• マウスコンピューターの17.3型ノートパソコン
  • 大きくて見やすい画面。老眼でも安心
  • 2021年末にWindows11と能力向上型CPUを搭載してリニューアル

こんな人にオススメ!

  • 快適に使える大画面の高性能ノートパソコンを探している方
  • 大型サイズに慣れている、目が悪いなどの理由で、小さな画面は避けたい方
  • 持ち出すことはないけど、やっぱりデスクトップよりノートPCの方が… という人

大型ノートPCの復権

mouse K7」は17.3インチという大型のノートパソコンだ。
このような大型ノートは軽量薄型ノートの流行により一度衰退したが、近年、再び増えている。
大きな画面に慣れた人が小さな画面に慣れるのは難しいし、老眼や乱視など、目の悪い人に小さな画面は辛い。
高齢者を中心に大型ノートを求める声が高まり、昨今は多くのメーカーで17型のノートパソコンがラインナップに復帰した。

「大きい方が良いならデスクトップパソコンでいいんじゃない?」という声もあると思うが、椅子に座って使うデスクトップより居間やコタツで使えるノートPCの方がお手軽で、デスクトップは配線が解らない、という人も少なからずいる。

さすがに外に持ち出すのは辛いが、屋内での移動なら17型でも苦にならないし、今は大型ノートPCも軽量化が進んでいる。

マウスコンピューター mouse K7(2021)

mouse K シリーズは処理能力を重視した在宅ワーク向けの製品で、2021年の11月末、Windows11 を搭載し、強化型の CPU(Core i7-11800H)を採用した本機が新たに加わった。
mouse F シリーズとは違い CD/DVD ドライブは持たないが、そのぶん基本性能が高く、高負荷な作業も快適に行える。

価格は税込153,780円(税別139,800円)で、コストパフォーマンスも高い。
以下、そのレビューをお伝えしていきたい。

なお、2021年12月現在、旧モデルの mouse K7(Windows10、Core i7-10750H 搭載)も売られている。機種名が同じなので注意して欲しい。

外観

デザインとインターフェイス

17型のノートパソコンなので、そのサイズが最大の特徴だ。
横幅は約39.5cm、縦幅は約26cm。
15型や13型のノートパソコンと比べると、ドーンといったデカさを感じる。

重さは約2.45kgで、やはり軽くはないが、しかし一昔前の17型ノートPCは5kgぐらいあった。
それを考えるとかなり軽くなった印象で、両手なら苦もなく持ち運べる。

mouse K7 天板

かなり濃いめのブラック
白いチーズマークが刻印されている

mouse K7 大きさ比較

A4とセミB5ノートとの大きさ比較
赤いノートの横幅が13型ノートPCぐらい

外装のカラーは深いブラック。
表面にはツヤ消しと指紋付着防止のための粒子加工が施されているが、かなり薄くかけられており、ピアノブラックに近い雰囲気がある。

キーボードは黒だがキーの側面に白い縁取りがあり、白と黒のモノクロームだ。

mouse K7 表面加工のアップ

表面は粒子加工でサラサラしている
樹脂素材のようだが硬度のある質感

mouse K7 全景

17型なので画面はさすがに広い
余裕のある扱いやすいパソコンだ

大型のため、側面端子は豊富に用意されている。
USB-C を含め、両側面に2つずつの USB 端子を持ち、カードリーダーなども完備。

映像出力端子と電源接続は背部に配置されている。
頻繁に動かすようなサイズのパソコンではないため、コードが邪魔にならない後ろの方が良いとの判断だと思われる。

mouse K7 側面端子

USB-C は映像出力に対応しており、外部モニターの Display Port 端子に繋げられる。
本体の画面を含め、最大3画面での作業が可能だ。

バッテリーの持続時間は公称6時間。
やや短めだが、17インチの大型ノートを持ち出すことは普通ないだろうから、それほど問題ではないだろう。

無線通信は最新の Wi-Fi 6(ax)に対応、もちろん Bluetooth 5 も付属。
有線LAN端子は一般的な1000BASE-Tだ。

モニターとサウンド

17.3インチの画面サイズなので、さすがに表示が大きい。
解像度は一般的な 1920x1080 だが、広々とした画面で作業を行える。
加えて Windows11 は「ディスプレイ設定」で簡単に文字などの大きさを調整できるので、老眼の人でも使いやすい。

