• 2021年 春モデルのNECの13.3型ノートパソコン
  • 徹底的な軽量化が施された、最軽量クラスのモバイルノート
  • 2021年モデルはCPUも最新世代になり性能が向上。ユニークな独自機能も満載

こんな人にオススメ!

  • 頻繁にパソコンを持ち歩く方
  • 女性、および少しでも軽いノートパソコンを求めている方
  • 多少高くても機能性やセキュリティを重視したい方

NECの技術と工夫の結晶

2012年、軽量薄型パソコンがウルトラブックと呼ばれて注目されていた頃……
NECは世界最軽量をうたう、脅威の875gという超軽量ノートパソコン Lavie Z を公開した。

素材レベルからの研究開発、徹底的な軽量化を施したキーボードや基板など、NECの技術の粋を集めた製品で、大きな話題となる。
その後も懸念であった堅牢性の改善と共に、更なる軽量化が進められてきた。
私もパソコンの展示会などで、開発者の方から「1gを削り出すための努力と苦労」を何度も聞いてきた。

LAVIE Pro Mobile(PM)」は、そんなNECがリードする超軽量ノートPCの最新型だ。
標準バッテリーを用いた場合の重量は、2021年の春モデルで、ついに842gに達した。

実は世界最軽量の座は、激しい開発競争の末、富士通に奪われている。(富士通は634gに突入)
だが、NECはここに来て超軽量と多機能の両立を目指し始めた。

本機は標準バッテリーでも公称15時間という長時間駆動で、顔認証やのぞき見防止などの豊富なセキュリティ対策を持つ。
オンライン会議に合わせたマイクやスピーカーの調整も可能で、キーボードも高品質、CPU も最新の第11世代 Core を導入し、主力ノートと変わらない処理性能を持っている。
もちろんNECらしい初心者サポートも健在だ。

技術的フラグシップなモデルであるため、価格は安くはない。
今回お借りした上位のカスタマイズモデル(Core i7-1165G7、メモリ16GB、SSD 256GB)は税込み212,080円 だ。

ただ、その機能性を考えれば、決して高すぎるモデルではないだろう。
以下、お借りした実機での使用感をお伝えしていきたい。

なお、LAVIE Pro Mobile は正確にはカタログモデルと呼ばれる店頭販売品の名称だ。
NEC の WEB サイト(NEC Direct)で販売されているカスタマイズモデルは LAVIE Direct PM と呼ばれており、基本的には同じだが、バッテリーやデータ記録装置にはカスタマイズモデルでないと選べないものがある。

レビューにはその違いも含めているので参考にして欲しい。
※LAVIE Direct PM(X)はかなり異なる別の13.3型ノートなので注意。

外観

デザインと側面端子

やや角張った四角い天板で、中央には鏡面に輝く LAVIE のマークがある。
表面には粗い粒子状の加工が施されており、サラサラと言うより、ザラザラとした触り心地だ。

本体カラーは4色用意されており、今回の試用機はメタルグレーという黒に近い色だったが、これはカスタマイズモデル(Direct PM、WEB販売型)限定のカラーだ。

他にネイビーブルー(紺)、クラシックボルドー(赤茶)、フレアゴールド(象牙)があるが、構成によっては選べない色もある。

NEC LAVIE Direct PM 天板(メタルグレー)

メタルグレーの天板。ほぼ黒
強めの粒子加工で指紋が付かない

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM カラーバリエーション

カラーバリエーション
カタログモデルは黒以外の3色

なお、一部の色だけ品切れだったり、逆に品切れ表示でも色によっては予約可能だったりするので、WEB購入の場合はとりあえずカスタマイズ画面で確認してみよう。

LAVIE PM の素材と構造は度々変化しているが、2021年モデルは人工衛星やF1マシンにも使用されている軽量・硬質な炭素素材を多重に重ねた「積層カーボン構造」となっている。
加圧試験と落下試験が繰り返されており、軽量薄型のボディーながら、十分な耐久性を併せ持つようだ。

