• マウスコンピューターの15.6型クリエイター向けノートパソコン
  • 2021年の春にリニューアルした製品が、秋に最新強化型 CPU 搭載で再リニューアル
  • 安価で高画質、携帯性も高い。上位型の DAIV 5N も合わせて解説

こんな人にオススメ!

  • 高性能で高画質なノートパソコンが欲しい方
  • 作画や写真編集などに使えて、持ち運びにも向いたお手頃なノートが欲しい方
  • 動画をよく見るので相応のグラフィック性能と高発色が欲しいという方

クリエイターも、他の人も

マウスコンピューターの「DAIV」は、クリエイター向けのパソコンブランドだ。
クリエイターと言ってもイラストレーター、写真家、映像作家など様々だが、一般的に高発色のモニターを備え、高いグラフィック性能を持ち、メモリを豊富に搭載できるパソコンをクリエイターモデルとしている場合が多い。

映像やグラフィックに関する性能を重視しているため、動画視聴やゲームを好む人に向いた製品も多い。
高い画質で絵や映像を楽しみたいのは、何もクリエイターだけではないからだ。

今回レビューする「DAIV 5P」は、そんなクリエイターモデルの15.6型ノートPC。
クリエイターモデルとしては安価だが、モニターの発色を示す sRPG カバー率は約100%で、後期型の第11世代 Core i7 による高い処理性能を持ち、ビデオカードは GeForce RTX 3050 を搭載する。
バッテリーも公称9時間と長め、重量も約1.7kgに抑えられており、高いレベルでバランスの取れた製品だ。

価格は税込186,780円(税別169,800円)。以下、そのレビューをお伝えしていきたい。

春モデルと秋モデル、DAIV 5P と 5N の違い

DAIV の15.6型ノートには「DAIV 5P」と「DAIV 5N」があるのだが、初心者の方には違いがわかりにくいかもしれない。
加えて双方とも2021年の春にモデルチェンジしたが、秋になって再び新モデルが登場した。

2021年のDAIVの遍歴

そして2021年冬の時点では、春モデルと秋モデルが混在して売られており、名前が同じのため、かなり紛らわしい。
簡単に違いを説明すると以下のようになる。

  • DAIV 5P(2021 秋)は、最新で高速、価格もお手頃。
  • DAIV 5P(2021 春)は、処理性能がひとつ前の世代でグラフィック性能も格下。でも2021年の性能なので十分速く、軽くて安く、バッテリーもかなり長持ち。ただテンキーはない。
  • DAIV 5N(2021 秋)は、最新で高速、さらに高解像度(画面が細密)で、グラフィック性能も 5P より格上。ただしバッテリーの持ちが短く、値段も高め。
  • DAIV 5N(2021 春)は、高解像度(画面が細密)だが、処理性能はひとつ前で、バッテリーもやや短め。でもグラフィック性能は 5P より格上で、値段も高すぎない。

大きな違いは画面の解像度で、P はフルHD(1920x1080)、N はWQHD(2560x1440)。
N の方がプロ向けの上位機と言えるが、バッテリーの消費も大きく、持ち出して使うにはそこがネックとなる。

難しくなるが細かく言うと、秋モデルは CPU が第11世代 Core になっており、NVMe SSD も第4世代 PCIe 対応型を搭載可能、また NVMe SSD の追加もできる。Windows も 11。
春モデルの CPU は第10世代 Core で、DAIV 5P の春モデルはメモリの速度もやや劣る。

グラフィック性能(ビデオカード)は秋モデルの DAIV 5P は GeForce 3050、春モデルの DAIV 5P は GeForce 1650Ti を搭載しており、ゲームも動くが、作業の補助用と言える。
DAIV 5N は GeForce 3060 を搭載しており、最新ゲームも快適に動かせる性能だ。

詳しい構成や価格はマウス公式ページ、及び文末の総評をご覧頂きたい。

外観

デザインとインターフェイス

本体のデザインは2021年 秋モデルなら、DAIV 5P も 5N もほぼ同じ。
全体が黒に近いガンメタリック(濃灰)で、軽量で丈夫なマグネシウム合金が使用されており、かなりしっかりした質感がある。
表面はブラスト(粒子)加工によりサラサラとした触感で、鈍い光沢があり、手の跡や指紋は付きにくい。

