーのラジエーターが張り付いているので、天井を塞いだりしないように。
側面にはのぞき窓があり、標準ケースで中が見えるのはPCファンには嬉しい。

前面上部にある接続端子は、4つのUSBとイヤホン/マイクジャック。
ナナメ上向きについており、どちらかと言うと床置きに向いた設計だ。
前面のUSBはすべて速度5Gbps(USB3.0)。

背面には8つの USB があり、うち1つは10Gbps(USB3.1)、1つは USB-C(20Gbps)になっている。
超高性能機だが、接続端子は普通と変わらない。有線LAN端子は 2.5Gb に対応している。

Galleria アルミケース 側面の窓

ガレリアは側面の窓も大きな特徴
反射のあるパネルには斜めのヘアライン

GALLERIA UA9C-R49 バックパネル

後部の端子は特に最新ではない
映像出力はHDMIと、Display Port3つ

ケースの高さは48cm、幅は22cmと、ミドルタワーの中では大きめ。奥行きは44cm。
超重量級のパーツが付いているが、アルミケースなので重さは約14kgと標準的だ。

内部構造と冷却

超ハイクラスのパーツが付いているため、中はなかなかにゴツい。

前面に2つの吸気ファンを備え、天井には水冷CPUクーラーの240cmラジエーターが張り付いており、それを2つの排気ファンで冷やしている。
さらに背面上部にも排気ファンが備わっており、ケースファンは実に5基。
しかも前面と天井のファンは冷却パーツメーカー「サイズ」の14cm大型ファンが付いていた。

ガレリアらしい強力な エアフロー(通気性)を持つが、これだけファンがあるので、CPUが高負荷になったときの動作音はやはり大きい。
ただ、このパワーのマシンだと静音性には妥協が必要だろう。

Galleria エアフロー

ガレリアのエアフロー公式図

GALLERIA UA9C-R49 CPU周辺

天井に冷却液を冷やすラジエーターが
ケース幅が大きいのでファンも大型

CPUクーラーはデンマーク Asetek 社の OEM(企業納入用)製品。
水冷では定番のメーカーで、品質は良いはずだ。

そしてビデオカードは台湾の老舗 Palit 社の「GeForce RTX 4090 GameRock OC」。
この大型ケースをもってしても横幅はギリギリで、厚さも3スロットを占有する巨大な製品だ。
もはやビデオカードではなく、ビデオブロックである。

重さもかなりありそうだが、本機のケースにはリジッドカードサポートという固定具があり、これでがっちりホールドされているため脱落や接触不良などの危険はない。

GeForce RTX 4090 は公称450W、最大600Wという非常に大きな電力消費を持つため、従来の電源ケーブルは使えず、「12VHPWR」と呼ばれる新規格のケーブルを使用する。
ただ、12VHPWR のケーブルは価格が高く、電源ユニット側も対応していなければならない。

そのため互換アダプタが用意されており、本機はそのアダプタに3本の電源ケーブルを繋げて電力を供給している。
電力面から見てもモンスターである。

GALLERIA UA9C-R49 の GeForce RTX 4090

凶器になる大きさの巨大ビデオカード
支柱にしっかり固定されている

GALLERIA UA9C-R49 の GeForce RTX 4090 の 12VHPWR互換アダプタ

補助電源は3本を1本に束ねる力技
下に見えるのは HDD/SSD の固定具

なお、Palit GeForce RTX 4090 GameRock OC には、万華鏡とも称されるきらびやかな LED イルミネーションが付いている。
しかし本機に搭載されているものは、まったく光らなかった。
本来なら付いているはずの LED 制御用ケーブルも繋がっていない。

マザーボードがこのビデオカードのライティング機能に対応していないのだと思われるが……
ともあれ、ここは正直残念だった。
どのみちこのケースだと、鏡でも仕込まないと万華鏡ライトはほとんど見えないのだが。

ビデオカードがあまりに極太なので、使える拡張スロットは M.2 スロットが1つと、PCIe x16 スロットが1つのみ。
かろうじて NVMe SSD の増設は可能だ。

また、ケース下部の電源ユニットカバーの上に HDD/SSD を設置できるマウント(固定具)が2つ備わっている。
本機は標準でHDDが1つ付いているため、一方は埋まっているが、もう1つ追加可能だ。

GALLERIA UA9C-R49 ビデオカード下の拡張スロット

ビデオカード下。M.2スロットが使えてよかった。1つはカード裏に隠れている

GALLERIA UA9C-R49 裏面

コードが押し込められている裏側
電源の真下には吸気口がある

コードの多くはマザーボードの裏側に回されており、いわゆる裏面配線になっている。
ちょっとコードが多くて裏側にはゴチャゴチャ感があったが、コードは種類別に結束バンドでまとめられていた。

電源ユニットは 1000W の 80PLUS PLATINUM のものが使われている。
非常に高品質であり、そしてパーツ構成を考えると、このレベルでないと不安である。
ここまで出力が高いと動作不良が起これば発火しかねないからだ。

ともあれ、このモンスターマシンに耐えられる電源であり、そして本機は他の電源に変えることはできない。

総評

2023年は第13世代 Core と GeForce 4000 シリーズ普及の年となるだろう。
それをいち早く体験できて、個人的に嬉しかった。

性能については、どちらも予想以上である。
第13世代 Core は第12世代 Core の強化版であるため、新技術にありがちな不安要素がなく、間違いない高性能を発揮してくれる。
そして GeForce 4000 シリーズは開発に時間をかけただけあって、さすがの完成度だ。
双方とも前世代を大幅に越える性能向上を果たしている。

本機はフラグシップモデルのパーツが使われているため、その性能は圧倒的であり、それが当たり前と言えるのだが、今後発売されるメインストリーム(売れ筋製品)についても、かなり期待できそうだ。

ともあれ、本機の性能はすごい。すごく。
この値段だとさすがにオススメとは言えないが、しばらくは CPU やビデオカードの開発は中位から下位の製品が中心になるだろうから、当面はこれが「最強」だろう。

GALLERIA UA9C-R49 第13世代Core搭載

GALLERIA UA9C-R49 第13世代Core搭載

ケース:デスクトップ(ミドルタワー、アルミ製)
CPU:Core i9-13900KF (第13世代、24コア32スレッド)
グラフィックス:GeForce RTX 4090(24GB)
メモリ:32GB(DDR5-4800、16GBx2)
ストレージ:1TB NVMe SSD(Gen4)+2TB HDD
電源:1000W(80PLUS PLATINUM)Enhance製
その他:水冷CPUクーラー、ケースファン5つ
価格:税込699,980円

※詳細はドスパラ公式サイトをご覧下さい。
※仕様・価格は時期により変更の可能性があります。

執筆:2023年1月1日