• 2022年春に更新されたデルのゲーミングデスクトップパソコン
  • 大型だが白くて丸みのあるデザインはオブジェとして映える
  • 第12世代のK付きCore i7とGeForce 3070搭載で非常に高いゲーミング性能
Alienware Aurora R13

こんな人にオススメ!

  • 最新のPCゲームを快適にプレイしたい人
  • 特徴のある形と装飾を持つパソコンを求めている方
  • 地球のパソコンに飽きたところの人
このレビューは実機の貸出を受けて作成しており、リンクにはアフィリエイトが含まれています。
レビューは公正に、忖度なく行っております。

世界シェアNo.1ゲームPC

日本でゲーミングパソコンと言えばマウスコンピューターの G-Tune とドスパラの GALLERIA が知られているが、それを猛追しているのがデルの Alienware(エイリアンウェア)だ。
そして世界的に見れば、Alienware こそがトップのシェアを持つ。

Alienware が大きな売り上げを見せて以降、デルもゲーミングPCの研究開発にリソースを投入、快適なゲーミングとは何かを追求している。
デルをビジネスパソコンの会社だと思っている人には意外かもしれない。

そんな Alienware の中型デスクトップモデルが Alienware Aurora(オーロラ)だ。
2022年モデルは13代目であり、R13 の名が付けられている。

Alienware Aurora R13

中型と言ってもアメリカのいう中サイズなので、日本的にはデカい。
ただ、丸みを帯びた白い外観により、ゲーミングらしいゴテゴテとした印象は受けない。
一方で、美しいイルミネーションと中が見えるクリアパネル、そして内部も明るく照らすライトアップには、ゲーミングPCかくあるべしといった装飾性がある。

今回レビューする2022年の春モデルには、第12世代 Core の上位型「Core i7-12700KF」と、ビデオカード「GeForce RTX 3070」が搭載されている。
メモリも DDR5 で、2022年7月時点の主流でハイスペックなゲーミング構成だ。
この構成には「プレミアム」の名が付いている。

定価は(プレミアムで)約40万円だが、WEBからの購入ならセール価格で約31万円となる。
以下、その詳細をお伝えしていきたい。

ケースと外観

デザインと接続端子

Alienware Aurora R13 は白いアーチ型のデザインとなっている。
天井が丸く湾曲しており、前面パネルも下部は丸い。
他のゲーミングモデルとは一線を画した、独特なデザインとカラーリングのケースだ。

前面にはエイリアンマーク、それを囲むライン、バックの網目の3つのイルミネーションがあり、それぞれ異なる色で灯すことができる。
エイリアンマークは電源ボタンを兼ねており、つまり本機は宇宙人を小突いて電源を入れる。

前面パネルにはツヤがあり、ケース全体は耐摩耗性のある素材で構成され、かなりしっかりした質感がある。
傷の付きにくい素材で作られた側面のクリアーサイドパネルは透明度が高く、中の様子をしっかり眺めることができる。
ライトアップされた美しい内部はマニアにはたまらないところだろう。
中のライトの色もロゴ、天井、排気ファンを個別に変えることができる。

Alienware Aurora R13 外観

間違いなくゲーミング、でもエレガントという印象的なデザイン

Alienware Aurora R13 側面クリアパネル

R13は内部のライトアップと、それを見られる透明パネルも大きな特徴

前面パネルにはイヤホンと普通のUSBが3つ、USB-C 1つが縦に並んでおり、USB1つとUSB-Cは電源がOFFでも給電できるパワーシェアに対応している。

裏面には6つのUSBと、2つのUSB-C(うち1つは速度20Gbps)、2.5Gb対応の有線LAN端子があるが、特徴的なのはオーディオだ。
今どきのパソコンには珍しく6つのオーディオ端子が並んでいて5.1ch以上のスピーカーに対応、さらに最近見なくなった光デジタル端子と丸い同軸デジタル端子まで備わっている。

やはりアメリカ、ホームシアターがある家が一般的なのだろうか。
日本でそこまで音響機器をそろえている家は少ないと思うが、もしあるなら、本機はそれに繋げてダイナミックなサウンドを楽しむことができる。

Dell コマンドセンター

付属ソフト「コマンドセンター」でライトの色など様々な設定が可能

Alienware Aurora R13 背面端子

最近は省略されがちなオーディオ端子がフルで付いている。音楽好きには嬉しい?