DAIV 5P / 5N 天板

濃いグレーで鈍い光沢の天板
手の跡がスッと消えるのが良い

DAIV 5P / 5N 全景

秋モデルの DAIV 5P の全景
黒主体のシックなカラーリング

ノートPCとしてはやや大きめの15.6インチのモデルで、横は約35.5cm、縦は約23.5cm。
持ち出すには大きいが、昨今のこのサイズのノートPCとしては小さめな方。
そして厚さは折り畳み時で20.6mm、ビデオカード搭載ノートとしてはトップクラスに薄い。
(2021 春モデルの DAIV 5P は約18mm)

重量も約1.73kg(2021 春モデルは 1.53kg)。
ビデオカードのあるノートPCとしては、かなり軽い方である。
出向先や撮影先で使う作業用ノートとして、費用対性能はもちろん、重量対性能もかなり高い。

DAIV 5P / 5N ヒンジ周辺

高発色で視野角の広いモニターが特徴
ヒンジもかなり大きめに開く

DAIV 5P / 5N 大きさ比較

A4とセミB5ノートとの比較
15.6インチモデルなので相応の大きさ

クリエイターモデルは接続端子も重要視されるが、ここはモデルによって異なる。

2021 秋モデルの DAIV 5P は、右側面にUSB3.0(速度5Gbps)2つとマイクロカードリーダーが、左側面にUSB3.1(10Gbps)とイヤホン/マイクジャックがある。

さらに背面にUSB-C(10Gbps)、HDMI端子、有線LAN端子(2.5G対応)と、電源の差し込みがある。

DAIV 5P / 5N 秋モデル 接続端子

USB-C や LAN が背面にあるのは若干使い辛さがあるが、必要な端子は不足なくそろっている。
USB-C は画面出力にも対応しており、モニターの Display Port 端子に繋げることができる。

2021 秋モデルの DAIV 5N は USB-C が 40Gbps(USB4)になっており、対応品を繋げることで、より高速なデータ転送が可能だ。
2021 春モデルの DAIV 5N は秋モデルの DAIV 5P と変わらない。

2021 春モデルの DAIV 5P のみ、背面に端子がなく、USB-C や HDMI もすべて側面にある。
ただ、USB はすべて 2.0(480Mbps)か 3.0(5Gbps)で高速ではなく、LAN も2.5Gの速度には対応していない。

DAIV 5P 2021年 春モデル

2021年 春モデルの DAIV 5P のみ、端子の位置やキーボードが異なる

DAIV 5P / 5N 背面端子

秋モデルのLANや電源は後ろ。繋げっぱなしならコードが隠れる背面の方が良い

無線通信は最新の Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応。
もちろん周辺機器を繋げる Bluetooth 5 も備わっている。

バッテリーは秋モデルの DAIV 5P で公称9時間
外出先で使う際でも十分な駆動時間だろう。

春モデルの DAIV 5P は省電力仕様なのか、公称18.5時間という超長時間バッテリーだ。
一方、DAIV 5N は秋モデルで公称6時間、春モデルも公称7.5時間と、高解像度モニター+ビデオカード搭載であることを考えると頑張ってはいるのだが、出先で使うにはやや心もとない。
また、モバイルバッテリーでの充電(USB PD)には対応していない。

モニターとサウンド

クリエイターモデルである本機の大きな特徴の一つは、画面の色彩だ。
色域の標準規格である「sRGB比」で約100%、つまり本来の色がそのまま表示される。

これが100%以下だと画面に表示されている色と実際の色が違ってしまうため、イラスト制作や写真のデジタル現像には重要だ。
ちなみに一般のモニターは60~80%ほどになる。

より広い色域を対象としている規格「Adobe RGB比」は、sRGB比100% = Adobe RGB比72% なので、70%前後と思われる。
最新技術による広い色域に対応するには Adobe RGB 比も100%であるのが理想だが、そういう製品はお値段が跳ね上がる。