表面が薄い樹脂素材で覆われているため、表面的な質感はプラスチックだが、持ってみると曲がったりペコペコしない金属的な硬度を感じる。

重量はすでに述べたように、最軽量で842g。
もし実機に触れられる機会があったら、ぜひ両手で持ち上げてみて欲しい。
その軽さに驚くはずだ。私は最初、笑ってしまった。

ただ、842gはWEB販売用のカスタマイズモデル(Direct PM)で標準バッテリーを選択した場合のもので、構成によって変わる。
カタログモデル(店頭販売品)は大型バッテリーなのもあって、Core i7 を搭載した上位機だと 955g~972g と、飛び抜けて軽い訳ではない。(Core i5 搭載機だと 889g)

正直、当機は「軽くてナンボ」だと思うので、私的には WEB 購入で標準バッテリー(リチウムイオンバッテリーM)を選択するのを薦める。

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM 外観

LAVIE PM / Direct PM の全景
キーの色は本体カラーに準じる

NEC LAVIE Direct PM を片手で持ったところ

片手でひょいっと持てる軽さ
試用機は実測で830g程だった

サイズは昨今の13.3型ノートPCとしては標準的で、横30.7cm、縦21.6cm。厚さは16.7mm。
A4サイズに近く、A4の書類が入るバッグなら一緒に入れられるだろう。

側面端子は、右側に USB3.1(速度10Gbps)とHDMI端子、イヤホン/マイク兼用ジャックが。
左側面には2つの USB-C 端子とカードリーダーがある。
薄型モデルであるため端子の数は少なめで、有線LAN端子はない。

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM 側面端子と寸法

ただ、少ない端子を USB-C でカバーする工夫が見られる。
2つの USB-C 端子のうち、一方は追加機能のない USB3.1(速度10Gbps)だが、もう一方は USB3.0(速度5Gbps)である代わりに、充電/給電可能な PD(パワーデリバリー)と、映像出力が可能な ALT(オルタネートモード)の双方に対応している。

本機の充電はこのPD対応USB-Cで行うようになっており、付属のACアダプタなら1時間で80%の急速充電を行える。
加えて15W以上の出力がある市販のモバイルバッテリーでも充電できるため、外出先でも補充しやすい。
パソコンのバッテリーを使ってスマホの充電もできる。(パソコン側の電源を入れる必要あり)

また、USB-C と Display Port の変換ケーブルを使えば映像出力も可能。
HDMI端子と合わせて、合計3画面でのマルチモニター作業も行える。

有線LANが必要な場合は、USB-C をLAN端子として使えるアダプタが Amazon などで売られているので、それで対応しよう。
USBがすべて3.0以上なので、通信速度については問題ないはずだ。

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM マルチディスプレイ

USB-Cの一方は多機能、映像も出力可

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM 大きさ比較

A4とセミB5ノートとの大きさ比較

無線通信は最新の Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)に対応。
別途契約が必要だが、LTEモジュールを追加してモバイル通信でのネット接続も可能だ。
Bluetooth 5 も内蔵されており、ワイヤレスのイヤホンやマウスを活用できる。

モニターとカメラ、サウンド

画面には13.3インチでノングレア(非光沢)のフルHD液晶モニターが使われている。

発色が良く、色のコントラスト(濃淡)もはっきりしており、高品質なのが見て取れる。
また輝度センサーが付いていて、周囲の明るさに応じてモニターの明度を自動調整してくれる。

モニターのヒンジは180度、ぺたんと平らになるまで開くことができ、好みの角度で使え、多人数で画面を見ることもできる。
この仕様のため、モニターには視野角の広いIPS液晶が使われており、どの角度から見ても綺麗に表示される。
モバイルノートということで、グループワークも考慮されているようだ。