発色は肉眼での評価だが、とても美しく表示されている印象。
輝度も最大にすれば十分に明るい。
視野角も広く、横から見ると少し明るさが落ちるが、発色は真横からでもほとんど変わらない。

mouse K7 モニターとベゼル幅

横枠が6.5mmと狭いため、従来の17型より本体サイズは一回り小さい

mouse K7 モニターの俯瞰

発色が良くグラデーションも美しい
Windows11の使用感は10や7と大差ない

なお、液晶パネルは台湾 AU Optronics(AUO)社の こちら の製品のようだ。
公称性能は NTSC / AdobeRGB 比72%(sRGB比 約100%)、最大輝度 300cd/m²、コントラスト比 800:1、視野角 全方向85度(170度)。
数値だけでは解りにくいが、色彩に関わる性能は総じて高い。
この発色なら写真や動画なども色鮮やかに楽しむことができるだろう。

モニターの上部には100万画素のカメラと、2つのマイクで正面の音声を捉える「デュアルアレイマイク」がある。
ただ、本機には顔認証や指紋認証は備わっていない。
外に持ち出すようなパソコンではないため、その辺のセキュリティ機能は省かれているようだ。

スピーカーは底面の左右に二つ、ステレオのものが内蔵されている。
音質は軽めで、高音は響くが、低音は弱い。
「Sound Blaster Cinema 6」というイコライザーソフト(音質調整ソフト)が入っており、ある程度は変えられるが、しっかり音楽を聴きたいならヘッドホンを使った方がいいだろう。

Sound Blaster Cinema 6 設定画面

Sound Blaster Cinema 6 の設定画面
これで音質の底上げを行っている

mouse K7 ヒンジ角度

ヒンジの角度は最大でもこのぐらい
それほど大きくは開かない

キーボードとタッチパッド

本体が大きいため、キーボードの大きさ、深さ、共に十分だ。
キーピッチ(間隔)は標準的な 19mm が確保されており、テンキーも備わっていて、キー配列もデスクトップのフルキーボードと変わらない。
キーストローク(深さ)も 1.8mm と、ノートPCとしてはかなり深い。

キーの反発も強く、しっかりした打鍵感がある。
指に来る衝撃も少なく、タイプ音も少なめで、静かにタイピングできる。

柔らかめのキータッチが好きな人だとちょっと硬く感じるかもしれないが、打ちやすいキーボードだ。
パームレスト(手の置き場)も大きく、少しひんやりしていて気持ちが良い。

mouse K7 キーボード

キーは印字だけでなく側面も白い
本体が深い黒のためピアノ風の雰囲気

mouse K7 エンターキー周辺

エンターキー周辺の拡大
サイズもキーの間のスペースも十分

カーソル(矢印)キーは1行分で、縦幅が短いタイプ。
本体の大きさを考えると2行分欲しかった気もするが、ノートPCはこれが一般的だ。

キーボードバックライトも備わっており、暗所でも作業しやすい。
ライトは好みの色に変えることができ、ハデになるのが嫌な人は OFF にすることも可能だ。

タッチパッドは本体の大きさに合わせた、巨大なものが備わっている。
大きいほど指の置き直しをせずにカーソルを動かせるため、操作性は良好だ。
表面はサラサラだが若干の抵抗があり、触れ心地も良い。

mouse K7 キーボードバックライト

常駐ソフト Control Center で色調整可能

mouse K7 タッチパッド

タッチパッドはほんとにデカい

パーツ性能

処理性能(CPU)

2021年モデルの mouse K7 には「Core i7-11800H」の CPU が搭載されている。
Core シリーズの高性能型「Core i7」であり、主流になりつつある「第11世代 Core」のノートパソコン向けタイプ「Tiger Lake」の後期型だ。

Tiger Lake にはいくつか種類があり、一般的な Tiger Lake(UP3)は消費電力と発熱の目安(TDP)が 12W~28W なのだが、本機に搭載されている後期強化型の「Tiger Lake H45」は 35W~45W の電力を投入できる。

単純に消費電力が多いほどパワーを出せ、処理性能は高まる。
バッテリーの消耗が速くなり、発熱も大きくなるが、本機のような家庭で使用するパソコンなら常にコンセントに繋げられるので、大きなデメリットにはならないだろう。

CPU-Z, Core i7 11800H

加えて Tiger Lake H45 は8コア16スレッドであり、8つの頭脳で16の作業を同時に行える。
一般の Tiger Lake は4コア8スレッドなので、その2倍の同時処理能力を持ち、もはやその性能はデスクトップ用の CPU に匹敵する。
初期の Tiger Lake とは別物だと思って良い。