ともあれ本機は、一般価格のノートパソコンとしては高い発色のモニターを備えている。

DAIV 5P / 5N モニターとベゼル幅

横枠4.5mmのかなり狭額のモニター
色鮮やかで明るく高画質

色空間概略図

白がsRGB、黄がAdobeRGBの色域
黒は米映画団体やAppleの規格

映り込みの少ない非光沢(アンチグレア)のモニターで、前述した通り DAIV 5P はフルHD(1920x1080)の解像度だ。
DAIV 5N は WQHD(2560x1440)で、より細密な画質に対応しているが、ここまで必要かどうかは用途による。
一般用途ではこのクラスの解像度は必要ないだろう。

一応、ゲームも高解像度にすれば、より美しい画面になる。
ただし、グラフィック処理の負荷も高くなる。

1920x1080(フルHD、1080p)

1920x1080(フルHD、1080p)
境界部分のドットが少し目立つ

2560x1440(WQHD、1440p)

2560x1440(WQHD、1440p)
窓ガラスの境界などが滑らかに

視野角は170度と広く、横から見たり、見る角度が変わっても、色の変化は少ない。
輝度(明るさ)も十分で、最大にするとかなりまぶしいほどだ。
なお、HDMI や USB-C の映像出力は4K画質(3840x2160)に対応しているため、他の高品質モニターに繋げることもできる。

モニターの上部には100万画素のカメラと、2つのマイクで正面の音声を捉える「デュアルアレイマイク」がある。
カメラの画質は一般的だが、顔認証対応なので手軽にログインが可能。
コロナ禍の昨今、マスクを外す必要があるのは難点だが。

クリエイターモデルはDTM(パソコンによる作曲)もターゲットとしているためか、サウンドも良い。
底面の左右にステレオスピーカーがあり、ノートパソコンとしては厚めの音を出してくれる。
また、Sound Blaster のイコライザー(音質調整ソフト)が入っており、相応に音質を変えることも可能だ。

キーボードとタッチパッド

キーボードはキーが真四角になっている、近未来感のあるデザイン。
キーのすき間が 2mm ほどしかないため、打ちミスを気にする意見も見られるが、そのぶん大きめのキーになっていて、実際に使用した感じでは違和感のないタイピングができた。

キーストロークは 1.4mm のようで、やや浅く、板を打っているような感覚はある。
ただ、キーの押し込みが硬めで反発も強く、ボタンを押しているようなポチポチとした感触があり、タイプ感は悪くない。
タイプ音も静かで、テンキーも備わっている。

ただし 2021 春モデルの DAIV 5P のみ、15インチノートなのにテンキーがないので注意して欲しい。

DAIV 5P / 5N キーボード

スタイリッシュな雰囲気のキーボード
キーの間隔は普通のキーボードと同じ

DAIV 5P / 5N エンターキー周辺

テンキーとエンターキーの周辺
15型ノートPCの標準的なキー配置

カーソル(矢印)キーは1行分で、上下のキーが短いタイプ。
Photoshop などはカーソルキーを割と使うので、出来れば2行分欲しいが、使いにくいというほどでもない。

キーボードバックライトはゲーミングモデルのように、七色に輝かせることができる。
と言うか、ゲーミングモデル(G-Tune)と同じものだ。
徐々に色を変えたり、場所によって違う色にしたりできるので、派手好きの人は遊んでみると良いだろう。

大きめのタッチパッドはツルツルかつしっとりしていて、とても触感が良い
感度も良く、あつかい心地の良いパッドだ。
また、タッチパッドの左上をポンポンとダブルタップすることで簡単に ON/OFF を切り替えられ、OFF の時にはそれを示すランプも灯る。