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM モニター

NECは表示の美しさには定評がある

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM 180度開閉ヒンジ

会議や商談に適した水平開きヒンジ

カメラの画質は一般的な100万画素だが、顔認証を始め、豊富なセキュリティ関連の独自機能を利用できる。
これについては後述するセキュリティの項で触れたい。

マイクはモニター上部に2つ付いており、周囲の雑音を抑えて音声を拾いやすくする「ノイズスプレッサー」、部屋の残響を抑える「ルームエコー抑制」といった機能を利用できる。
実際に試してみたが、特にノイズスプレッサーの効果は大きく、近くの空気清浄機の音がマイクに入らなくなった。

スピーカーも会議向けに、音声を正面に集中させる「パーソナルモード」と、逆に周囲に聞こえやすくする「マルチユーザーモード」が用意されていて、若干だが音の広がり方を変えることができる。

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM オンライン会議サポート機能

オンライン会議の補助音声機能。ノイズ軽減は会議モード時に自動で働く模様

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM カメラとマイク

マイクはモニター上部の側面に、上向きに付いている。ちょっと気付き辛い

左右底面にあるステレオスピーカーの音質は、ボーカルに広がりを感じる、良質なサウンドの印象だ。
ただ、NECのノートパソコンらしい軽めの音で、低音は弱い。

しかし本機にはYAMAHAの音質調整ソフト(Audio Engine)が入っており、好みの音に変えることができる。
意外と大きく音質を変えられ、重厚な音にすることもできるため、気に入ったサウンドを見つけることができるだろう。

Yamaha Audio Engine 音質設定
※音響設定。個人的には Music か Cinema で、全項目最大にするのが好み。かなり厚い音になる。

前述したオンライン会議用の補助機能も、このYAMAHAのソフトウェアによるものだ。
YAMAHAがNEC向けに用意したハイレゾオーディオプレイヤー(HiGrand Music Player)も利用することができる。

セキュリティとサポート機能

本機にはカナダの Mirametrix 社が開発したセキュリティ機能「Glance」が導入されている。
フェイスカメラを利用したとてもユニークな機能なので、使用感を含め、まとめて紹介したい。

  • スマートロック

しばらく離席したときに自動でロック画面に移行するか、画面をオフにする機能。
少しのつもりで長く席を空けてしまっても、パソコンが作業画面のまま放置されずに済む。

  • スナップウィンドウ

マルチディスプレイの拡張表示時(複数の画面を大きなデスクトップとして使うとき)に有効。
ウィンドウのタイトルバーをクリックしたまま、別の画面に顔を向けると、その画面にウィンドウが瞬時に移動する。
複数画面での作業時にはとても便利だ。

  • スマートポインター

マルチディスプレイの拡張表示時に、顔を向けた画面にポインター(カーソル)を瞬時に移動させる。
目線を変えた程度ではダメだが、少し首を動かせば機能してくれる。
これも使い慣れれば便利な機能だ。もちろん普通にポインターを動かして移すこともできる。

  • スマートディスプレイ

画面を見ていないとき、表示を自動でぼやかせる機能。
のぞき見される心配が減って安心感を得られるだろう。
マルチディスプレイのときに、見ていない方の画面をぼかすこともできる。

Glance 設定画面

Glance の設定画面
スイッチで機能ごとに ON/OFF できる

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM, Glance スマートディスプレイ

見てない画面を自動保護、顔を向けるだけでカーソルもワープ。近未来感がある

  • プライバシーアラート

他人からの覗き込みを検知したとき、画面に警告マークを表示する。
カフェなどで使うときに安心できるが、使い始めの頃は誤検知も多い。
場所によっても精度は変わって来ると思われる。

  • プライバシーガード

他人からの覗き込みを検知したときに、画面をぼかす機能。
この機能はプライバシーフィルター搭載機の場合は、それを自動で ON/OFF にする。
プライバシーフィルターがない場合は画面全体をぼやかせる。
誤検知があると作業の邪魔になるため、使えるかは状況次第。

