パソコンを買うときは、それで何をしたいのか、どんな風に使うのかを考えましょう。
会社で使う、学校の授業で使う、カフェや営業に持って行くのであれば、軽くて持ち運びやすいモバイル(携帯向け)ノートパソコンが良いです。
ずっと自宅で使うのであれば、デスクトップ(据え置き型)の方が、性能の高いものを安く買うことができます。
でも、ベッドの上や、異なる部屋で使いたいなら、一般向けのノートパソコンが良いでしょう。
ゲームをやる人は、必要な性能が備わったゲーミングモデルから選ばなければなりません。
ノートパソコン
持ち運びが可能ですぐ使える
デスクトップパソコン
大きいけど費用対性能が良い
「初心者なのでよく解らない」「とりあえず使ってみたい」という方は、初心者向けのパソコンを、サポートの厚いメーカーから買うのが良いでしょう。
最近のパソコンには以下のようなタイプがあり、それぞれに長所と欠点があります。
パソコンの「形状」の種類
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デスクトップパソコン
据え置き型のパソコンです。
大きなパーツが使え、構造が簡単で、発熱対策などもしやすいため、ノートパソコンよりも安くて高性能です。
ただ、別途モニター(画面)やキーボード、マウスなどが必要になります。
長所:価格が安め。性能が高め。パーツの選択(カスタマイズ)に対応している場合が多い。
短所:持ち運べない。大きくて置き場所が必要。別途モニターや接続コードが必要。
お勧め:パソコンを持ち運ばない人。性能重視の人。 -
ノートパソコン
持ち運びができるパソコンです。
手軽に扱え、学校や仕事で要求される場合も多いです。
性能に加え、携帯性(重さ、大きさ、バッテリーの持続時間)と耐久性も重要になります。
設計が難しく、小型化と軽量化、省電力化も必要なため、デスクトップパソコンより割高です。
長所:持ち運べる。置き場所に困らない。
短所:デスクトップより費用対性能が低め。外では充電が必要。
お勧め:パソコンを持ち運ぶ人、好きな場所で使いたい人。 -
モバイルノートPC
ノートパソコンのうち、携帯性を優先したものをモバイルノートと言います。
14型以下の小型サイズで、軽量薄型、バッテリーが長持ちのものが多いです。
ただしその分、性能は低めで、軽量の特殊素材が使われていることが多いため価格も割高です。
長所:とても持ち運びやすい。
短所:性能が低い。(軽量・低発熱・省電力優先)
お勧め:営業職や学生など、頻繁に持ち出す人。 -
大型ノートPC
16型以上のノートパソコンは大型ノートとされます。
あまり動かさず、据え置き型に近い使い方を想定していますが、それでもいざと言うときに動かせるのは便利です。
外出先で使うのには向きませんが、15型以上のノートパソコンはテンキー(電卓型のキー)を持つものが多いため、数値入力しやすく、事務で使うのには向いています。
長所:大画面とテンキーがあり作業しやすい。
短所:持ち出しにくい。デスクトップほどの性能ではない。
お勧め:事務職。高齢者。あまり移動させない人。 -
モニター一体型
モニターの中にパソコンの機能を内蔵したもの。
据え置き型ですが、画面だけなので置き場所に困りません。
モニターの接続も要らないため初心者向きです。
しかし機器を詰め込んでいるため性能は低く、価格も割高です。
ただ、画質や音質に優れたものが多いです。
長所:場所を取らない。設置が簡単。
短所:持ち運べない。費用対性能が低い。
お勧め:初心者。高性能を必要としない動画視聴が中心の人。 -
タブレット
iPad で有名になった板型のパソコンです。
とても手軽に使えますが、通常キーボードは付いておらず、性能も限られています。
また、多くのタブレット(iPad や Android)はパソコンのソフトウェアを使えないため、出来ないことが多いです。
パソコンと言うよりはスマホの大きなものです。
長所:お手軽。スマホと同様のことを大画面で行える。
短所:本格作業には向かない。充電が必要。
お勧め:ベッドやソファーなどでネットや動画を見たい人。 -
2 in 1
ノートパソコンとタブレットを兼用する、新しいタイプです。
普段はノートパソコンですが、モニターを外したり、キーボードを裏側に回したりして、タブレットとして使うこともできます。
ただしモニターを外すタイプ(セパレート型)は、タブレットとほぼ同じなので性能は限定的。
キーボードを裏側に回すタイプ(コンパーチブル型)は、タブレットとして使うには重いです。
パソコン(Windows)のソフトウェアを使えるものが多く、iPad や Android タブレットよりは出来ることが多いです。
長所:ノートPCにもタブレットにもなる。
