パソコンの性能を見るときに、一番重要視されるのが「CPU」です。

パソコンの「頭脳」であり、様々な計算や作業は、ここがほとんど行っています。
CPU の性能が高いほど、パソコンは速く、反応よく動きます。

よく使われている一般的な CPU は以下のものです。

Core i7:高性能。値段も高めです。
Core i5:中間性能。値段と性能のバランスが良いタイプ。
Core i3:価格が安めのタイプ。性能は下位です。
Pentium:安いタイプ。採用製品は少なめ。
Celeron:もっと安いタイプ。安価なパソコン用。

Intel CPU ランク図

よって性能の良いパソコンが欲しいなら、Core i7 か Core i5 のものを選びましょう。

Celeron が使われているパソコンは初心者向けか学習用、もしくは安さのみを追求した製品だと考えて下さい。
日本では、そうしたパソコンには「エントリー向け」と書かれている場合が多いです。

Core i3 も安さ重視で、性能はそれなり。
Celeron よりはだいぶマシなので軽作業は普通にこなせますが、少し重い作業をやらせるともたつきます。

近年、Core i7 より上位の Core i9 も見かけるようになりましたが、高価で一般向けとは言えません。


一方、同じタイプの製品でも、新しいものの方が性能は良くなります。
これは「第13世代 Core プロセッサ」というように「世代」で表され、以下のようなものがあります。
(プロセッサとは CPU のことです)

第10世代 Core プロセッサ その1:2019年秋に登場。ノート向け。通称 Ice Lake。
第10世代 Core プロセッサ その2:2020年春に登場。一般用。通称 Comet Lake。

第11世代 Core プロセッサ その1:2020年夏に登場。ノート向け。通称 Tiger Lake。
第11世代 Core プロセッサ その2:2021年夏に登場。大型機向け。通称 Rocket Lake。

第12世代 Core プロセッサ:2021年末に登場。通称 Alder Lake。
第13世代 Core プロセッサ:2022年末に登場。通称 Raptor Lake。
第14世代 Core プロセッサ:2023年末に登場。通称 Raptor Lake Refresh。

現在の主流は第13世代 Core と第14世代 Core。
第12世代 Core は少し前ですが、安価なパソコンではまだ使われています。
それより古い第11世代以前の製品は、もうおすすめできません。

Core i7 が使われていても、それが古い世代のものなら「型落ち品」です。
例えば Core i7 でも第11世代のものだと、第12新世代の Core i5、第13世代の Core i3 に及ばない程度になります。

また、CPU の世代によって「メモリ」や「マザーボード」などの他のパーツも決まるので、前の世代の CPU が使われている場合、他の部品も旧世代だったりします。

cpu

CPU はこの様な板状のパーツです

Intel の CPU

同じ名前でも世代が違えば性能は別物

CPU には「型番」が付けられていて、これで世代がわかります。
また、同じ世代のCPUでも、いくつかのバージョンがあります。

例えば第13世代の Core i7 には以下のようなものがあります。

Core i7-13700K:愛好家向け。高額だけどより高性能。ただし消費電力と発熱が高い。
Core i7-13700:標準タイプ。こちらの方が安く、消費電力と発熱も普通。
Core i7-13700T:消費電力と発熱を軽減したタイプ。ただし性能も抑えられている。

つまり同じ世代の Core i7 でも、全部同じではない訳です。
種類が多いのでチェックするのは大変ですが、できれば型番も見ておきましょう。

型番の4桁目と5桁目の数字で、世代が解ります。
「Core i7-9700」なら第9世代で、「Core i7-11700」なら第11世代。

3桁目の数字は高いほど上位型で、Core i5-9500 よりも Core i5-9600 の方が少し高性能、高価格になります。

カスタマイズが可能なデスクトップパソコンは CPU の種類を選べるため、予算を考えながら、好みのものを選べます。
ちなみにカスタマイズは「BTO」とも呼ばれ、Build-to-Order の略、受注生産という意味です。

BTO パソコンの CPU 選択一例
※マウスコンピュータの BTO パソコンの CPU 選択一例


また、CPU にはデスクトップ用とノートパソコン用があります。
一例として、ノートパソコン(モバイル)用のCPUには以下のような種類があります。

Core i7-13700H:H はハイクオリティータイプ。高性能ですが消費電力と発熱が多いため、ノートパソコンだとバッテリーの消耗は早くなります。
Core i7-1360P:P は第12世代以降の標準型の名前。
Core i7-1355U:U は省電力型で、軽量モバイルノート向け。性能は控えめですが消費電力が低く、バッテリーが長持ちします。
Core i7-10510Y:Y は超低電力タイプ。主にタブレット用で、消費電力と性能はさらに低め。

ノートパソコン用の CPU はバッテリーを長持ちさせて、発熱も軽減する必要があるため、消費電力を抑えており、代わりに性能は低めになっています。

基本的に、性能は「デスクトップ > ノートパソコン > タブレット」だと思って下さい。

モニター一体型のパソコンは、中身はノートパソコンと同等です。
2in1(ノート+タブレット型)はタブレットと同等です。

デスクトップ > ノート > タブレット

例えば、ノートパソコンの Core i7 は、デスクトップの Core i5 ~ Core i3 ぐらいです。

ノートパソコン用なのにデスクトップ用に負けず劣らずの高性能を持つ、超性能重視型(HX)のCPUもありますが、大型の冷却機構が必要で、そのためサイズが大きくなって重量も増加、音もうるさくなり、バッテリーも長持ちしなくなるなど、デメリットも多いです。


Core や Celeron は Intel(インテル)という会社の CPU ですが、AMD という会社の CPU もあります。
AMD の製品には、以下のようなものがあります。

Ryzen 7:Core i7 のライバルである高性能型。
Ryzen 5:Core i5 のライバルで、中間性能。
Ryzen 3:Core i3 のライバル。価格の安いタイプ。
AMD e、Athlon:Celeron や Pentium クラスの低価格な CPU。
(他に、上位の Ryzen 9 や、特殊用途の Threadripper がある)

AMD の製品には得手不得手があり、玄人向けと言えました。
しかし近年は品質が向上し、世界的な CPU の不足もあって、Ryzen を使用するパソコンも増えています。

安定していて安心感があるのは Intel(Core)ですが、Ryzen の方が性能に対して安い場合が多いです。
会社の違いで使い方が変わることはありませんし、性能的には初心者が気にするほどの差はありません。

ただ、Ryzen には Zen2、Zen3、Zen4 と呼ばれている複数の設計(アーキテクチャ)が存在し、新世代のCPUなのに、中身は旧設計の Zen2、といったケースがあります。
おまけに、それを型番で判別することが難しいという難点があります。

このため、やはり Core と比べると玄人向けであることは否めません。

AMD CPU ファン
AMD は Intel より性能や安定性で劣ることが多く、完全に劣勢でしたが、現在は追い上げています。
ただ、まだ個人向けパソコンでは Core が大きなシェアを持ちます。


CPU の用語については こちらのページ で解説しています。
より詳しい説明や、種類の一覧も掲載しています。
CPUの性能一覧グラフは こちら を。

これから発売されるCPUの予定(ロードマップ)は こちらのページ に移転させました。

メモリなど、他のパーツについては カスタマイズについて のページをご覧ください。