以下は計測ソフト「Cinebench R23」で確認した、本機の性能測定値だ。

mouse K7(2021), Core i7-11800H, CINEBENCH R23, パフォーマンスモード

mouse K7(2021)パフォーマンスモード

mouse K7(2021), Core i7-11800H, CINEBENCH R23 スコア比較グラフ

Tiger Lake の 1165G7 を大幅に上回る

マルチコア(複数同時作業)のスコアは 11600 を超えた。
ノートパソコンとしては現行トップクラスの数値であり、15万円(税込)であることを考えると突出したコストパフォーマンスだ。

第11世代 Core はシングルコア(単一作業)の性能も優れており、本機のスコアは約1500
こちらも優秀な数値で、ソフトウェアの動作はかなり速くなる。

2020年モデルの mouse K7(Core i7-10750H)や、他の主流のノートPC用CPUと比較すると以下のようになる。

・マルチコア性能(CINEBENCH R23)

Core i7-11800H:11600

Ryzen 7 4800U:10100

Core i7-10750H:7300

Ryzen 5 5500U:6700

Core i7-1165G7:6050

Core i5-1135G7:5900

Core i5-10210U:3100

Celeron N4100:950

・シングルコア性能(CINEBENCH R23)

Core i7-11800H:1500

Core i7-1165G7:1500

Core i5-1135G7:1350

Ryzen 7 4800U:1200

Core i7-10750H:1150

Ryzen 5 5500U:1150

Core i5-10210U:1050

Celeron N4100:380

マルチコアとシングルコア、双方が速いため苦手とする分野はない。
どんな作業でも快適に動作するだろう。

なお、本機には「パフォーマンスモード」「バランスモード」「静音モード」の3つの動作モードが用意されている。

mouse K7, Control Center

ただ、動作切り替えボタンがないため気付きにくく、切り替えも Control Center というソフトウェアを通して行わなければならない。

ここまでのテストはパフォーマンスモードで行ったもので、バランスモードと静音モードでは性能評価は以下のようになった。

mouse K7(2021)バランスモード

mouse K7(2021)バランスモード

mouse K7(2021)静音モード

mouse K7(2021)静音モード

静音モードだと測定値は大きく下がったが、高負荷のかかる測定中でも静かに動作した。
静音モードでも 7100 という高いスコアを出しているため、軽い作業しか行わないときや、バッテリーを長持ちさせたいとき、騒音を抑えたいときはこちらで使うのが良いだろう。

初期設定はバランスモードだが、動作音とバッテリーを気にしなくて良いならフルパワーで動くパフォーマンスモードの方がお勧めだ。
パフォーマンスモードでも負荷が低いときは静かだし、高温になるとバランスモードでも相応に動作音(冷却ファンの回転)は大きくなる。

グラフィック性能(VGA)

mouse K7(2021)には「GeForce GTX 1650」のビデオカード(グラフィック用パーツ)が搭載されている。
現行ビデオカードの中では下位の製品だが、CPU内蔵のグラフィック機能よりは性能は高い。

本機はゲーミングモデルではないが、最新のゲームも相応に動かせる能力があり、安価なゲーミングモデルに匹敵する。

以下はグラフィック性能の測定ソフト 3D Mark: TimeSpy の計測結果だ。

3D Mark TimeSpy: Core i7-11800H+GeForce GTX 1650
※「パフォーマンスモード」での測定。
ゲームパフォーマンス予測の1080pは解像度1920x1080、1440pは2560x1440、Ultra は最高画質設定であることを示す。

グラフィックスコアは約3650。総合スコアは約4050。

人気ゲーム「Apex Legends」を動かしたところ、fpsは70~90、平均75fps(秒間75コマ)で動作した。
本機はリフレッシュレート(モニターの描画速度)が60Hz(秒間60コマ)であるため、それを超えており、このゲームを遊ぶには十分な能力と言える。

ファイナルファンタジー15 の動作テストでは、標準画質で「やや快適」、高画質だと「普通」の評価となった。
動作環境が似ている「モンスターハンターワールド」も同様のレベルで動くだろう。

