• マウスコンピューターの14型モバイルノートパソコン
  • 2021年2月にマイナーチェンジ。処理能力が向上し、最新の通信に対応
  • 薄型、軽量、顔認証。駆動時間も長く、深紅のデザインもかっこいい

こんな人にオススメ!

  • 学校やカフェで使う携帯向けノートPCが欲しい方へ
  • 安くて高い処理性能を持つバランスの良いPCを求めている方へ
  • 持ち運ぶノートPCは格好良くないと! という方へ

総合力に優れた赤いヤツ

マウスコンピューター様に実機の貸出しをお願いをしたとき、最初に勧められたのがこの「mouse X4」シリーズだった。
大学生や若手社会人に人気の、もっとも売れている大ヒットモバイルノートだったからだ。

だが、人気すぎて品薄となり、特にIntel社のCPU「Core」シリーズ搭載のモデルは欠品に。
そのためレビューは後回しにしていた。

しかしAMD社のCPU「Ryzen 5」搭載のモデルは('21年5月)現在、入手可能となっている。

折り畳み時でも17.5mmの薄型、1.2kgの軽量、バッテリーは公称10時間の長時間駆動であり、開くだけで認証してくれる顔認証搭載。
マグネシウム合金による耐久性に加え、キーボードのバックライトやサイズの小型化など、すべてを取り入れた設計
そして何より、クリムゾンレッドとブラックのデザインは見るからにカッコイイ。

これで税込 98,780円(税別 89,800円)と10万円を割る価格で、人気になるのも当然だ。
リニューアルで処理性能が向上し、最新の通信にも対応した。

以下、お借りした実機でその特徴を報告していきたい。

外観

本体(デザインとサイズ)

なんと言っても鮮やかに赤い天板が目を引く。中央にはシルバーのチーズマークがある。
軽くて丈夫なマグネシウム合金が使われており、表面には指紋の付きにくい、細かい粒子を吹き付けたブラスト加工が施されている。

この素材と表面加工のため、色合いは光の加減によって異なる。
マウス公式サイトの画像では朱色に近い赤になっているが、これは陽光のような、強い光が当たっている場合だ。
室内の電灯の下ではもっと落ち着いた、黒みがかった深紅に見え、そこまで派手ではない。

やや小ぶりで赤いため、女性にも人気が出そうなカラーリングだ。

mouse X4-R5 天板

誰かの専用機のような紅の天板
室内では深い色合い

mouse X4-R5 表面拡大

表面はメタリックで粒子加工がある
若干だがラメのような輝きが

なお、本体が赤いのはAMD社のCPU「Ryzen」を搭載しているモデルの場合。
同じ mouse X4 シリーズでも、Intel社のCPU「Core」を搭載している方はグレーの天板なので注意して欲しい。

内部はブラックだが、ヒンジ部分とモニター外周が赤く、これがアクセントになっている。
真四角のキーと細字のフォントにはお洒落さがあり、冒頭でも述べたように、一見して格好良さを感じるデザインだ。

mouse X4-R5 外観

四角いキーが整った印象を与える内部

mouse X4-R5 全開

ヒンジは150度ぐらい、かなり開く

本体は薄型で、開いた時の本体側の厚さは約1cm。折り畳み時は17.5mm。
リニューアルで少し重くなったが、重量は1.2kgで、14型ノートPCとしてはかなり軽い
使いやすくて持ち運びやすいサイズ感だ。

モニター / カメラ / サウンド

モニターは14インチで非光沢のフルHD液晶。
モニターの外枠が狭く、上部は約10mm、横は約5mmしかない狭小ベゼル(狭額縁)だ。
このため本体のサイズ(縦横幅)は、狭額ではないパソコンよりも一回り小さい。

mouse X4-R5 モニターとベゼル

流行のスリムベゼルモニター

mouse X4-R5 A4紙との大きさ比較

A4の紙との比較。横幅は約2cm大きい

モニターの上部には小型のフェイスカメラと、ふたつの「デュアルアレイマイク」がある。
デュアルアレイマイクは左右のマイクで正面の音声を正確に捉えるもので、マウスのノートパソコンの特徴となっている。