  • プライバシーフィルター

これは Glance の機能ではなく、Lavie PM 自体の機能。
ON にしていると正面以外からは画面がほとんど見えなくなる機能で、本機の場合、利用したいなら搭載モデルを購入する必要がある。

今回試用したのは非搭載機だったため使用感はわからないが、画面の端の方が見にくくなるなどの意見があり、巷の評判はあまりよろしくない。
また、プライバシーフィルターを搭載するにはバッテリーを大型にする必要があり、重量も増してしまう。
価格も高くなるため、覗き見は防止できるが、デメリットもある。

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM, Glance プライバシーアラート

見られているぞアラート
左後方に人がいる時は左側に出る

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM, Glance プライバシーガード

そしてぼかして見られなくする
ただ、誤検知されると……

これらを活用すればカフェやオフィス、学校などで使う際でも、のぞき見される心配が減って安心できる。
特に仕事で使う人、機密性の高い書類を扱う人は注目だろう。
ただ、フェイスカメラを使う機能のため、バッテリーの消耗は少し増える。

他にも、目や腰の疲労を警告するデジタルウェルネス、ビデオ会議のための補助機能(自撮りの子画面表示、離席時のマイクオフ、マイクオフのまま話したときの警告)も含まれている。

また、本機には顔認証が搭載されており、カメラを見るだけで Windows にログインできる。
コロナ禍の昨今、顔認証はマスクを外さないといけないのが難点だが、パスワードを打つよりも手軽で、セキュリティも安心だ。

顔認証動作中
※顔認識中。カメラ作動ランプが灯る。

また、NECのノートパソコンならではのサポート機能と、豊富なソフトウェアについても記載しておきたい。

起動当初は「はじめの設定」と呼ばれる、更新プログラムやブラウザの設定解説ソフトが起動する。
更新プログラムは「LIVIE Wiz」と呼ばれるソフトで案内が行われ、懇切丁寧にパソコンの使い方を説明してくれる「LAVIE アプリナビ」も同梱。
バッテリーの設定なども「LAVIE かんたん設定」でわかりやすく教えてくれる。

やはり初心者向けのガイドの点で、NECに勝るメーカーはない印象だ。

LAVIE アプリナビ

LAVIE かんたん設定

古くからパソコンを使っている人の中には、NECのパソコンには不必要なソフトが満載されていて、デスクトップには広告が並び、消すのが面倒なイメージを持っている方もいると思う。
だが、近年はそうしたものは減り、最初から入っているのは実用的なソフトに絞られている。

また、WEB購入なら「標準ソフトウェアパック」と「ミニマムソフトウェアパック」を選択でき、ミニマムなら最低限のものしかインストールされない。

試用機はミニマムパックであったため、デスクトップにはゴミ箱とブラウザ以外には、ウイルスバスターのアイコンしかなかった。
ミニマムパックでも前述のサポート用ソフトやDVD再生ソフト、ノート作成用アプリなどは備わっている。

スタートメニューやブラウザの「お気に入り」には、最初から Amazon や U-NEXT などの他社サービスへのリンクが含まれているが、活用ガイドで紹介されているためのようだ。
これは不要なら削除の必要があるが…… 定番のサービスがそろっているため、初心者にはむしろ役に立つだろう。

キーボード

本機はキーボードもしっかり作り込まれている印象だ。
ボタンのようなキーは「重い→軽い→重い」という3段階の抵抗を感じさせる作りになっており、かなり強めの反発を感じる反面、ポチポチという小気味良い感触がある。
キーストローク(キーの深さ)は1.5mmと深くはないが、このしっかりした反発のおかげで板を打っているような感覚はなく、指に来る衝撃もソフトだ。

テンキーはないが、キーの間隔は一般的な19mmで、大きさも十分、いわゆるフルサイズのキーボードであり、13型ノートPCでありながら窮屈に感じることはない。

また、キー表面に少し凹みがある「シリンドリカル キートップ」になっており、指にフィットしやすくなっている。

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM キーボード

強めの打鍵感があるキーボード

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM シリンドリカルキートップ

高級感のある凹型キートップ

キーボードの左右のすき間が狭く、幅いっぱいまでキーが配置されているのも本機の特徴だ。
おかげで13.3インチでありながら余裕のあるキーサイズになっており、一部のキーはむしろ通常より大きい。