DAIV 5P / 5N キーボードバックライト

付属ソフトにより自由に色を変えられる
春モデルの DAIV 5P は白発光のみ

DAIV 5P / 5N タッチパッド

タッチパッドは本当に触り心地がいい
ON/OFFランプはちょっと眩しいかも

パーツ性能

処理性能(CPU)と動作モード

2021年 秋モデルの DAIV 5P と DAIV 5N は「Core i7-11800H」の CPU を搭載する。
Core シリーズの上位型である「Core i7」であり、新型である「第11世代 Core」のノートパソコン向けタイプ「Tiger Lake」のひとつだ。
ただ、単なる Tiger Lake ではなく、その後期上位型「Tiger Lake H45」にあたる。

Tiger Lake には一般的な Tiger Lake(UP3)、省電力型の Tiger Lake(UP4)、2021年1月に登場したパワー向上型 Tiger Lake H35、2021年5月に登場した最後期型の Tiger Lake H45 が存在する。

違いは TDP と呼ばれる電力と発熱の許容量で、要するにどれだけのパワー(電力)を投入できるかだ。
ほとんどの Tiger Lake である Tiger Lake(UP3)は 12W~28W で、この範囲でメーカーが製品ごとに電力を設定している。
Tiger Lake(UP4)は 7W~15W で、消費電力が低いのでバッテリーは長持ちするが、そのぶん性能は劣る。
そして Tiger Lake H35 は 28W~35W、Tiger Lake H45 は 35W~65W の電力を投入可能。

もちろん電力を増やすとバッテリーが早く消耗するし、冷却も強化しなければならないので、一概に高い方が良いとは限らない。
ただ、投入できる電力が多いほど性能(処理速度)は上がると思って良い。

さらに、H45 以外の Tiger Lake は4コア8スレッド、4つの頭脳で8つの作業まで同時に行うのに対し、Tiger Lake H45 は8コア16スレッド、8つの頭脳で16の作業まで同時に行える。(Core i5 は 6コア12スレッド)
これは性能重視型の Rocket Lake や Comet Lake と呼ばれるタイプと同じで、ノートPC向けの効率化機能を備えつつも、基本性能も高い CPU になっている。

以下は計測ソフト「Cinebench R23」で確認した、秋モデルの DAIV 5P の性能測定値だ。

DAIV 5P 2021秋モデル, Core i7-11800H CINEBENCH R23, パフォーマンスモード

2021秋 DAIV 5P パフォーマンスモード

DAIV 5P 2021秋モデル, Core i7-11800H CINEBENCH R23 スコア比較グラフ

Tiger Lake UP3 の 1165G7 よりかなり上

マルチコア(複数同時作業)のスコアは 10800 を超えている。
20万円前後のノートPCとしてはトップクラスだと思って間違いない。

また、第11世代 Core はシングルコア(単一作業)も速いのが特徴で、スコアは 1500 以上。
これが第10世代 Core だと 1200 前後で、ソフトウェアの動作速度にも大きく影響する。
(Office や Photoshop 等の大手ソフトは分散作業に対応しており、双方のスコアが関わる)

ともあれ、一般価格のノートパソコンとしては、現行最高クラスの処理性能だ。

一方、春モデルの DAIV 5P は第10世代 Core の「Core i7-10750H」、春モデルの DAIV 5N は同じく第10世代の「Core i7-10870H」を搭載している。

ひとつ前の世代であるが、これらは基本性能を重視した「Comet Lake」と呼ばれるタイプで、これはこれで高性能な CPU だ。
Core i7-10750H は6コア12スレッド、Core i7-10870H は8コア16スレッドで、作業数でも大きく変わらない。
測定値をグラフで比較すると以下のようになる。

・マルチコア(CINEBENCH R23)

Core i7-10750H:7300

Core i7-10870H:9700

Core i7-11800H:10850

・シングルコア(CINEBENCH R23)

Core i7-10750H:1170

Core i7-10870H:1200

Core i7-11800H:1520

やはり秋モデルで使われている CPU の方が性能は良いが、春モデルも現行のノートパソコンとしては新しいし上位機種だ。
マルチコアのスコアが 3000~5000 程度のノートパソコンの方が市場には多い。
セールや予算なども加味して選択するのが良いだろう。