そして本機のカメラには顔認証を搭載
設定にはWindowsの機能「Windows Hello」を利用する。
一度設定しておけばパスワードを入力しなくても、起動するだけで自動的に認証が行われる。

コロナ禍の今、マスクを外さないと認識されないのは難点だが、何もしなくても前に座るだけでログインできるのはやはり便利で、セキュリティ面でも安心だ。

mouse X4-R5 顔認証
※顔認証中。赤いランプで認証動作中であることが示される。マスクを付けているなら一時的にズラそう。

スピーカーはステレオで、底面の左右にある。
音質はノートPCとしては良いように感じた。 ノートらしい軽い音ではなく、相応に厚みを感じる音質だ。
テレワークにも使う場合でも不足を感じることはないだろう。

ただ、低音はやや弱めで、イコライザーソフト(音質調整ソフト)もない。
Bluetooth 5 に対応しており、アダプタなしでワイヤレスイヤホンに接続できるため、音質を気にする人はそちらを使うと良いだろう。
もちろんイヤホンジャックもある。

なお、14型以下のノートに共通することだが、標準の文字サイズが150%と、やや大きめだ。
これはWindows 10による自動設定なので、気になる人は「ディスプレイ設定」で好みに変えておこう。

キーボードと拡張端子

14インチのノートパソコンであるため、テンキーはない。
だが、キーピッチ(キーの間隔)は約18mmで、一般的なキーボードの19mmとほぼ同じ。
キーの配列も標準的で、違和感なくキータイプを行えた

キーストローク(押し込みの深さ)は1.4mmと浅く、打鍵感は軽いが、ポチポチという強めの反発がある。
薄型PCとしては感触は悪くない。

バックライトを内蔵しており、キーの間を光らせることもできる。
キーを見ずに打てる人には不要だが、慣れていない人だと暗所でキーが見やすくなるのはありがたい。
若者向けのモデルだと思うので、ライトもあった方が良いと考慮されたのだろう。

mouse X4-R5 キーボード

スタイリッシュな角形キーボード
ライト点灯時、文字が光を透過する

mouse X4-R5 エンターキー周辺

カーソルキーは小さめだが14型ノートPCの標準的なキー配置

このパソコンのキーには、もうひとつ特徴がある。
ノートPCには珍しく、キーの表面が少し凹んでいる。
よく見ないと解らない程度だが、これにより指へのフィット感が増している。

タッチパッドにも特徴があり、14型ノートとしては大きめで、左上にライトがあり、ここをポンポンと叩くことでON/OFFできる。
そしてオフのときはライトが点くので、一目で判別できるようになっている。

mouse X4-R5 キー拡大 凹型キートップ

キーの中央のたわみが解るだろうか
ノートには珍しい凹型キートップ

mouse X4-R5 マウスパッドのランプ

このランプをポンポンするとタッチパッドが切り替わる

側面の端子は、右側に USB3.0、USB-C、HDMI。電源の差し込み口も右側にある。
左側には USB2.0 と 3.0 がひとつずつ、マイク/イヤホン兼用ジャックと LAN 端子が備わっている。

カードリーダーは内蔵していないので、SDカードを使うなら外付けのものが必要だ。

mouse X4-R5 側面とインターフェイス

USB-C は PD(パワーデリバリー)に対応しており、モバイルバッテリー(65W以上)でパソコン側を充電することができる
ちなみにスマホを繋げると、通常はスマホ側を充電できるが…… このときの挙動は繋げた機器によって異なる。

なお、充電に使う AC アダプタも 380g から 240g に軽量化され、持ち運びやすくなった。

パーツ性能

処理性能(CPU)