昨今の NEC のパソコンは一番左下に FN キーがあり、そのとなりに CTRL キーがある。
通常とは逆であるため、CTRL キーの誤操作を心配する意見が見られるが、これはキーボードの幅が大きめで、CTRL キーを端に置くと英字キーとの距離が離れすぎてしまうためのようだ。

寸法的には CTRL キーの位置は一般的なキーボートとほぼ同じで、実際に使っていても使い辛さを感じることはなかったので安心して欲しい。

ただ、富士通のパソコンなどはキーボード幅が大きくても端に CTRL キーを置いており、そちらに慣れている人だと違和感があるかもしれない。

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM の本体端とキーボードのすき間

キーと本体端のすき間は7mmほど
Ctrlが内側なのは他のNEC機も同じ

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM Enterキー周辺

妙にデカいEnterがちょっと笑う
カーソルキーは2行分あり使いやすい

キーを光らせるバックライトは備わっていないが、無理に必要なものでもないだろう。

タッチパッドは高精度で、自然な操作が可能とアピールされており、3本指や4本指によるジェスチャー操作にも対応している。

ただ、普通のプラスチックの触り心地で、操作性は問題ないのだが、もうちょっと感触が良ければ…… と思ったのも本音だ。
だが、これこそが「自然な」感じなのだろうか?
ボタンとスライド部分は一体化しており、押せる範囲は広い。

なお、本機は画面を開くとヒンジ部が少し持ち上がり、キーボードに傾斜が付いて、打ちやすい角度にしてくれる。

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM タッチパッド

感触は普通だが、指が動きやすく、操作はしやすいタッチパッド

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM 起き上がりヒンジ

開くと起き上がるヒンジ。ここの作りもしっかりしている印象

パーツ性能

処理性能(CPU)

パソコンの処理能力は CPU で決まる。
(2021年 春モデルの)LAVIE Pro Mobile と Direct PM には、上位型の Core i7-1165G7搭載したモデルと、中間型の Core i5-1135G7 を搭載したモデルがある。

どちらも2020年末から普及した最新型「第11世代 Core」で、俗に「Tiger Lake」と呼ばれている、消費電力と発熱の少ないノートパソコン向けの新設計タイプだ。

以下は性能測定ソフト CINEBENCH R23 で、Core i7-1165G7 搭載機を調べた結果だ。

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM, Core i7-1165G7 15W, CINEBENCH R23

Multi Core はたくさんの作業を同時に行う速度、Single Core は作業1つあたりの速度になる。
ただ、Office や Photoshop などの大手ソフトは分散作業に対応しており、どちらも関係する。

第11世代 Core の大きな特徴は、シングルスレッド(単一作業)に優れることだ。
第10世代 Core はかなり上位の製品でも 1200 辺りが最大だったが、本機は 1300 近いスコアを出している。

一方、Tiger Lake は同時処理数が少なく、マルチスレッドの性能はあまり高くない。
加えて本機は消費電力と発熱をさらに抑えるため、控えめなパワー設定にしているようだ。
そのためマルチスレッドは約3600と、Core i7としては物足りないスコアになっている。

とは言え、シングルスレッド性能で補っているし、新型 Core i7 はキャッシュ(CPU内のデータ置き場)も高速かつ大きいため、一般的な作業で困ることはないはずだ。

モバイルノートとして不足なく活用することができるだろう。


以下は難しい話になるので、意味が解らない方は読み飛ばして欲しい。

Core i7-1165G7 と Core i5-1135G7 はどちらも4コア8スレッドのCPUで、4つの頭脳で8つの作業を同時に行うことができる。

速度の目安となるクロック数は、Core i7-1165G7 は基本2.8GHz、最大4.7GHz。Core i5-1135G7 は基本2.4GHz、最大4.2GHz。