ケースのサイズは高さ51cm、幅22.5cm、奥行きは約53cm。
これはマウスコンピューター G-Tune のフルタワーケースや、ドスパラ GALLERIA の大型サイズをさらに上回る
特に奥行きがかなりあるので、購入を考えているなら設置場所の寸法を確認しておこう。

ただ、前述したように丸い形状なので、四角いボックス型よりも印象的には小さく感じる。
また、これでも小さくなった方で、初期の Alienware Aurora(R1~R4)は巨大な走行列車のようだった。
中期(R5~R8)は小型化されたのだが、拡張性が低いと不満の声があがったようで、大きめに戻されている。
重さも15kg前後とかなりヘビーなので注意して欲しい。

内部構造と冷却

Alienware はケース、電源、CPUクーラー、マザーボードなど、多くのパーツをデルが自前で作っているため、他のメーカーのデスクトップパソコンとは異なる部分が多い。
それでなくてもアメリカのエイリアンなので、日本や地球の常識が通用しないところがある。

まず、内部全体がナナメに傾斜していて、後ろが低い。
これは Alienware Aurora R13 からの特徴で、R12 は後に行くほど天井が高くなっていたのだが、R13 は天井を平らにして、代わりに中身を傾斜させている。

天井内の通風孔をファンに対しナナメ向きにして、スムーズに排気を行うための措置のようだが、言葉では説明しづらいので下の画像を見て欲しい。

Alienware Aurora R13 内部構造

前代未聞の宇宙的傾斜構造。

Alienware Aurora R13 天井部の排気構造

天井ファンの排気を後方に流している

天井が傾斜していると何かにつっかえることが多かったのだと思うが、代わりに内部を傾けるとは、さすが異星人である。
「ファンを傾けるのじゃダメなの?」とも思ったが、デザインなどもあるのだろう。

CPUクーラーは水冷となっており、後部のラジエーターに冷却液パイプが繋がっている。
専用品であるため、パイプの長さはピッタリだ。
配線の多くも裏側に回されており、中はスッキリとしている。

ケースファンは前部に2つ、天井に1つ、後部に1つの計4つで、サイズは12cm。
密閉性の高いケースになっているため、以前のモデルより静音性は高いようだが、4つもケースファンがあるので相応に音(ファンの回転音)はする。

なお、CPUクーラーは、より冷却力の高い「Cyro-tech エディション」というものに変えてもらうことができる。
約1万円高くなるが、本機が搭載しているCPUは「冷却力=性能」なところがある。
静音性も高まるだろうから、予算が許すなら Cyro-tech にするのを勧める。CPUについては後述する。

Alienware Aurora R13, CPUクーラー

CPUに宇宙人がいるのは Alienware のお約束。上位のクーラーは電飾付き

Alienware Aurora R13, 側面パネルの取り外しハンドル

この突起を引っ張ると側面カバーが外れるが注記が宇宙語っぽくてわかり辛い

Alienware Aurora R13 は前モデル(R9~R12)よりも一回り大きくなっている。
その理由は電源の位置が変わったことと、M.2 スロットが追加されたこと。

以前の Aurora ケースは電源ユニットが側面カバーに張り付いていた。
それで電源の設置スペースを節約していたのだが、R13 からは後方下部に置く、一般的なスタイルに戻されている。

これによりケースの高さが増したが、側面のクリアパネルから中をのぞけるようになって装飾性はアップした。
中が広くなったのでエアフロー(通気性)も良くなっただろう。

また、M.2 スロットの追加でマザーボードの幅が広くなり、ケースの奥行きが増した。
10cmぐらい長くなったので家が狭い日本的には困りものだが、空きの M.2 スロットが使いやすい位置にあるのは NVMe SSD を手軽に追加できて嬉しい。

また、天井部に3.5インチ(HDDサイズ)、床にも2.5インチ(SSDサイズ)のストレージベイ(設置場所)が1つずつ用意されている。

Alienware Aurora R13, ビデオカード周辺

電源は本機専用の特別品。PCIeスロットはビデオカードの上に1つあるが……

Alienware Aurora R13, ストレージ拡張スロット周辺

ストレージの増設スロットは手を入れやすい位置にある

正直、デスクトップとしては拡張性は高い方ではない。
サイズを考えるとなおさらで、CPUクーラーや電源ユニットがオリジナルなので故障時に市販品に付け替えるといったことも難しい。

ただ、今は無理に拡張性が求められる時代ではない。
中がのぞけるので、内部の美しさ重視というのも悪くはないだろう。
ストレージベイが2つ、空きの M.2 スロットが1つあり、メモリスロットも4本で、これらのよく着脱される部分の拡張性は考慮されている。

パーツ性能

処理性能(CPU)