このパソコンにはRyzen 5 4600H」というノート用CPUが使われている。
AMD社の主力CPU「Ryzen」の中間型で、2020年の夏ごろから普及が始まったものだ。
第3世代のRyzenで、Intel社の第10世代「Core」のライバル。
「H」は処理性能重視型を表している。

本機のリニューアル前のモデル(mouse X4-B)には「Ryzen 5 3500U」というCPUが使われていたが、そちらは第2世代、かつ消費電力軽減型である「U」タイプだった。
そのため性能はこちらの方がかなり高い。

そのぶん消費電力も高いはずだが、バッテリーが強化されたのか、駆動時間は公称9.4時間から公称10時間になっており、むしろ延びている。

Ryzen 5 4600H CPU-Z

6コア12スレッドのCPUで、6つの頭脳で12の作業を同時に行える。
クロック数(速度の目安)は3.0GHz、最大で4.0GHz。
ノート用のCPUとしては上位の性能で、能力不足を感じることはほとんどないだろう。

以下はCPUの測定ソフト「CINEBENCH R23」での計測結果だ。

Ryzen 5 4600H CINEBENCH R23

パフォーマンスモード時

Ryzen 5 4600H CINEBENCH R23 グラフ画面

デスクトップの第7世代Core-i7を越える

12の作業を同時にこなせるため、マルチスレッド(同時並行作業)の測定では、約7800という高いスコアとなった。
シングルスレッド(単独作業での測定)も約1160と、昨今の標準的な速度だ。

ちなみに、本機の前モデルで使われていた Ryzen 5 3500U はマルチスレッド約3500、シングルスレッド約850ほどなので、前述したように性能差は大きい。

ただ、高性能化に伴って高い冷却能力が必要になったようで、本機には吸気ファンがふたつ付いている。
そのため高負荷時の動作音が増しており、ここは難点とも言える。

mouse X4-R5 裏面
※底面の画像。吸気口の網の向こうにふたつのファンがある。
底から吸気する構造のため、布団や絨毯の上など、吸気口を塞いでしまう所には置かない方が良い。

しかし動作音については「Control Center」という付属のソフトウェアで、ある程度は調整ができる。
動作速度を控える「エンターテイメントモード」にすれば発熱を抑えることができ、ファンの回転速度も3段階で設定可能だ。

以下はこのエンターテイメントモードでCPU性能を測定した結果だ。

mouse X4-R5、Ryzen 5 4600H、CINEBENCH R23、エンターテイメント標準
mouse X4-R5、Ryzen 5 4600H、CINEBENCH R23、エンターテイメント省エネ+ファン小

エンターテイメントモードで設定を「省エネ」、ファンの速度を「小」にしても、高負荷時のファンの動作音はあまり変わらなかった。
高負荷時は設定を問わず、冷却を優先するようだ。
測定スコアも省エネと言うほどには落ちていない。

だが、シングルスレッドの測定の際、パフォーマンスモードだとファンが大きな音を立てていたが、エンターテイメントモードだと静かなままだった。
省エネの設定なら、かなり高温にならないとファンは高速回転しないようだ。

ともあれ、一般的な用途で高負荷になることはあまりない。
エンターテイメントモードでも十分な処理速度であり、普段はこちらで使うのをお勧めする。
必要なときにパフォーマンスモードにして、高性能を発揮できるのは大きなメリットだ。


なお、本機のグラフィック機能はCPU内蔵のものだ。
性能はそれなりで、動画の再生などは問題なく行えるが、最新のゲームには対応していない。
以下は一応測定してみた、Ryzen 5 4600H の内蔵グラフィック性能だ。

Ryzen 5 4600H / 3Dmark TimeSpy
Ryzen 5 4600H / Final Fantasy 15 bench

3DMark(TimeSpy)による計測で、グラフィックスコアは 644。
CPU内蔵機能としては高い方だが、最新グラフィックのゲームである「ファイナルファンタジー15」は動作困難。