ただし Tiger Lake はメーカー側で TDP(消費電力と発熱量)を設定することが可能で、これにより性能が変わる。

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM, CPU-Z, Core i7-1165G7

上記の CPU の性能表記で Max TDP は 28W となっているが、本機は 12W~15W に設定されているようだ。
この時の動作速度は 1.2GHz~1.7Ghz で、温度が高まると処理性能はこの範囲に制限される。
マルチスレッドの速度が Core i7 としては低めなのは、ここが影響していると思われる。

ただ、本機は堅牢性重視のためか通風口が小さく、冷却し辛い構造だと思われる。
バッテリー駆動時間や静音性、冷却に必要な重量も考慮して、この設定にしてあるのだろう。

グラフィック性能(CPU内蔵)

2021年モデルの LAVIE Pro Mobile / Direct PM が搭載する Core i7-1165G7 と Core i5-1135G7 は「インテル Iris Xe グラフィックス」と呼ばれる内蔵グラフィック機能を持つ。

通常、CPU内蔵のグラフィック機能は補助的なもので、最新のゲームができたりするものではないのだが……
Iris Xe はインテル自慢の新型で、従来のものより大幅に性能が向上している。

Core i7-1165G7 と Core i5-1135G7 の名前に付いている「G7」はこの内蔵グラフィック機能を表しており、G1・G3・G7 があって、G7 は最上位だ。

以下はそんな Core i7-1165G7 のグラフィック能力を、性能測定ソフト 3D Mark:TimeSpy で調べた結果だ。

Core i7-1165G7, 3D Mark TimeSpy, Iris Xe
※ゲームパフォーマンス予測の1080pは解像度1920x1080、1440pは2560x1440。
Ultra は最高画質設定であることを示す。

CPU内蔵グラフィック機能で、グラフィックスコア約1400は非常に優秀だ。

人気の最新ゲーム「Apex Legends」は 35FPS(秒間35コマ)で動作が可能と評価されており、実際に巷でも、画質を下げたら 60FPS 出た、普通に遊べる、ともっぱら評判だ。

ゲーム「FF15」と「FF14」のベンチマーク(測定ソフト)を動かした結果は以下の通り。

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM 2021 FF15ベンチマーク
NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM 2021 FF14ベンチマーク

FF15 のベンチマークは結果こそ「重い」だったが、予想以上に滑らかに動いていた。
軽量画質での測定だったが、そのまま遊べそうなレベルである。
似た動作環境の「モンスターハンターワールド」も画質を下げれば十分遊べると言われている。

少し古いゲームである FF14 は「とても快適」の評価で、何ら問題はない。
ノートPC用の標準画質で測定したが、もっと上位の画質でも快適そうだ。

本機はゲーミングモデルではないが、遊ぶソフトを選べば、十分にゲームも楽しめるだろう。
この性能であれば 3D CAD(設計ソフト)なども問題なく扱えそうだ。

本来、CPU内蔵グラフィック機能は動画の再生や編集、オンライン会議などに補助的に使われるものだが、その用途においては十二分の能力である。

なお、Core i5-1135G7 の方も内蔵のものとしてはかなり高性能だが、グラフィックスコアは 1150 ぐらいであり、Core i7 には劣る。
補助用途には十分だが、Apex や FF15 などの最新のゲームは画質を落としても厳しいだろう。

データ記録装置(HDD/SSD)

2021年型の LAVIE Pro Mobile / Direct PM のストレージ(データ記録装置)には、標準で 512GB か 256GB の「NVMe SSD」が使用されている。
最新の小型記録装置で、非常に高速なのが特徴だ。
NECの仕様書には「SSD(PCIe)」と書かれているが、PCIe とは NVMe SSD で使われる接続方式の名前である。