Alienware Aurora R13(プレミアム)は CPU に「Core i7-12700KF」を搭載している。
最新の第12世代 Core(Alder Lake)にして、上位型の Core i7。
さらに「K」の付いたものはマニア向けの特別仕様で、性能の調整が可能、さらに通常モデルよりも高い性能を発揮できる。
ただ、詳しくは後で述べるが、第12世代 Core の K モデルは噂通りの禁断の実だった。

「F」というのはCPU内蔵グラフィック機能がないタイプで、本機のようにビデオカードを備えており、内蔵グラフィック機能が不要な場合に用いられる。

第12世代 Core はPコアと呼ばれる高性能コアと、Eコアと呼ばれる発熱の低い高効率コアを組み合わせた複合構成だが、Core i7-12700KF はPコア8、Eコア4の12コア構成。
Pコアは同時に2つの作業(スレッド)を行えるので、12コア20スレッドのCPUとなる。

Core i7-12700KF, CPU-Z

TDP(消費電力と発熱の目安)は125Wとなっているが…… このCPUでは意味がない。
高負荷時にはそれ以上のパワーで動き続けるからだ。
共用キャッシュ(CPU内のデータ置き場)は第11世代 Core の約1.5倍となっている。

以下はベンチマーク(性能測定)ソフト CINEBENCH R23 の結果と、他のデスクトップ用の主流 CPU との比較グラフだ。
(テストは本機の初期設定である "Overclock 01" で行っている)

Alienware Aurora R13 プレミアム, Core i7-12700K, CINEBENCH R23

Core i7-12700KF 測定結果

Alienware Aurora R13 プレミアム, Core i7-12700K, 動作テスト再現アニメGIF

動作速度の再現

・マルチコア性能(CINEBENCH R23)

Core i9-12900K:25000

Core i7-12700K:22500

Core i5-12600K:16500

Ryzen 7 5800X:14500

Core i7-12700:14000

Core i7-11700K:13500

Core i5-12400:11500

Ryzen 5 5600X:10500

Core i7-11700:9200

Core i5-11400:8000

・シングルコア性能(CINEBENCH R23)

Core i9-12900K:2000

Core i7-12700K:1900

Core i7-12700:1900

Core i5-12600K:1870

Core i5-12400:1720

Ryzen 7 5800X:1580

Core i7-11700K:1550

Core i7-11700:1520

Ryzen 5 5600X:1520

Core i5-11400:1400

さすが K モデル、マルチコアのスコアは約22500と、宇宙的性能だ。
第11世代の Core i7-11700K や、普通の第12世代の Core i7-12700 の約1.6倍、8000以上も上回るスコアを出している。
加えてシングルコア性能も約1900と、現行最高値に近い。

マルチとシングル、双方が非常に高いため、動画編集や画像加工、一般のソフトウェアの動作やゲームなど、どの分野においても高度な性能を発揮するだろう。

ただし、この第12世代 Core の K モデルはとんでもないじゃじゃ馬だ。
高負荷時には200W以上の高電力が投入され、そのまま温度が許す限り爆進し続ける。
(本機は基準電力の"PBP"は210W、最大電力の"MTP"は241Wに設定されていた)
普通のCPUは一時的に性能が引き上げられるターボブーストがかかっても20秒ほどで収まるが、Kモデルはもはや「ずっとブースト」状態だ。

当然のように爆熱が発せられ、CPU温度は100度近くまで上昇、その冷却のために全てのファンは高速で回転し、その騒音はもはやフルパワーの空気清浄機レベルに。
エイリアンマークの水冷クーラーでも抑えきれないプレデターだ。

Alienware Aurora R13 プレミアム, Core i7-12700KF, Cinebench R23 測定中のCPU温度, Core Temp

とは言え、普段はここまで高負荷がかかることはない。
また、さすがにこのままでは危険であるためか、ベンチマーク開始から2分ほど経つと電力は185Wに低下し、CPU温度も85度前後に減少。騒音も一般ゲーミングPCのレベルに下がった。
そのまま徐々に電力と温度は下がり続け、10分の測定が終わったころには160W、温度は80度となっていた。

高負荷をかけても爆熱爆音なのは最初の数分で、その後は安全なレベルまで下がるようにはなっているので安心して欲しい。
また、高負荷がかかっていないときの動作音は一般的なレベルであり、特別うるさくはない。
ただ、たまにすっごい音を立てる、気の許せないエイリアンらしいマシンなのは確かである。