なお、本機(DAIV 5P の春モデル以外)には、「パフォーマンスモード」「バランスモード」「静音モード」の3つの動作モードが用意されていて、性能重視や省エネ&静音重視に切り替えることができる。
これは切り替えボタンでいつでも手軽に変えることができ、再起動などは必要ない。

DAIV 5P / 5N 動作モード切替ボタン

以下は秋モデルの DAIV 5P でモードを切り替えて測定した CPU の性能値だ。

DAIV 5P 2021秋モデル, 静音モード

2021秋 DAIV 5P 静音モード

DAIV 5P 2021秋モデル, バランスモード

2021秋 DAIV 5P バランスモード

「静音モード」にすると測定値はガクッと下がる。
しかし高負荷をかける性能測定中でも、動作音はほとんど聞こえなくなった。
また、静音モードでも 4500 という、他の多くのノートPCの標準的なスコアを出しており、処理が遅いという訳ではない。

「バランスモード」の測定値は、パフォーマンスモードと大差はない。
ただ、測定中の動作音(冷却ファンの回転音)も、パフォーマンスモードほどではないが、相応に大きかった。

静音モードならオフィスや図書室など、騒音を抑えたい環境でも静かに使うことができる。
軽作業に使うなら大きなパワーは要らないし、消費電力が低いためバッテリーも長く持つ。
状況に合わせて切り替えられるのも本機の長所のひとつだ。

グラフィック性能(VGA)

秋モデルの DAIV 5P には「GeForce RTX 3050 Laptop」のビデオカードが搭載されている。
最新ビデオカード GeForce 3000 シリーズの中では下位の製品で、安めのノートパソコン用のパーツではあるが、それでも2021年の夏に登場したばかりの最新型で、コストパフォーマンスは非常に高い。

以下はグラフィック性能の測定ソフト 3D Mark: TimeSpy の計測結果だ。

3D Mark TimeSpy: Core i7-11800H+GeForce RTX 3050 Laptop
※「パフォーマンスモード」での測定。
ゲームパフォーマンス予測の1080pは解像度1920x1080、1440pは2560x1440、Ultra は最高画質設定であることを示す。

グラフィックスコアは約5050。総合スコアは約5400。
本機はゲーミングモデルではないが、最新のゲームも遊べる性能だ。

ファイナルファンタジー15 の動作テストでは、高画質設定で「やや快適」、軽量画質なら「とても快適」の評価となった。
動作環境が似ている「モンスターハンターワールド」も同様のレベルで動くだろう。

ただ、パフォーマンスモードで高負荷になると動作音(ファンの回転音)はなかなか大きいので、ゲームをするのであればイヤホンなどを利用するのを薦める。
また、VRAM(グラフィック専用のメモリ)は4GBと少なめなので、大規模なゲームでは支障が出る可能性もある。

DAIV 5P 2021秋モデル, FF15ベンチ 高画質

FF15 高品質測定 パフォーマンスモード

DAIV 5P 2021秋モデル, FF15ベンチ 軽量画質

軽量品質だと「とても快適」に

作画や動画の編集、デジタルカメラの現像、設計ソフトの使用など、創作作業の支援としては十分な性能だ。

DAIV 5N はひとつ上のクラスの「GeForce RTX 3060 Laptop」を搭載している。
こちらはゲーミングモデルにも採用されている高性能なビデオカードで、VRAMも6GB、今後数年先のゲームも遊べ、創作作業でも十分すぎるほどの性能を持つ。

春モデルの DAIV 5P はビデオカードに下位の「GeForce GTX 1650Ti」が使われている。
GeForce 3000 シリーズより格下だが、現行製品の一つであり、これを使っているゲーミングモデルも存在する。
安価なクリエイターモデルのビデオカードとしても一般的だ。

これらの性能を比較すると以下のようになる。
(3D Mark: TimeSpy での計測値。すべてノートPC用ビデオカード)