以下は試用機のストレージの速度を計測した結果だ。

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM 2021, CrystalDiskMark8.0 ベンチマーク

キオクシア(東芝)の KXG6AZNV256 という製品が使われており、読み込みは 3200MB/s、書き込みは 1650MB/s。
東芝のストレージは信頼性と耐久性に勝り、速度は劣るという評価が多いが、この製品は十分に速い。

ちなみに従来型(SATA接続)だと 500MB/s、HDD だと 150MB/s 程度の速度であるため、どれだけ高速かがわかるだろう。

さらにカスタマイズモデルなら Optane Memory H10(オプテインメモリー)を追加できる。
これはよく使うデータを大容量のメモリに保持しておき、パソコンの立ち上がりやソフトウェアの起動を高速化するものだ。

ただ、NVMe SSD ならなくても十分に速く、NVMe SSD と装着場所もかぶっているため、利用されることは少ない。
また、速度の遅い HDD の補助に使われることが多く、すでに NVMe SSD が使われている環境で効果が期待できるのか疑問だ。

とは言え、選択できる以上は相応の効果があるのだろう。
試用機は非搭載だったので使用感はわからないが、頻繁に持ち歩く場合はパソコンの ON/OFF を繰り返すことになるので、有効ではありそうだ。

Lavie Direct PM(カスタマイズモデル)は 256GB、512GB、1TB の NVMe SSD に加え、512GB 以上+オプテインメモリを選択することができる。
モバイルノートは 256GB でも十分だとは思うが、512GB 以上あれば余裕を持って使える。
Lavie Pro Mobile(カタログモデル)は 512GB のみだ。

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM, SSD選択リスト
※Lavie Direct PM の2021年9月時点の SSD 選択リスト

なお、メモリ(作業用のデータ置き場)は 8GB か 16GB となっており、機種によって搭載量が決まっている。
8GB でも2枚のメモリにデータを分散させて高速化する「デュアルチャネル」に対応。

また、LPDDR4x-4267 という第11世代 Core 用の高速メモリが使われており、従来の高速メモリ DDR4-3200 を超える速度を持つ。
本機の処理速度はグラフィック関連も含め、このメモリによって少し底上げされているはずだ。

総評

軽さの追求の末に、軽さを求める人が必要とするパソコンに行き着いた、といった感のある製品だ。
あなたが毎日パソコンを片手に出勤、通学、営業を繰り返しているのであれば、本機の軽さはその負担を減らし、セキュリティ機能は安心をもたらしてくれるだろう。

NEC らしい初心者サポートと、オーディオ / ビジュアルの機能を備えたパソコンでもあるので、一級の処理性能を持つわけではないが、幅広い人が活用できるパソコンだ。

日本のモバイルノートの完成形のひとつ、と言っても良いだろう。

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM

NEC LAVIE Pro Mobile / Direct PM

形式:13.3 インチ ノートパソコン
CPU:Core i7-1165G7 / Core i5-1135G7
グラフィックス:CPU 内蔵(Iris Xe)
メモリ:8GB / 16GB(LPDDR4x-4267)
ストレージ:256GB / 512GB / 1TB NVMe SSD
モニター:1920x1080、IPS液晶、光センサー、180度開閉
通信:Wi-Fi 6(ax)、Bluetooth 5
モバイル性能:重量842g~992g、バッテリー(軽)公称15時間、顔認証
その他:プライバシーガード付属可、大容量バッテリー可、オプテインメモリー追加可
ソフト:Yamaha Audio、フェイスカメラ活用機能、各種初心者サポートソフト等
価格:試用機(Core i7、メモリ16GB、SSD 256GB、プライバシーガード非搭載、カスタマイズモデル)は税込212,080円

※詳細は NEC LAVIE 公式サイト をご覧下さい。
※仕様・価格は時期により変更の可能性があります。
※LAVIE Direct PM (X) は軽量ではない別機種です。
※NEC の割引クーポンページは こちら を。

執筆:2021年9月14日