一応、ファンの動作速度は設定できるが、ゆるい設定にして熱暴走したら危険なので無理な静音化はお勧めしない。

Alienware Aurora R13 プレミアム, Dell command center

管理ソフトで簡易的な性能調整が可能
逆にBIOSを通しての調整は無理な模様

Alienware Aurora R13 プレミアム, ファンコントロールの画面

ファンを静音にするならCPUのピークパワーも下げた方が無難だろう

このような CPU であるため、冷却性能が高いほどパワーを出せる。
ノーマルの水冷クーラーでも十分だとは思うが、Core i7-12700KF の性能をできるだけ引き出したいなら、Cyro-tech エディションのクーラーを選ぶのを勧める。

なお、Alienware Aurora R13 でも「スタンダード」モデルなら K ではない、大人しいCPUを搭載している。
ただし K でないものは、K 付きと比べるとだいぶ最大性能は落ちる。
(Core i7-12700K がマルチ22500なのに対し、Core i7-12700 は14000)
無難に動くが、そんなマシンはこの星にはたくさんあるので、どうせ本機を使うなら宇宙人的な性能と挙動を楽しんで欲しい。

グラフィック性能(GPU)

Alienware Aurora R13 プレミアムは、ビデオカードに「GeForce RTX 3070」を搭載する。
最新ビデオカード GeForce 3000 シリーズのひとつで、クラスとしては「中の上」。
ただ、最近はPCパーツが値上がりしており、価格的にはハイクラスといっても良い状況だ。

なお、GeForce RTX 3060 を搭載するスタンダード、GeForce RTX 3080 を搭載するプラチナなどのモデルもある。

GeForce RTX 3070 は一時は人気になり過ぎて価格が高騰し、ぜんぜん手に入らない状態となっていた。
そこまで人気だった理由は性能に対する消費電力が低かったためだが、詳しくは後述する。

以下はベンチマークソフト 3DMark:TimeSpy での性能測定の結果だ。

Alienware Aurora R13 プレミアム, GeForce RTX 3070, 3DMark TimeSpy
※ゲームパフォーマンス予測の1080pは解像度1920x1080、1440pは2560x1440。
Ultra は最高画質設定であることを示す。

3D Mark:Time Spy のグラフィックスコアは約13000
(CPUも含めた)総合スコアは約13250だった。

他の現行のデスクトップ用ビデオカードとの性能比較は以下のようになる。

・3D Mark: TimeSpy(デスクトップ用)

GeForce RTX 3080(320W):17000

GeForce RTX 3070Ti(290W):14500

GeForce RTX 3070(220W):13000

GeForce RTX 3060Ti(200W):11500

GeForce RTX 3060(170W):8500

GeForce GTX 1660SUPER(125W):6000

GeForce GTX 1650(75W):3600

GeForce GTX 1050Ti(75W):2500

Iris Xe(CPU内蔵、第12世代):1700

Iris Xe(CPU内蔵、第11世代):1400

緑は性能、細い青色の横棒はTDP(消費電力と発熱の目安)だ。
見ての通り、GeForce RTX 3070 は性能に対して消費電力が低く、高効率であることがわかる。
GeForce RTX 3070Ti の電力消費が多かったこともあり、その辺を気にするユーザーは一斉に 3070 を求めた。

性能的にも、GeForce RTX 3070 なら現行のゲームはほぼ全て高画質で快適に動作する。
現行のゲームを基準に考えるとオーバースペックと言えるほどで、4K画質 や 200fps といった高負荷な動作にも対応できる。
一般的な使い方をする場合でも、どうせゲーミングPCを買うなら長く戦える性能は欲しい。
また、ゲームの実況配信を行うつもりならこの辺りの性能が必要だ。

人気ゲーム「Apex Legends」は最高画質で 140fps、「フォートナイト」は 150fps で動作するとの評価。
「ファイナルファンタジー15」のベンチマークは「非常に快適」の評価でスコアは12750。
ちなみに4K画質(解像度3840x2160)だとスコア5650で「やや快適」だった。

「モンスターハンターライズ」は高画質で 185~210fps で動作。
平均 200fps で動いており、リフレッシュレートが 200Hz の高速描画モニターの性能を余すところなく発揮できる。

Alienware Aurora R13 プレミアム FF15 ベンチマーク

FF15 は高画質でスコア12000を越える

モンスターハンターライズ高画質

モンハンも快適、高画質なら水面も綺麗

ただし、高負荷な設定でゲームを動作させると、やはりファンの動作音が凄まじい。
イヤホンやヘッドホンを付けていれば気にならないとは思うが、それでもフルパワー時の音は小型掃除機を思わせる。

ただ、これはゲームの負荷によって変わり、例えば描画速度を60fpsに制限すれば静かになる。
この辺りは自分で調整できるので、許せるレベルで動作させればいいだろう。
現行のゲームは標準的な描画速度と解像度なら、全く問題ないはずだ。