もちろん動かすソフトによっても違い、ドラクエXやファイナルファンタジー14といった、やや古いゲームなら動作する。

Ryzen 5 4600H / Final Fantasy 14 bench
※FF14 ベンチマーク。高品質(ノートPC)で測定。

とは言え、本機はゲームや3D設計をするようなパソコンではない。
グラフィック機能を必要とするなら、ゲーミングモデルかクリエイターモデルを選ぼう。

データ記録装置(SSD)

本機は256GBの「NVMe SSD」を標準で搭載している。
NVMe SSDは簡単に言うと「すごく速いSSD」だ。元々SSDは速いが、さらに数倍速い。

リニューアル前のモデルにはNVMeではない、旧来のSATA接続のSSDが使われていた。
そちらをレビューしなかったのは、ここが気に入らなかったからでもある。
(一応、前のモデルでもカスタマイズでNVMe SSDにすることはできた)

NVMe SSDには発熱が高いという難点があるが、これはダブルファンでの冷却を行っている本機なら問題ないと思われる。

以下はベンチマーク(性能測定)ソフト Crystal Disk Mark(8.0)の計測結果だ。

mouse X4-R5 Crystal Disk Mark 8.0

読み込み速度(1段目の左側)は約3150、書き込み速度(右側)は約1150。
普通のSSD(SATA接続)は読み込みが500前後、書き込みは200~500ほどで、HDDだと読み書き共に100~150程度になる。
NVMe SSDの圧倒的な速度がわかるだろう。

おかげで起動は非常に速く、モバイルノートとして利点が大きい。
ただ、NVMe SSDとしては書き込みの速度は遅めで、読み込み速度重視の製品であるようだ。

データ容量の256GBは多いとは言えないが、持ち出して使うのがメインのモバイルノートとしては、少ないというほどでもない。
書類の作成や授業で使う程度であれば、十分な容量だろう。

写真や動画を多く保存したり、他の用途でも使う場合は不足しそうだが、やや小型の14インチであるため、内蔵HDDの追加はできない。
外付けのHDDで対応するか、値は張るが大容量のNVMe SSDを選択しよう。
カスタマイズで、より高速なNVMe SSDを選ぶこともできる。

総評

薄くて軽く、顔認証で起動もラク、扱いやすい14型で、授業や仕事中のバッテリー切れを心配せずにすむ駆動時間。
見た目もスタイリッシュで、値段も手頃。
mouse X4 シリーズが大学生や若手に人気なのは、実際に持てば実感できる。
リニューアルで速度も3倍ぐらい早くなり、赤いボディーに相応しい性能となった。

携帯重視のノートPCは13型の方が主流だが、特に男性は窮屈に感じる人も多いだろう。
慣れもあるとは思うが、やはり14型の方がバランスが取れており、長時間の使用にも向く。

モバイルノートとしてコストパフォーマンスやデザインも含め、総合的に優れている製品だ。
マウスらしい作り込みを感じるマシンでもあり、今後も人気になり続けるシリーズだろう。

mouse X4-R5

マウスコンピューター mouse X4-R5

形式:14インチ ノートパソコン
CPU:Ryzen 5 4600H
グラフィックス:CPU内蔵(Radeon 6CUs)
メモリ:8GB(DDR4-2666)
ストレージ:NVMe SSD 256GB
通信:Wi-Fi 6(ax対応)、Bluetooth 5
携帯性能:厚さ17.5mm、1.2kg、バッテリー公称10時間、顔認証
価格:税込 98,780円(税別 89,800円)

※詳細はマウスコンピューター公式サイトをご覧下さい。
※mouse X4-R5-E は Windows Sモード(機能制限された軽量版)専用です。
※mouse X4-R5-URDS は天板に浦和レッズのロゴがあり、512GB の NVMe SSD を標準搭載します。
※mouse X4 でも CPU が Core のモデルは赤ではありません。
※仕様・価格は時期により変更の可能性があります。

執筆2021年4月24日、公開5月20日