短所:性能が低く、価格も割高。
お勧め:パソコンのソフトが使えるタブレットが欲しい人。 -
スリムタイプ
デスクトップのうち、本体が小型で細長いものをスリムパソコンやスリムモデルと言います。
小さい分、使えるパーツに制限があり、大型機ほど高性能ではありませんが、安い製品が多いです。
デスクトップ同様、別途モニターが必要です。
長所:大型のものより置きやすい。価格が安め。
短所:持ち運べない。モニターが必要。
お勧め:そこまで高い性能は必要ない人。
パソコンの「用途」の種類
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個人向け / 一般向け
一般の人が趣味で使うことを考えて作られたパソコンです。
仕事にも使えますが、多様な用途で使えるよう、平均的な機能を備えているのが普通です。
ただし、ゲームには向かないものが多いです。
汎用のスタンダードモデル、家族での使用を想定したもの、大学生や若手社会人向けのノートパソコンなどがありますが、価格が安めなものが多いです。
デザインを重視した製品もあります。 -
ビジネスモデル
ビジネスでの使用を考えて作られたパソコンです。
ノートパソコンの場合、小型で軽量、耐久性が高く、機密を守るためのセキュリティが備わっているものが多いです。
法人向けのビジネスモデルは大量購入しやすいよう、安価に作られています。
書類の作成やメールの確認などができる、最低限の機能があれば良いので、性能はあまり高くないものが多く、映像やサウンドの機能は軽視されています。
通常、デザインも重視されません。
逆に個人向けのビジネスノートは高級品が多く、特徴的な機能を備えているものも見られます。 -
ゲーミングモデル
美しい映像(3Dグラフィック)の最新ゲームをプレイするには、高い性能と、高度なグラフィック能力が必要になります。
そのためゲーム専用のパソコンが1つの種類になっています。
具体的には、ビデオカード(グラフィックボード)と呼ばれるグラフィック機能専用のパーツを備え、それを安定して動かすための電力と冷却能力を備えたパソコンです。
最近はノートパソコンのゲーミングモデルも多いですが、重量・サイズ・バッテリー消費が大きいため、ノートとしての携帯性は犠牲になります。
ゲーム用と言っても基本的に高性能パソコンなので、他の作業も一通りできますが、価格は高め。
ゲームユーザーの目に付く、ハデな装飾の製品も多いです。 -
クリエイターモデル
写真加工やイラスト制作、動画編集など、創作作業向けに作られたパソコンです。
高いグラフィック能力を持ち(ビデオカードを搭載しており)、多くの写真や映像をまとめて扱える豊富なメモリを持ちます。
作業用の機材やソフトウェアの動作保証が付いている場合があり、ノートPCの場合は発色の良さも重視されます。
中身がゲーミングモデルと似ているため、ゲーム用のパソコンが得意なメーカーは、クリエイターモデルも得意です。
設計(CAD)やCG作成などに使われる、企業向け高性能モデルは「ワークステーション」とも呼ばれます。 -
エントリーモデル
低価格・低性能な製品を、最近はエントリーモデルと呼びます。
本来は「初心者向け」という意味ですが、もっぱらコストダウンした製品に使われています。
機能の一部を省いたり、旧型のパーツを使ったり、安くする方法は様々ですが、基本的に一般向けの下位モデルです。
初心者向けの製品と言うよりは、初心者でも買いやすい価格という意味なので注意して下さい。
「初心者は高性能があっても使いこなせないから」という考えの製品ですが、性能が低すぎて中級者以上でないとうまく扱えないものも少なくありません。
この「形状のタイプ」と、「用途別の種類」を組み合わせて、自分に必要なパソコンを考えると良いでしょう。
「オフィスに持っていく」ならビジネス用のノートパソコンを。
「外では使わない。それより高い性能が欲しい」なら一般向けのデスクトップを。
「カフェや学校などで使いたい」なら個人向けのモバイルノートや 2in1 が良いです。
「ゲームを快適にプレイしたい」ならゲーミングモデルですね。
「よくわからん。そんな高性能とかいらん。初心者でも使えるやつ!」なら、モニター一体型にする手もあります。
困るのは「ノートが良いけど高性能で安いやつ!」とか「ゲームを快適にできる持ち運びしやすいノート!」みたいな相反した要望。
(高性能なノートは安くありません。ゲーミングノートは一般的に重くて大きいです)
でも、それはそれでも良いでしょう。
理想を持った上で、それにできるだけ近いものを選ぶのが後悔しないコツです。
これを決めた上で、「その分野が得意なメーカー」を選ぶことになります。
これについては、次の「メーカーを選ぼう」のページをご覧下さい。