ストレージ(記録装置)とメモリ

標準搭載のデータ記録装置(ストレージ)は 512GB の NVMe SSD となっている。
NVMe SSD は M.2 と呼ばれる小さなスティック型をしていて、従来型より大幅に高速だ。
しかも本機のものは第4世代 PCIe 対応品(Gen4)で、さらに速度に勝る。

512GB という容量はゲーム用デスクトップPCとしては心もとないが、「デュアルSSD」を選択すれば 512GB NVMe SSD + 2TB SSD や、1TB NVMe SSD + 2TB SSD、2TB NVMe SSD + 2TB SSD といった組み合わせにもできる。

個人的には 1TB+2TB を勧めたい。メインストレージは 1TB ないと昨今は不安だ。
一方、ゲームは NVMe SSD でなくてもプレイに大きな影響はないので、ゲームや雑用として 2TB SSD を搭載しておきたい。

内部構造のところで述べたように本機には2本目の M.2 スロットがあり、そこに NVMe SSD を追加可能なのだが、注文時に NVMe SSD 2本にして貰うことはできないので、そちらへの増設は自力となる。

以下は今回の試用機に使われていた NVMe SSD の速度測定結果だ。

Alienware Aurora R13 プレミアム, CrystalDiskMark 標準測定, Micron 3400 NVMe SSD

標準設定で測定

Alienware Aurora R13 プレミアム, CrystalDiskMark NVMe SSD用測定, Micron 3400 NVMe SSD

NVMe SSD 設定で測定

読み込み速度は約5500MB/s、書き込み速度は約3900MB/s。
Gen4 の NVMe SSD としては標準的で、悪くない数値。

そしてランダムアクセス(バラバラのデータの処理、3段目)が非常に優秀で、NVMe SSD 用の測定(同時処理あり)で読み込み 1500、書き込み 2500 という好スコアが出ている。

ランダムアクセスの方が実際の使用感(特にゲーム)に影響するので、用途にマッチした良い製品と言えるだろう。
なお、マイクロン社の こちら のものが使われていた。

そしてメモリは第12世代 Core から使用可能になった「DDR5」が使われている。
先日まで主流だった DDR4 の2倍の最大データ転送速度を持つ新型メモリだ。

ビデオカード搭載機の場合、大半のゲームはメモリが DDR5 でも影響は少ない。
多くのゲームはデータ処理より、グラフィック負荷の方が高いからで、よほど CPU に高負荷がかかる状況でないと高速メモリは活きない。

しかしゲームによって異なり、CPU をぶん回して考える戦略シミュレーションゲームや、細かな再現を行うシミュレーター、囲碁や将棋の AI ソフトなどは、DDR5 が活きる。

いずれにせよ、最新であるに越したことはないので、DDR5 が搭載されているのは嬉しい。
標準で16GB(8GBx2)搭載されており、一般用途ではこれで十分だが、 長くゲームをプレイし続けたり、動画配信をするなら、32GBあった方が安心できるだろう。

総評

アメリカンというか、ハリウッド的というか、そんなパソコンだ。
同じパーツ構成のパソコンは他所にもあるが、このデザインセンスは唯一無二である。

一方で、大手メーカーらしいセーフティな作りにもなっている。
K付き第12世代 Core i7 はなかなかのじゃじゃ馬だが、ムチャな設定にして壊れないよう、安全な範囲の調整しかできないようになっており、耐久性も十分に考慮されていて、破天荒に見えて中身はしっかりしている印象だ。

以前からエイリアンウェアに感じていた「日本にマッチしていない感」は、今でもある。
だが、そんな異国情緒というか、異星情緒が本機の良さだろう。

「魅せるパソコン」であり、性能や信頼性を求めつつも、どうせなら人とは違う、一風変わったものが欲しいと思っている方には、ピッタリのマシンだ。

Alienware Aurora R13

Alienware Aurora R13
※レビュー機は「プレミアム」の構成です。

ケース:デスクトップ(フルタワー級)
CPU:Core i7-12700KF(第12世代、K付き)
グラフィックス:GeForce RTX 3070 8GB
メモリ:16GB(DDR5-4400、8GBx2)
ストレージ:512GB NVMe SSD(Gen4)
その他:オリジナルケース(側面クリアパネル)、オリジナル水冷クーラー、オリジナル電源、各所にLED装飾
価格:税込401,471円(WEB実売価格 約31万円

※詳細は Dell Gaming シリーズ のページをご覧下さい。
※仕様・価格は時期により変更の可能性があります。

執筆:2022年7月9日