GeForce GTX 1650Ti:3600

GeForce RTX 3050 Laptop:5050

GeForce RTX 3060 Laptop:8300

なお、グラフィック性能も本機の「動作モード」の影響を受ける。
「静音モード」や「バランスモード」で測定すると、性能評価は以下のようになった。

DAIV 5P 2021秋モデル, GeForce RTX 3050 Laptop, 静音モード

2021秋 DAIV 5P 静音モード

DAIV 5P 2021秋モデル, GeForce RTX 3050 Laptop, バランスモード

2021秋 DAIV 5P バランスモード

測定数値はあまり変わっていないが、大きく違っていた点がある。
FPS(1秒あたりのコマ数)が静音モード、バランスモード、共に 30fps までに制限されることだ。

近年のゲームは 60fps を快適動作の目安としているため、30fps になるのは難点と言える。
(スコアがあまり変わっていないのは、テストムービーがパフォーマンスモードでも 30~40fps ぐらいの動作だったためだ)

ただ、プレステ4以前の家庭用ゲーム機は 30fps が一般的だったし、大した違和感はない。
状況に応じて 30fps に制限して負荷や発熱、消費電力を抑えながらゲームや作業ができるのは、メリットとも言えるだろう。

ストレージとメモリ

本機(DAIV 5P / DAIV 5N)には「NVMe SSD」と呼ばれるストレージ(データ記録装置)が使われている。
最新の小型 SSD で、従来型よりも動作が大幅に速い。

また、2021年 秋モデルが搭載している第11世代 Core の CPU は、最新の第4世代(Gen4)の PCIe に対応している。
PCIe(PCI Express)とはデータ転送の規格で、これに対応した NVMe SSD はさらに速い動作が可能だ。

ただ、本機の標準構成の NVMe SSD は従来型(第3世代)であり、お借りした実機も第4世代ではなかった。
以下はその実機の SSD の計測結果である。

DAIV 5P 2021秋モデル, Crystal Disk Mark
※試用機に使われていた製品は ADATA社の こちら のものだった。

読み込み 2100MB/s、書き込み 1400MB/s で、昨今の NVMe SSD としては標準的。
ただ、従来の SSD(SATA接続)は 500MB/s、HDD は 150MB/s ほどなので、それらと比べると段違いに高速だ。
また、実際の使用感に影響しやすいランダムアクセス(3段目、バラバラのデータを扱う速度)が読み書き共に 470MB/s と良い数値が出ている(400ほどが標準的)。

だが、先に述べたように第4世代(Gen4)の NVMe SSD ならもっと速い。
少し高くなるが、秋モデルを選ぶ人はカスタマイズで「Gen4」が付いた NVMe SSD を選択するのを勧める。

また、秋モデルは NVMe SSD をさらに追加できる。
追加分は第3世代 PCIe の NVMe SSD となるが、従来より高速なストレージを2つ搭載できるのはありがたい。
多くの画像や映像データを扱うことが多いクリエイターモデルとしては大きな長所だ。

DAIV 5P / 5N の追加SSD選択
※マウス公式サイトの追加 NVMe SSD の選択画面。
秋モデルが搭載する Core i7-11800H(Tiger Lake H45)は PCIe のレーン数が大幅に増えていて、NVMe SSD のような PCIe を使う機器を追加しやすくなっている。

クリエイターモデルはメモリも重要視されるが、第11世代 Core を採用している秋モデルなら、これも最新性能になる。
上位製品の DDR4-3200 が使われており、カスタマイズで最大64GBまで搭載可能。

多くのレイヤーを重ねたイラストを扱ったり、多数の写真を一度に開いたりするとメモリ不足に陥りやすいが、十分な量を用意できる。
メモリを増やせば価格もそれだけアップするが。

なお、春モデルの DAIV 5P はメモリは32GBまでで、しかも1本しか搭載できないため、2本のメモリにデータを分散して高速化する「デュアルチャネル」に対応していない。
これはクリエイターモデルとしては短所と言える。