ただ、パフォーマンスモードで高負荷になるとファンの音はかなり大きい。
もしゲームをするのであれば、ヘッドホンやワイヤレスイヤホンなどを利用するのを薦める。

mouse K7(2021)Apex Legends

Apex のトレーニングは 60fps 以上で動作
画質を少し下げれば安定して遊べるだろう

mouse K7(2021)FF15ベンチ 高画質測定

FF15も高画質で普通に動作する
標準画質だとスコア 5680

動画の再生や編集など、作業や一般用途の支援としては十分な性能だ。
複雑なモデリングを行うのでないなら、3D CAD などの設計ソフトも十分に扱える。

なお、バランスモードや静音モードにすると、ゲームの動作速度(3Dグラフィックの描画速度)は 30fps までに制限される。
ただ、プレステ4以前の家庭用ゲーム機も 30fps だったし、それほど違和感はない。
騒音を抑えて遊べるため、切り替えられるのはメリットと言えるだろう。

ストレージとメモリ

本機には「NVMe SSD」と呼ばれるストレージ(データ記録装置)が使われている。
最新の小型ストレージで、従来の SSD(SATA接続)や HDD より動作が大幅に速い。

以下は試用機でその速度を計測した結果だ。

mouse K7(2021), Crystal Disk Mark 8, デフォルト測定

基本設定での計測

mouse K7(2021), Crystal Disk Mark 8, NVMe SSD 測定

NVMe SSD 用の計測

読み込みは約 2450MB/s で、NVMe SSD としては標準的。
書き込みは約 1800MB/s で、やや速い方だ。

従来の SSD(SATA接続)はどちらも 500MB/s、HDD は 150MB/s ほどなので、比較すると段違いに高速。
ランダムアクセス(小さなデータをバラバラに処理する速度。3段目)も標準的と言える。
ちなみに、使用されている製品はウエスタンデジタル社の こちら の製品だった。

ただ、本機に使用されている CPU「Core i7-11800H」は第4世代の PCIe(データ転送規格)を使用でき、それに対応した NVMe SSD なら2倍近く高速になるのだが、搭載されているのは第3世代のもので、カスタマイズにも対応品は(2021年12月時点で)含まれていない。

発熱や構造上の問題があるのかもしれないが、ここはやや残念だ。
第4世代(Gen4)PCIe の NVMe SSD はまだ高いので、価格も考慮されたのかもしれない。

ストレージはこの NVMe SSD に加え、HDD も追加で搭載できる。
動作は遅いが安価で大容量な HDD も内蔵できるのは、大型機の強みと言える。

メモリは 16GB、32GB、さらに 64GB の大容量まで選択可能。
一般用途なら 16GB で十分だが、大規模なデータを扱ったり、複雑な設計や画像処理を行うなら、メモリは出来るだけあった方が動作が安定する。

メモリの種類は DDR4-3200(PC4-25600)という上位のものが使用されており、2枚のメモリにデータを分散させて処理を高速化させる「デュアルチャネル」で動作している。
メモリ周りで不足している点は特にない。

総評

高性能でコストパフォーマンスに優れた17インチの大型ノートPCは、実はかなり少ない。
17型の時点で少ないのに加え、大型ノートは高齢者向けの安価な機種か、デカくないと使えない超高性能パーツを搭載した高額機が中心だからだ。

だが、ホームワークに使うなら画面は大きいほど作業しやすい。
多くの作業をこなせる高い処理性能も備わっており、それでいて高すぎないミドルクラスの本機の需要は、根強くあると思われる。

動画も迫力ある大画面で見られ、本機はモニターの品質が良いため、その点でも動画視聴に向いている。
表示の大きさと高性能を考えると、株取引用のパソコンにも向いているだろう。
相応のグラフィック性能があるので、息抜き時にはゲームも遊べる。
もちろん老眼や弱視、乱視にも優しい。

固定して使うならデスクトップPCを勧めるが、家の中で移動させるメインPCが欲しい人には、ピッタリの機種だろう。

mouse K7(2021)

mouse K7(2021年 年末モデル)

形式:17.3インチ ノートパソコン
CPU:Core i7-11800H(第11世代 Core、8コア)
グラフィックス:GeForce GTX 1650 4GB
メモリ:16GB(8GBx2、DDR4-3200)
ストレージ:512GB NVMe SSD
モニター:解像度1920x1080、sRGB比 約100%
通信:Wi-Fi 6、Bluetooth 5
モバイル性能:2.45kg、バッテリー公称6時間
OS:Windows 11
その他:3段階の動作モード、HDD 追加可
価格:税込 153,780円(税別 139,800円)

※詳細はマウスコンピューター公式サイトをご覧下さい。
※メモリやストレージはカスタマイズで変更できます。
※仕様・価格は時期により変わる可能性があります。

執筆:2021年12月23日