春モデルの DAIV 5N は64GBまで増量でき、デュアルチャネル対応だが、メモリの種類は秋モデルよりも下位の DDR4-2666 となる。

総評

パソコンでの動画視聴が一般的になっている昨今、本機のような高発色液晶を持つ製品はもっと人気になっても良いはずだ。

モニターのリフレッシュレート(1秒あたりのコマ数)は 60Hz だが、映画や動画サイトの FPS(コマ数)は 24~30 なので、60 あれば十分。
ゲーム用途としても、動きの激しい対戦ゲームでなければ 60fps あれば問題ないだろう。

そして処理性能は、もはや一般の Tiger Lake(第11世代 Core)搭載機とは別物である。
パワーが上でコア数も2倍、最新のデータ転送に対応している Tiger Lake H45 は実質 11.5 世代であり、ほぼ Rocket Lake(11世代の性能重視型。ノートPC用はまだない)と言える性能だ。
クリエイターの要求に十分応えられる能力を持ち、他の高負荷な作業も快適にこなせる。

重量も軽めに抑えられていて、多くの用途に活用できる高性能機。
趣味でも作業でも暇つぶしでも、存分に活用できるマシンだ。

DAIV 5P 2021年 秋モデル

DAIV 5P(2021年 秋モデル)

形式:15.6インチ ノートパソコン
CPU:Core i7-11800H(第11世代 Core、8コア)
グラフィックス:GeForce RTX 3050 4GB
メモリ:16GB(8GBx2、DDR4-3200)
ストレージ:512GB NVMe SSD
モニター:解像度1920x1080、sRGB比 約100%
通信:Wi-Fi 6、Bluetooth 5、2.5G LAN
モバイル性能:1.73kg、バッテリー公称9時間、顔認証
OS:Windows 11(Windows 10 機もあり)
その他:第4世代 PCIe SSD 選択可、3段階の動作モード
価格:税込 186,780円(税別 169,800円)

※詳細はマウスコンピューター公式サイトをご覧下さい。
※メモリやストレージはカスタマイズで変更できます。
※仕様・価格は時期により変わる可能性があります。


※他の DAIV 5P / 5N シリーズ

DAIV 5N 2021年 秋モデル

DAIV 5N(2021年 秋モデル)

形式:15.6インチ ノートパソコン
CPU:Core i7-11800H(第11世代 Core、8コア)
グラフィックス:GeForce RTX 3060 6GB
メモリ:16GB(8GBx2、DDR4-3200)
ストレージ:512GB NVMe SSD
モニター:解像度2560x1440、sRGB比 約100%
通信:Wi-Fi 6、Bluetooth 5、2.5G LAN
モバイル性能:1.73kg、バッテリー公称6時間、顔認証
OS:Windows 11
その他:第4世代 PCIe SSD 選択可、3段階の動作モード、USB-C は USB4
価格:税込 230,780円(税別 209,800円)
※高解像度の秋モデル。

DAIV 5P 2021年 春モデル

DAIV 5P(2021年 春モデル)

形式:15.6インチ ノートパソコン
CPU:Core i7-10750H(第10世代 Core、6コア)
グラフィックス:GeForce GTX 1650Ti 4GB
メモリ:16GB(シングルチャネル、DDR4-2666)
ストレージ:512GB NVMe SSD
モニター:解像度1920x1080、sRGB比 約100%
通信:Wi-Fi 6、Bluetooth 5
モバイル性能:1.53kg、バッテリー公称18.5時間、顔認証
OS:Windows 10
その他:テンキーなし
価格:税込 164,780円(税別 149,800円)
※標準解像度の春モデル。

DAIV 5N 2021年 春モデル

DAIV 5N(2021年 春モデル)

形式:15.6インチ ノートパソコン
CPU:Core i7-10870H(第10世代 Core、8コア)
グラフィックス:GeForce RTX 3060 6GB
メモリ:16GB(8GBx2、DDR4-2666)
ストレージ:512GB NVMe SSD
モニター:解像度2560x1440、sRGB比 約100%
通信:Wi-Fi 6、Bluetooth 5、2.5G LAN
モバイル性能:1.73kg、バッテリー公称7.5時間、顔認証
OS:Windows 10
その他:3段階の動作モード
価格:税込 208,780円(税別 189,800円)
※高解像度の春モデル。

執筆:2021年11月17日